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異常気象時にナウシカを放送する絶妙さ。

人類が環境破壊を起こした報い?

 7/7、世間では七夕とされているが、ここ数日の線状降水帯の影響で、中国、四国、九州地方を中心に自然災害が発生していて、命の危険に晒されたり、生活インフラが止まるなどで、呑気に願いごとの短冊を書いている場合ではない状況の方は多かったのではないかと思う。

 中日新聞Webによると、実に47年ぶりの異常気象だと報道されていたが、西日本豪雨は記憶に新しく、異常気象が常套句となりつつあり、何事もない平穏な1年だった年を列挙する方が難しいかも知れない。

 人によってはせっかくの華金だったにも関わらず、異常気象でおとなしく家に引きこもる羽目になった方は多いかも知れないが、そんな時に金曜ロードショーで「風の谷のナウシカ」が放送されたのは、作品の内容的にグッドタイミングすぎて呪術にも似た何かを感じてしまった。

 長編アニメの制作に際して、原作がないなら創れば良いとナウシカには漫画版があるが、映画とは結末が異なり、現代風に言えば、アニメは原作改変されている。

 とはいえ原作、長編アニメに共通しているのが、環境問題であり、文明批判にもつながるが、昨今の異常気象も、人類が無秩序に環境破壊を起こした報いで、SDGsなどと先進国の人間が綺麗事を言っている場合ではないと、ナウシカに突きつけられている気分である。

ナウシカだけが新作公開前に放送される…

 7/14にジブリ映画の新作が公開される記念で、金曜ロードショーお馴染みの、3週連続ジブリ企画となっているが、唯一映画公開前の放送回である、一週目にナウシカを持って来たのは、新作と関係しているのではないかと勘繰ってしまう。

 とはいえ、私はN○Kにお金を支払いたくないことから、受信装置に相当するものを所持しておらず、恒例のバルス祭りを含めて蚊帳の外だし、地方移住したものだから、そもそも映画館すら都市部まで出向かないと存在しないため、新作をお目にかける機会はなさそうである。

 推察に戻ると、火の無い所に煙は立たない訳で、もし「君たちはどう生きるか」がナウシカの前日譚的な位置付けで、年齢的に長編アニメから退く宮さんが、ナウシカ制作時に巨神兵による爆破シーンを担当した、弟子的位置付けの庵野秀明氏に、「シン・ナウシカ」の橋渡しをすると捉えれば、辻褄が合いそうである。

 実際、シンシリーズが一服して、予定白紙と言われている水面下で、企画が進行していても何ら不思議ではないし、ヱヴァQと同時上映で「巨神兵東京に現る」を制作している位である。

 それに先述の原作も、世間一般には長編アニメで満足してしまうクオリティなものだから、あまり知られていないが、あまりにも内容が重いため、鬱展開でお馴染みの庵野秀明監督作品として「シン・ナウシカ」が創られる可能性は十分あり得ると踏んでいる。

 僕は壊れましたで10年くらい先の話になるかも知れないが…

歴史上、文明社会は滅びる。

 ジブリの新作長編アニメの推察はこれくらいにしておいて、ナウシカの作中で触れられているように、自然(蟲や菌)は、人間が何もしなければ、襲いもしないし、毒を出すこともない。

 人間が手を出したり、汚したり、破壊したりと、余計なことをするから、それを防ぐため、若しくは元に戻そうとする力が働き、蟲や菌も種の存続のために、やむを得ず人間に牙を向けている的な暗示が垣間見える。

 昆虫の生態がまさにそれで、世間で殺人バチと恐れられている、スズメバチやアシナガバチも、外敵から種を守るためにやむを得ず毒針で応戦するだけで、基本的に人間側が刺激しなければ、襲われることはないと言われている。

 我々人間が、自分たちよりも体格の大きい猛獣を恐れるように、蜂からすれば、自分たちの何倍も大きい生物に写る人間は、恐怖そのものだろう。

 そんなものが縄張りに現れようものなら、威嚇して追い払おうとする(ホバリングや、スズメバチなら顎のカチカチ音)。しかし、それに気付かずぬけぬけと、巣の近くで衝撃や大きな音を出したり、殺虫剤を撒いたり、駆除しようとするから刺される。

 自分たちの住環境が脅かされたら、差し違えてでも抵抗するのは、逆の立場で考えれば想像に難くないと言うより、生物としてあるべき姿だろう。

 住居には木材を使うため、人間社会の木造住宅や木造の納屋は、建築資材の宝庫とも捉えられ、運搬の手間を考えたら、その近くに巣を作るのが合理的であるし、食べ残しで発酵したアルコールも好きだから、自販機横のゴミ箱を物色することもある。

 要するに文明社会で慣れきった人間が、虫たちを無自覚におびき寄せては、脅威となる個体を害虫と称して、駆除しているとも捉えられ、エゴ以外の何者でもない。

 地球温暖化もフロンによるオゾン層破壊の影響と習ったものの、メカニズムも未だ完全には解明できておらず、そもそも人類の経済活動とは関係ない因子で生じている可能性もゼロではない。

 とはいえ、石油などの資源は、創聖のアクエリオン並みの歳月を掛けて出来ているにも関わらず、それを現代人が枯渇させる勢いで、自然から生み出される何倍ものエネルギーを消費して、経済活動を営んでいるのだから、いずれ地球全体が行き詰まるのは明白で、それが異常気象に繋がっているとも考えられる。

 歴史上、文明社会は滅びる運命にあり、後世に未来を残したいのであれば、ナウシカのような自然と共存する生き方を模索する段階に、我々はいるのかも知れない。


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