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作り手は日本製品への誇りをもって仕事をして欲しいものである

日テレで放送が始まった『先生さようなら』っていうドラマの学校の中のワンシーン。文化展示スペースに生徒の絵画や書の作品が並んでいる…と思いきや、そうではなかったことに気が付く。漏れ出る違和感の独特の臭みがプンプン臭ってきたのである。

この書道の作品らしき”壁掛け”であるが、どうもパソコンで作って拡大プリントアウトしたものだろうと思われる。人間が画仙紙に毛筆を使って墨で書いて、滲みも擦れも一切なくこんな風に出来上がることはまず無い。正方形のなかに画一的に収まった形からしても毛筆風の楷書フォントだろう。

また中央にある「天朗気…」の”壁掛け”は、書聖と呼ばれる王義之の「蘭亭序」の文の一部である。学生がこういう展示にする作品は蘭亭序の臨書である場合がほとんどだと思うが、これはスタイルこそ行書体ではあるものの王義之の臨書では全くない。それに「氣」のあとの4文字目に実際には文章にない「熟」の字が入っている。どうしてそんなものを入れた??理解にしか苦しまない。

こんなの誰も気にしやしないと思ってやっているだろうが、南半球からでもちゃんと見ている輩が存在するのだ。誰も見ていないからどうでもいいという浅はかな考えがモロに表に出ていて気持ちが悪い。大谷翔平選手は誰も見ていなくても(実際には何億人もの人に目撃されるのだが)グラウンドのゴミを拾うではないか。日本人は是非ともそうあってほしいものである。特に作り手は日本製品への誇りをもって仕事をして欲しいものだ(まあもう今の時代はそうはならないんだろうけども)。

こんなことばかり書いていると「粗探しじじい」だと言われても文句が言えない気もするが、せめて「よく気がつくお兄さん」くらいにしておいてほしいものである。

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