Ren Yano

シドニー在住。書家。アーティストとしてスペシャルスキルビザで永住権を取得。異文化混在生…

Ren Yano

シドニー在住。書家。アーティストとしてスペシャルスキルビザで永住権を取得。異文化混在生活のエッセイ中心に書かせていただいてます。 renclub.net/sample-writing-in-youtube/ 是非チャンネル登録お願いします。

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  • ちょっとした小話風

    小話的な話をまとめます

  • やめておく、という判断も必要な話

    汚いものの説明をしたりする箇所があるので、読むのやめておこう、という判断が必要です。

最近の記事

余計なことをしない

「余計なことをしない」 2017年に朱で書いたもので、その時もある事柄に対して余計な口を出してしまったことを後で反省をした。 それから7年。またも、またしても余計なことをしてしまったようで、結局自分の気分が恐ろしく悪くなってしまうのだ。途中興奮して上品とは言えない言葉が登場するのでそれが嫌な人はここで読むのをやめていただきたい。何だか本当に申し訳ない。 「魔はさすものだ」と昔々同じような目にあった誰かが言って、それにそうだそうだその通りだと納得する人がめちゃめちゃ沢山いて

    • 作り手は日本製品への誇りをもって仕事をして欲しいものである

      日テレで放送が始まった『先生さようなら』っていうドラマの学校の中のワンシーン。文化展示スペースに生徒の絵画や書の作品が並んでいる…と思いきや、そうではなかったことに気が付く。漏れ出る違和感の独特の臭みがプンプン臭ってきたのである。 この書道の作品らしき”壁掛け”であるが、どうもパソコンで作って拡大プリントアウトしたものだろうと思われる。人間が画仙紙に毛筆を使って墨で書いて、滲みも擦れも一切なくこんな風に出来上がることはまず無い。正方形のなかに画一的に収まった形からしても毛筆

      • 神様はツンデレがひどい。

        今日はオーストラリアデー。 毎年この日はなかなか気温が高くて暑いイメージがある。 今日も曇ってはいるが蒸し暑い感じだ。 まあそれはいい。 うーん、よくもないかな。 さっき買ったMixue Ice Creamのストロベリーサンデーが、レシートをみたらいつもより多くチャージされていた。この間店ができたばかりでもう値上げしたのかとちょっと驚いてレシートを二度見すると、値上げではなく、ホリデー料金を10%取られていたのだった。週末や祝日に支払われる給料がウィークデーより割高なのは

        • 背中にも刺さるんですね

          書道のお稽古の時間。 墨を磨る音。磨墨された墨汁の香り。 とても素敵である。そうはお思いになりませんか? さて小学生の男子。 「気」の字の4画目のタテ線がうまくキューっと曲がらない。 分かりやすい説明で有名な俺は「マエケン(前田健太)のスライダーくらい曲げなきゃ」と的確なアドバイスをした。 「お父さん、マエケンってなに?」 彼は間髪置かずに横にいたお父さんに尋ねた。 分かりやすい説明で有名な俺の説明は今どきの小学生には届かなかった。おいおい、マエケンにはもっと

        余計なことをしない

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          6本

        記事

          地球の滅亡?

          おはようございます。 今朝は小雨が降ってて涼しくていい感じ。 朝通勤(オフィスまで20分歩く)してたら突然頭にボサッと何かがふれた。それは風ではなく、量感のあるものだ。 「あ゛?」と思って頭に手をやり、目でその「何か」を探す。 鳥(クロガオミツスイっていうのか?)だ。 俺の頭にタッチしたそいつは、そのまま飛んでいってちょっと先の枝に止まってドヤ顔しているのである。くっくっっと頭を動かしながら、嘴の端をちょっと持ち上げて二ヤッとしている。 俺ともあろうものが鳥ごとき

          地球の滅亡?

          というわけでビール3本目。

          地元の市長主催のサマーセレブレーションイベントがチャツウッドのコンコース内のファンクションで年末に執り行われた。 毎年やっているのかはわからないが、メールで市長から招待状をいただいたので参加することにした。 受付で配られた俺の名札には、名前の下に地元のアーティスト、と肩書が書かれていた。地元のならず者とか、やっかい者と書かれてなくて良かった。 オーストラリアに単身で移り住んで、アーティストとして永住権を許可(当時もレアだったが、今でもレアだと思う)していただいて、チャツ

          というわけでビール3本目。

          福岡県の世界戦略。

          先日、昼間にシドニー市内のホテルに出向いてきた。 福岡県で選抜された15人の高校生男女による1週間のオーストラリア農業研修の研究発表会が開催されたためだ。 なんでお前がそんなところにいるんだ?と至極当然の疑問を持った方もおられようが、それは俺がシドニー福岡県人会の副会長だからである。 いやいやなんでお前がそんな大層な役をやっているんだという至極当然の疑問を持った方もおられようが、それは俺が説明してほしいほどである。 とにかく福岡県は県と県出身の在外日本人の絆を殊の外大事

          福岡県の世界戦略。

          「いいじゃん」といえるところとそうでないところがあることを何とか分かってほしいものである。

          歳をとったせいなのか、そもそもの性格なのか、気になるものを気になっていないぞと自分に言い聞かせてひたすら黙っているという行為を密やかに執り行うことが出来辛い。 どうしてこんなことになっちゃうんだろう。 シリーズ20を優に超える某有名刑事ドラマの過去のワンシーンであるわけだが、ポジションがある程度高い人物のデスクの後ろの壁に掛かっている扁額。書かれているのは「古轍(こてつ)」。辞書によれば、「前人の行なった通りの方法や様式。昔ながらのしかた。古の聖人の行なった行跡。」という

