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書籍『お金のむこうに人がいる』の本文の一部を無料公開する理由

書籍『お金のむこうに人がいる』が発売されて1ヶ月経ちました。おかげさまで重版も二度かかりました。

発売前に序文を公開致しましたが、ここで、本文の一部も公開しようと思います。

申し遅れました。私、田内学と申します。書籍『お金のむこうに人がいる』の著者です。サブタイトルは「元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた経済新入門」です。


僕には「道徳」を語る資格は無い

「お金のむこうに人がいる」というタイトルを見ると道徳の匂いがします。だけど、道徳を語るつもりはありません。サブタイトルにある通り、資本主義ど真ん中にあるゴールドマン・サックスというアメリカの投資銀行で長年働いてきました。さらに、お金そのものを商品として扱う金利トレーダーという仕事をしていました。そんな僕が、道徳の話をしても何の説得力もありません。

じゃあ、何の話をしているかというと、経済の話です。
といっても、ゴールドマン・サックス時代に取引してきたような金利計算の話や金融資産の現在価値の話は出てきません。専門用語も難しい数式も出てきません。それは、簡単に経済を説明したかったからではなく、それが本質ではないからです。
その代わり、ジャイアンリサイタルやピラミッド建設、子育ての話が出てきます。これも全部、経済の話です。専門的な話よりも、ずっと本質的な。

長い間、僕は、お金を通して経済を見てきました。
経済は難解です。「政府は財政赤字を増やしても大丈夫か」という議論は未だに続いていますし、年金問題だってどうすればいいのか正解がわかりません。
だけど、あるとき気づきました。お金のむこう側にいる人を中心に経済を捉え直したら、経済は決して難しくないということに。


「経済学」 ではなく、「経済の謎」を解く

そして、この本は“経済”の本であって、“経済学”の本ではありません。サブタイトルが「経済新入門」であって「経済学入門」ではない由縁です。
“経済学”は主に「社会とお金の関係」を扱いますが、“経済”というのは、「社会と人」の関係です。この「社会と人の関係」を解き明かすために、この本の中では、「お金」についての“謎”を一つひとつ解いていきます。

「なぜ、紙幣をコピーしてはいけないのか?」という子どもの頃から僕自身が抱いていた疑問から、「なぜ、大量に借金しても潰れない国があるのか?」という専門的な疑問に至るまで、ゼロから考えます。

さて、どうして、このタイミングで本文を公開するのかと言いますと、僕の目論見が甘かったからです。すでに公開した「はじめに」に、こう書きました。

経済の話が難しく感じるのは、決してあなたのせいではない。専門用語を使わなければ、誰もが同じスタートラインに立って考えることができる。だからこの本では専門用語や難しい数式を一切使っていない。

この言葉にはもちろん偽りがないのですが、本文を読んでもらわないと伝わらないということに今更ながら、気づいたのです。


「本当に簡単に読めるの?」

事実、インスタのD Mにこんな質問が数多く飛んできます。
「経済の本を読んだことのない私でも読めますか?」
「中学生の息子(小学生の娘)にも読めますか?」

確かにそうですよね。経済の本って相当敷居が高いですもんね。「誰でもわかる」と書いてある経済書でも、1%くらいの人しか聞いたことのない単語で書かれていたりします。
そんな不安を取り払うべく、本文の一部(第1部の序文、第1話、第2話)を公開することにいたしました。
多くの人が抱いている「経済の本」のイメージとこの本が、全く違うことがわかってもらえるはずです。

経済の敷居を下げることが、僕がこの本を書いた目的の一つでもあります。

経済の話を専門家任せにするのではなく、一人ひとりが考えた方が、未来の社会はずっと良くなると思うのです。


『お金のむこうに人がいる』本文(一部)無料公開中①


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