おはぎをくれる人はいい人だ。 ウニや、イクラや、牡蠣をくれる人より断然いい人だと思う。

おはぎを貰った。オレの大好物だ。
ウニより、イクラより、牡蠣より、おはぎが断然いい。

おはぎをくれる人はいい人だ。
ウニや、イクラや、牡蠣をくれる人より断然いい人だと思う。

ウニや、イクラや、牡蠣をくれる人に対しては「嫌がらせか?」とまで思ってしまう。俺はそういう類の食べ物が嫌いなのだ。

以前も書いたかもしれないが、ある会社の本社屋内のギャラリーで個展をしたときに晩御飯に牡蠣料理店に連れて行ってもらったことがある。

このときは本当に難儀をした。
なんせ何から何まで牡蠣尽くし。食べられるものがないのだ。

仕方がないから牡蠣鍋の野菜をつつきながらビールを飲むくらいしかできなかった。ご飯くらい白飯がよかったが、たっぷり牡蠣の炊き込みご飯だった。

高い料理だったろうに、申し訳ない思いは確かにあった。しかしそれを凌駕する思いもまた別にあった。「普通の食べ放題の焼肉がよかった。」

あんなに目の前に牡蠣があるのは俺にとってはいじめである。
焼肉でなくても回る寿司でもお好み焼きでもラーメンと餃子でもなんならコンビニ弁当でもよかった。

余った牡蠣づくしを折詰にしてもたせてくれたが、宿泊施設への道にあったゴミ箱に捨ててしまった。持って帰っても自分では食べないし、展覧会中だけの宿泊だから、譲ってあげる知り合いもいない。
もったいないとは勿論思ったがどうしようもなかったのだ。

さて、パックの中におはぎは3つ入っていた。
我慢してとっておけるタチではないので、早速食おうと思って、お茶をいれるためにポットに水を入れて沸かしはじめる。

ご存じかどうかわからないが、オーストラリアの湯沸かしポットは日本に比べて速く湯が沸く。なんせ250ボルトもあるのだ。日本の100ボルトとは比べ物にならない。

急須にお茶っ葉を入れる前にひとつ、机について湯の沸くのを待っている間にふたつめ…。

結局湯が沸く前におはぎは全部無くなってしまった。

オーストラリアの湯沸かしポットも言うほど速く湯が沸かない、という事実が判明した、晴れた秋のシドニー。

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