          「いいじゃん」といえるところとそうでないところがあることを何とか分かってほしいものである。

          屁の河童

          正月早々に『屁の河童』を毛筆書きするとは夢にも思わなかったが、まあ物事というのはいつも突然に起こるものである。 どうしてこんな言葉ができたかというと、もともと『木っ端の火(Koppa-no-hi)』という(木の削りくずはすぐ燃え尽きてしまうところから)あっけないことやたわいないことをたとえていう言葉があり、これが訛って『河童の屁(Kappa- no-he)』と変化し、それをひっくり返して『屁の河童』となったのだそうだ。(諸説あり) そもそも何故『木っ端の火』を訛らせたのか

          屁の河童

          亀よりのっそりお兄さん。

          アパートのシャワールームの中にある洗面台のリークの修理は12時半のブッキングだった。12時26分に「レーンコーブを今出た」とメッセージが入る。うちはリンドフィールド。20分くらいかな。やれやれ…。 でも20分の遅れなら早い方じゃないか、と思い直す。 俺がベランダで外を見ながら待っていたら、それらしき背の高いお兄さんがリュックを肩にかけ道具箱を持ってアパートの敷地内に入ってきたのだが、それがなんと亀よりのっそり歩いている。遅刻しているとか客が待っているとかこれっぽっちも考えて

          亀よりのっそりお兄さん。

          反田恭平氏のピアノリサイタル

          日曜日の晩に、反田恭平氏のピアノリサイタルに行ってきた。 会場は Sydney Conservatorium of music。 日本の皆さんは彼のことをよくご存じだろう。そう天才だ。 日本ならチケット即完売、満員御礼なのだろうが、残念なことにシドニーの会場は全部埋まっていたわけではない。それでも沢山のファンの人が来ていて、日本人だけじゃなく、オージーの姿も沢山あった。 俺は左側の一番端の7列目、一段高くなっている席だったから、手元がとてもよく見えた。 己の技術で勝負し

          反田恭平氏のピアノリサイタル

          シドニーオペラハウス 『臼烏の糊』

          シドニーと言えばオペラハウスである、と言い切っていいものかどうか分からないが、そのオペラハウスで行われるバレエ公演「白鳥の湖」に誘っていただいた。 いきなり話は外れてしまうが、これを「臼烏の糊」と書いたとしても文脈から「白鳥の湖」と読んでくれる方もいるかもしれないと思ってしまったのは俺だけではないと思いたいが、もしかしたら俺だけかもしれないのだがどうだろうか。 有名な『伯方(ハカタ)の塩』の例を引用すると、公式として「地名+の+商品」となるわけだからか、『臼烏』という場所

          シドニーオペラハウス 『臼烏の糊』

          迷惑すぎるあの国のお爺は本当にやめてほしい。

          毎度毎度文句を言うつもりはないのだが、と、ウソをつくつもりもないのだがウソをついてしまった。文句が言いたいのだ。逆に文句しか言いたくないくらいだ。俺の血圧をどうしてくれたいのだろうか。 大体文句を言いたいことなんてちょっとしたことなのだろう、この小さい男め!と蔑みの言葉を投げつけようとしている方々もおられるかと思うが、俺の話を聞いてからにしてほしい。あなたならその状況を怒りの方向に感情を揺り動かさずにいられるのかどうか。もしいられると言うのであれば是非俺に晩飯をご馳走してほ

          迷惑すぎるあの国のお爺は本当にやめてほしい。

          UY別

          トイレ問題が勃発しているようで、女性用のトイレが減ったり、UNISEXのトイレができたり。銭湯・温泉問題や更衣室問題もそれと同様だろう。 トイレ問題の専門家では全然ない(トイレの専門家でもないし、温泉問題の専門家でも温泉の専門家でも、専門の専門家でもない)のだが、自分なりにぼんやり解決策を講じていると一つの結論に至った。人間忙しすぎると逃避してしまう傾向にあるのがよくわかる。 新時代における人間生活の考え方として必要なのはやはり「固定概念の払拭」だろう。いつまでも古い考え

          『Westmead公立病院入院回顧録 ⑪』

          大きな変化は突然言い渡される。 だいたいはそうである。 さてICUでは毎朝ドクターたちによる見回りがある。 彼らはどう思っているのかしらないが、患者側からすると動物園のゴリラにでもなった気分になる。いやゴリラほどいかつくないからニホンザルくらいか。さすがに俺も自分で自分をパンダ、とかコアラとか言えない。竹や笹はちっとも好物とは言えないし、木の幹にしがみついた母の背中にしがみついてじっとしている自信もない(母にもなかろう)。 彼らは外からこちらをジロジロ見ながら「山田さ

          『Westmead公立病院入院回顧録 ⑪』

          『Westmead公立病院入院回顧録 ⑩』

          正直ICUでの3日のことはあんまり詳しく覚えていない。 とにかく何やらかにやらが痛くて身体も自由に動かせなかっただけだったように思う。 食欲もなかったのにナンバー2のことだけしつこく聞かれた。排便刑事による排便捜査である。そりゃ俺だって期待に応えたいと思う気持ちはなくはないが、鶏じゃないんだからそんなに毎朝はいどうぞと産めはしない。鶏が毎日卵を産むかどうかは知らないから、ナースの人も俺ではなく鶏の方に直接聞いてほしい。 そしてシャワーを浴びることは強いられた。無理やりと

          『Westmead公立病院入院回顧録 ⑩』