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「物語る力」を仕事に活かす。

――子どもの頃から創作が好きだった僕は今、今までの人生で育ててきた「物語る力」を仕事に活かし始めています。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「『物語る力』を仕事に活かす。」というテーマで話していこうと思います。


🏨付加価値をつける仕事を

僕は今、木の家ゲストハウスのマネージャーとして活動しています。木の家ゲストハウスは茨城県水戸市上水戸にある宿泊施設。普通の旅館やホテルとは違い、寝室やリビングを共同で使い、他のお客さんとの一期一会の出逢いを楽しむことができる宿泊施設です。

オーナーは宮田悠司さん。会社員をやめて100万円で世界旅をしているさなか、ゲストハウス事業に思い至り、帰国後に空き家だった実家をリニューアルして木の家ゲストハウスをオープンしたんです。去年の2月のことでした。

今年の4月から僕が運営に携わることになったのは、宿泊施設が拡大しているからです。現時点で運営代行を含めると10棟の宿泊施設を運営しています。キャパは100名を超えます。僕はそれを回していく現場統括マネージャーというわけです。

この前のお盆の時期はありがたいことにたくさんのお客さんに恵まれました。キャパ100が埋まるくらいの日もあったんです。管理スタッフ、清掃スタッフ、ヘルパーさんと共にどうにか乗り越えていきました。

昨日の夕方、そんなお盆の時期を振り返るミーティングをしました。僕と宮田さんで課題や上手くいったことを挙げていって、対応策や今後も持続していくことを決めていきました。

ミーティング後半はこれからのことについて話していました。木の家ゲストハウスをどうしていくのか、僕や宮田さんはどう立ち回るのか、語り合っていたんです。そのなかで宮田さんから言われた今後の僕の立ち回り方は「付加価値をつけていくこと」でした。


🏨僕にある「物語る力」

木の家ゲストハウスは経費を必要最低限に抑えて、安く気軽に泊まれることを売りにしているし、今後もそれを徹底していくことになったんですが、それと並行して、付加価値をつけることもやっていくことになりました。同じ場所、同じサービスではあるんだけれど、価値を高める仕掛けをして、今より高単価で提供するというミッションに向き合うわけです。

そこで白羽の矢が立ったのが、僕というわけです。

noteの記事を毎日書き続けていたり、本を書いたり、イベントを開催したりしてきたから、僕自身、そういう力が少なからず備わっていると自負しています。全部ひっくるめて一言でいうなら「物語る力」があるってことです。

それを噛み砕いていうならば、何もないところから始まり、そこに価値を与え続けて、他の人がその価値を認めるようになるまで育てること。そして、その能力が人よりも高いのかなと分析しているんです。

大学3年生の頃を振り返ろうと思います。初書籍『Message』を出版した頃のことです。あの頃は、隙あればいろんな人に手売りして、毎日のように発信して、ビブリオバトルで自分の本を紹介して全国大会まで行って、「Message展」という個展を大学で開いて、「BOOK TALK LIVE ”Message”」というトークイベントも開催して、テーマソングも自分でつくって……。

僕はただ、自分の本をどうにか届けようと思ってできることをやり続けてきただけんなんですけど、よくよく考えてみれば、結果としては申し分ないのかもしれません。

まだ無名の大学生が出した本が現時点で250冊以上売れて、「『Message』の人」と認識されたり、物語に登場するダイイングメッセージ「110」でいじられたり、僕のひとつのアイデンティティとして確立しているくらいに認知を獲得することができたのは、僕に「物語る力」が備わっていたからなのかもしれません。

小説『Message』
「Message展」
「BOOK TALK LIVE "Message"」


🏨「物語る力」を仕事に活かす

「物語る力」は「付加価値をつくる力」と言い換えることもできると思ていて、今の時代、かなり求められる力なんじゃないかなと踏んでいます。薄利多売の時代はとっくのとうに終わり、みんながみんな最低限いいものはつくれるようになり、「個性」や「唯一の強み」のある商品、コンテンツを売らないといけないフェーズになったきたからです。

「本」を取り上げてもそう。毎日のように新刊が発売されているけれど、注目されるのはほんの一握りの本だけ。注目されているのは何故かというと、「メディアやインフルエンサーに紹介されたから」「有名な賞を獲ったから」「映画化されたから」……といった具合です。

本の中身じゃなくて、周辺情報を伝えることで購買意欲を高めているんですよね。それは僕が『Message』を届けていたときにも意識していたこともでもあって、物語の核心部分以外をネタバレしたり、物語をつくるに至った出来事を語ったりしていました。また、大学生ブランドを上手く活かしていました。「大学生が頑張っているから、応援しよう」そう思った大人たちが本を買ってくれる機会が少なくありませんでした。

手売りの軌跡

話を戻しますね。

今の木の家ゲストハウスは、全国のゲストハウスのうちのひとつであって、個性や強みの部分がつくれていない段階です。最近は、複数棟も運営していることが個性になってきたり、大人数のキャパを収容できることが強みになってきたりしているけれど、木の家ゲストハウスを目的に来館される人は多くないんです。だからこそ、次は付加価値をつけるフェーズなのです。

宮田さんは新規開拓を繰り返していく。ゆくゆくはそれも人に任せていって、自分は新たなアプローチを模索する。僕は、今は現場統括をしているけれどそれを他の人に任せていって、付加価値を高める仕掛けをつくりにいく。昨日のミーティングではそのような方針で動いていくことになりました。

オーナーの宮田さん

先日、泊まれる謎解き「花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~」という謎解きイベントのプレ公演を開催したんです。僕と僕の後輩の共同企画で、木の家ゲストハウスを舞台にした謎解きイベントを運営していくことになり、そのテストプレイのようなものを行ったというわけです。

前の記事でも語りましたが、プレ公演の段階で確かな手ごたえを感じることができました。来月に控える本公演までさらに準備を進めていけば、木の家ゲストハウスの付加価値を高めるコンテンツに成り得ると確信しました。

プレ公演の様子

「謎解き」×「宿泊」は真新しいものではありません。いわゆる「ホテル謎」と呼ばれるコンテンツは存在していて、ホテルに滞在しながら謎を解いていく謎解きイベントはたくさんあります。ただ、ゲストハウスでそれを追求しているところはほぼないんですよね。つまり、ちゃんと追求すれば、木の家ゲストハウスの個性になると考えています。

子どもの頃から創作が好きだった僕は今、今までの人生で育ててきた「物語る力」を仕事に活かし始めています。やっぱり「人生は物語」ですね。
#よくわからん結論

最後まで読んで下さり、ありがとうござました。

20240821 横山黎





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