![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/96489186/rectangle_large_type_2_b83fb67fd06d3071f9b2c292a7dd3694.jpeg?width=800)
#さんとしょ に並べた1冊 その9 ー お金のむこうに人がいる 元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門
僕の育った尼崎にできる「みんなの図書館」 #さんとしょ さん。
1月28日のオープンまであと2日です。
オープンが近づくこの「さんとしょ」さんの1箱本棚オーナーなんです、僕は。
その僕の1箱本棚がこちらです。
![](https://assets.st-note.com/img/1674681309599-ccguvocges.jpg?width=800)
11冊の本を並べたのですが、今日ご紹介するのは上の写真の右から3冊目です。
田内学さんの著書
お金のむこうに人がいる 元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門
です。
2021年12月につくった記事です。
この本と出会えて、本当に良かったと思っています。
つい最近、茂木健一郎さんもこの本をご紹介されていました。
#ブックレビュー #田内学 『#お金のむこうに人がいる』
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) January 24, 2023
断言しますが、これは名著です!#茂木健一郎 #脳の教養チャンネル #もぎけんブックレビューhttps://t.co/Fu9F57G8UO
どんな人にこの本を手に取ってもらいたいか
「経済」という言葉を聞くと、なんだか難しそう、と感じている人。
経済って何ですか? と質問された際に、自分なりの答えがすぐに出てこない人。
この質問にスッと答えが、クリアな答えが出てくる人って、実はめちゃくちゃ少ないと思います。仮に答えが聞けたとしても、聞いた答えに対して「それって経済なんか・・・」と心の中で感じるのではないでしょうか。
著者の田内さんは、専門家が専門用語を並べ立てるから「経済とは何か」がわからなくなってしまう、と指摘されています。そして、こう断言されています。
専門家が専門用語を使うのは、相手をごまかそうとする時だ。
専門家と呼ばれる人でさえも、「経済とは何か」という問いに対して多くの人が「なるほどねえ」と納得させるだけの答えを持っていない。これが真実なのかもしれません。
この本で田内さんは「専門用語や難しい数式」を使わないと最初に約束しています。
さらにです。本のカバーには「お金を取っ払って」と書かれています。「経済とは何か?」と問われたら、ほぼ100%の人が最初にイメージするのは「お金」ではないでしょうか。その「お金を取っ払って」考えましょう、と。
「お金」ではなく「人」、「はたらく人」から考えてみましょう、と。
ご興味をお持ちになりましたか?
著者の田内さんが本の前半を無料公開されています。ぜひご覧ください。
経済の話を専門家任せにするのではなく、一人ひとりが考えた方が、未来の社会はずっと良くなると思うのです。
この本から何を読み取ってもらいたいか
この本を読んであらためて認識させられたこと。それは株式投資等で資産を築いたとしても、本当に困った際にはその資産が役に立たないこともあるってことです。コロナ禍の医療の逼迫がその典型例です。つまり、お金をたくさん用意してもはたらく人たちがいてくれなければどうしようもないという事実です。
コロナ禍のケースは医療の話ではっきりとわかったわけですが、実のところ、医療だけではないと思うんです。介護もそうだし、教育もそうでしょう。新しい教員の募集が定員割れ、とかそんなニュースを聞きます。警察だって消防だって・・・
人口が減っていくってそういうことなんだ、と気づかされました。
この問題はいかにドラスティックな対策を打てて、かつ、それが奏功しても、その成果を実感できる、効果が確認できるのは何十年も先でしょう。しかし、少子化問題は取り組むべき最優先課題の一つです。
少子化問題に立ち向かうのと同じように、はたらく人たち一人一人の生産性を高めること。これも取り組むべき非常に重要な課題だと思います。生産性を高めることで、医療の現場であれば、より多くの患者さんにサービスをできるようにする、はたらく人の数は有限だからもちろん限界はあるでしょう。でも、生産性を高めることでより多くの効用が得られるのではないでしょうか。
前置きが長くなりました。このはたらく人たちの生産性を高める のに「投資」が役立つ、貢献できるのではないか、ということです。
田内さんはこの本でこう述べられています。
僕たちが流している投資や消費のお金が、労働の分配を決めていて、その配分によって未来が作られている。
投資が未来を作っているのだ、と。その「投資」の中身、どこに投資するか、の大切さ、重要性については次のように指摘されています。
投資の損は、事業の失敗を意味する。その事業に費やされた労働に対して、お客さんが感じた効用が少な過ぎたということだ。多くの労働がムダににあった。その労働が他のことに使われていたら、僕たちの生活はもっと便利になっていたかもしれない。
投資には、労働を使うことに対しての責任が伴っている。
投資に失敗はつきものです。失敗がダメだ、けしからん、ではないと思います。
「投資が未来を作っている」その認識、責任をいくらか、多少なりとも持って投資した方がいいんじゃない?ってことだと僕は思っています。
本の終わりに近づいたところで 「投資」という未来のための労働 という節があります。
投資をお金儲けとして捉えると、この投資が成功したかどうかは将来の株価次第だ。株価が上がれば大儲けできる。しかし社会全体の視点では株価は意味をなさない。投資家が株を売却して手に入れたお金は他の財布から移動しただけだからだ。
社会全体にとって重要なのは、その投資によって生み出される効用だ。現在の人たちが100億円分働いたことによって、未来の人たちの生活がどれだけ豊かになるのか、だ。
この田内さんの指摘については「プライマリーとセカンダリー」という点に触れるべきなんですけれど、それは割愛します。これって専門用語だなあ、ごまかそうとしているのかしら、、、
この本から何を読み取ってもらいたいか、です。
「人」、はたらく人をみましょう。
そして
投資を適切に行うことも、未来の問題を解決する助けになる。
「投資が未来を作っている」。
以上
#お金のむこうに人がいる のご紹介でした。
「さんとしょ」さんでこの本に出会ってくれる人が一人でもふえることを祈っています。
明日はどの本になるか、お楽しみに!
既にご紹介済みの #さんとしょ に並べた1冊
サポート頂いた際は、TableforKidsへの寄付に使わせていただきます。 https://note.com/renny/n/n944cba12dcf5