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新しい心理テスト!フェイクニュースの感受性テストが発明されました

カルガリー大学から面白い研究論文が出されたのでシェアをしたいと思います。内容はタイトルにある通り、みなさんのフェイクニュースに対するアンテナをどれくらい張っているのかをテストした研究です。

"Misinformation susceptibility Test"(MIST)を直訳すると「誤報感受性テスト」といわれるテストをこの研究で初めて発明し、アメリカに住んでいる人を中心にフェイクニュースをどれくらい見分けられるのか調べました。

みなさんはどれくらいフェイクニュースを見分けられていると思いますか?
知識だけでなく、論理や知性も必要なスキルですが、興味深い研究結果が出たのでわかりやすく紹介できたらなと思います。


MISTはおよそ8000人でテスティングを行い、二年かけて作成されました。テストの内容はアメリカの政治問題や社会問題を記事にしたタイトルを本物とChat-GPTで作成されたフェイクを織り交ぜ、嘘か本当か当てるニ択問題で答えるというものでした。

今現在一般の方でも受けられるようにオンラインで調査を行なっているようなので、ぜひこのリンクを飛んでみてください。

リンクを使うのが怖い方は”Misinformation Susceptibility Test”と調べていただければ見つけることができます。英語を理解できる方、そしてアメリカのニュースにも興味がある人はチャレンジしてみてください。

この研究を通して分かったことは、「若い人ほどフェイクニュースに騙され、さらに長くSNSを使っている人ほど騙される確率があがる」ということでした。それから普段どんなSNSを使っているのか、右翼派か左翼派かによってフェイクニュースに騙される確率が大きく違っていたということもわかりました。


若い人はフェイクニュースの違いがわからない人が多い
18歳から29歳の間で本物のニュースとフェイクニュースの判別ができていた人はたったの11%でした。対して、65歳以上の人は違いに36%気づくことができていました。

引用元:https://www.cam.ac.uk/stories/misinformation-susceptibility-test

娯楽目的のSNS利用時間の影響でフェイクニュースに騙されやすい
毎日0~2時間をオンラインで過ごした人の約 30% が高いスコアを獲得したのに対し、9時間以上オンラインで過ごしている人はわずか 15% でしか高いスコアを出すことができませんでした。

引用元:https://www.cam.ac.uk/stories/misinformation-susceptibility-test

新聞やテレビ、ラジオでニュースを見ている人の方がフェイクニュースを見分けられるスキルが高い
Legacy mediaといわれる情報リソースを利用している人(Associated PressやNPR、Axiosといった非営利通信社や、非営利団体によって放送されるラジオ)は全体的に50%以上の正答率を出しました。
しかし、さまざまなSNSが存在する中で最低点を53%を叩き出した利用者が多かったのはSnapChatと呼ばれる、友だち同士で、”数秒で消えてしまう”写真や動画を送りあって、チャットを楽しむことができるアプリを使っている人達でした。次にTruthmediaといわれる、ある意味有名なSNS利用者は45%の割合で最低点をとっていました。

引用元:https://www.cam.ac.uk/stories/misinformation-susceptibility-test

さらに民主党の正答率は33%、対して共和党は14%という結果もわかりました。しかし、どちらも4分の1は最低点をとっているということも注目するべき点です。


以上のことを踏まえ、身に覚えがある人たちはこれから気をつけるようにしましょう。そして、周りの人にもこの3つのポイントを伝えてフェイクニュースに気をつけるよう呼びかけてください。

ですが、情報で溢れかえっている現代なので、正しい情報か間違った情報かどうか100%見分けられないことが現実です。そこで、すぐに取り組められるようなフェイクニュースと本物のニュースの違いを見極める方法を次回、紹介したいと思います。

というわけで今日の記事を締めたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


参考文献:

元論文:
Maertens, R., Götz, F.M., Golino, H.F. et al. The Misinformation Susceptibility Test (MIST): A psychometrically validated measure of news veracity discernment. Behav Res (2023). https://doi.org/10.3758/s13428-023-02124-2

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