お金が偉いのか、働く人が偉いのか
この本との出会いが、今年一番です。
今年読んだ本はそう多くはなかったのですが、この本との出会いで、この数年モヤモヤしていたことをクリアにしてくれた気がします。
twitter でこんなツイートを見つけました。
へぇ って思ったのがこの本が「投資・株・資産運用ジャンル」だということ。
本の第6話に「投資とギャンブルは何が違うのか?」がありますので、確かに、投資もカバーされています。しかし、「投資、資産運用でどんな商品を選べば良いの?」という類の具体的なHowは何も述べられていません。ですから、そうした問いに対してすぐに答えがほしい、答えだけがほしい人がこの本と出会ったら、大いなるミスマッチということになることでしょう。
でも、です。「投資、資産運用でどんな商品を選べば良いの?」という問いに対して、じっくりと深く考える意思があり、自分なりの答えを探したい人にとってはヒントになることが沢山見つけられるのではないか、僕はそう思いました。
ここ数年、取材に対応させていただいた際に強調していたことがあります。
それは、
自分が何に投資しているか、にもっと関心を持ちたい。
ということです。
僕自身、20年近く、投資信託を毎月コツコツと買い足して資産形成に取り組んできました。山あり谷ありながらも、おかげさまでぼちぼち順調に資産形成ができています。
それがなぜ上手く運んだのか、と考えると、いくつかの要素はあります。が、一番大きな要素は、僕が投資信託を通じて投資していた会社が価値を生みだして、その成果や将来性が市場に評価されているから、です。じゃあ、その根本である価値って誰がつくってくれたのか、届けてくれるのか、というと、投資先の会社、その周りで働いてる人たちなんですよね。
当たり前の話じゃないか!
そうです、ホントそうなんです。でも、増えた減った、騰った下がった、儲かった損した、そこに意識が向かいがちです。投資、資産運用という言葉に社会でアレルギーが示されるのには、それがとても大きいのではないでしょうか。
働いている人たちがチームになって価値、社会の難題、課題、困りごとを解決する商品やサービスをつくりだして必要な現場に届ける、を生み出し、その価値を市場が評価する。その価値創出という事業に参加、関わる権利の一つが株式。
こう考えると、やり方次第の面はあるものの、株式投資ってスゴいことだと思いませんか。そして、より大事なことは、その根っこには必ず「働くこと」や「人」がいるってこと。この本との出会いでそこが非常にクリアになりました。
この本でも取り上げられていますし、下記の番組でも話題になっていました「年金」の話。
田内さんはこんなこともお話しされていました。
お金をいくら用意しても働く人がいないと意味がなかった。僕もこの事実が強く、強く印象に残っています。お金があれば、それと交換して必要なモノを手に入れたり、サービスを受けることが出来る。そう思い込んでいました。でも、それは思い込みだったのでは、と。一部の産業、たとえば、半導体不足が報道されていますが、バリューチェーンのいろんなところに問題、ボトルネックを抱えていると推測しますが、これも働く人が十分じゃないことがあちこちで影響しているのでしょう。お金「だけ」を用意すれば解消する話ではないだろう、と捉えています。
働く人そのものを増やす、少子化の問題。そして、もう一つは生産性を高めること。生産性を高める、という意味で、資本(お金だけとは限りませんが)をどこにどれだけ、どうやって投じるか、「投資」が非常に大きな役割を担っているように思います。
田内さんもこの本の中で「投資」が果たせる役割を指摘されています。
お金「だけ」ではダメ、それをどう上手く活用するか。この「どう活用するか」に、僕たちは投資家として関わっています、当事者です。「株式投資”なんて”していない」と思っている人もいるかもしれませんが、ほぼ全ての人が関係者です。
この本と出会えたおかげでモヤモヤがかなり解消した感じです。
著者の田内さんには深く感謝しています。
モヤモヤの一部について、つくっている記事です。
かなり長い記事(それだけモヤモヤが強かった?)ですが、良かったらご一緒にご覧ください。
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