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三歳の頃の夢


 三歳の頃、保育園の帰り道に初めて建築現場を見た。

 小さい頃の低い視線からすると、すべてのものが今よりももっと大きく見えていた。

 とんでもなく大きな木材を抱えながら歩いていく大工さん。さらに、上を見上げると鉄パイプの骨組みの上を素早く歩く人影。

「なんだこのかっこいい人達は!」

 三歳の僕は「大工さん」に釘付けになった。自分が住んでいる家もこうやってできたのかと、ワクワクが止まらなかった。

「僕も大工さんになる!」とその場で母に高らかに宣言し、帰宅すると同時に両親とおばあちゃんに「立派なおうち僕が作る!」と約束した。

 高校三年生の時に十二年追いかけた「建築士になる」という夢は諦めてしまったが、ばあちゃんにでっかい家建ててあげられるだろうか。

 未だに会うと「どんな家になりそう?」と催促してくる。

 これは早く建ててあげないと一生言われ続けそうだ。
 孫、精進します。

 もう大人になろうとしている自分はさて次にどんな夢を持つだろう。

 今はできることの選択肢が増えている反面、自分にできることの限界も知っている。

 元々大工さんになりたかったのは、いい家作って住む人に喜んでもらいたかったのと、いいデザインの家に興奮していたからだ。

「劇的ビフォーアフター」というテレビ番組が始まるとテレビに噛り付くように見て、リモコンのボタンを家族に絶対渡そうとしなかった。

 まぁ、普通に一緒に見てくれていたんだけど。

 自分のデザイン性と人の喜びが掛け合わされている仕事に対する憧れをずっと持ち続けてきた。

 建築士こそ諦めてしまったけれど、自分が人に一番貢献できること、かつ一番楽しめることを今も模索している。






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