サービスに正解はないけれど。
――もちろん絶対的な正解はないし、お客さんによって心の感度もこだわりも違うから、全てのお客さんに適応するようなルールを敷くことはできません。だとしても、どうすればお客さんに喜んでもらえるか、どうすればお客さんが不快に思わないかを考え続けた先で、正解と胸を張れるだけの根拠は揃ってくるんですよね。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家、木の家ゲストハウスマネージャー、FMぱるるんのラジオ番組「Dream Dream Dream」のパーソナリティーとして活動しています。
今回は「サービスに正解はないけれど。」というテーマで話していこうと思います。
🏨サービスの答えに違いが…
僕は木の家ゲストハウスのマネージャーの仕事をメインに活動しています。いわゆるサービス業なので、お客さんの満足度を高めるためにはどうすればいいのか、日々考えているんです。
昨日もサービスの難しさについて考えさせられる機会があったので、せっかくですし、noteの記事にして残していこうと思います。
昨日の朝、僕らの管理する宿泊施設に泊まっていた方から連絡をいただきました。室内にゴキブリが出てしまって、室内の衛生面を不安視してしまい、宿泊せずに別の宿泊先に泊まられたそうなんです。よって、返金対応をしてほしいという問い合わせがありました。
お電話をいただいた瞬間に、僕のなかでは「これは返金対応するべき問題だな」と判断し、お客様にはその旨を伝えました。電話を切ってから、早急に予約サイトに全額返金対応の依頼のメールを送りました。
しかし、後でオーナーの宮田さんに報告したとき、「別に返金しなくてよくない?」という声をもらったんです。
お互いにサービスの答えが違ったので、昨夜、時間をかけて協議しました。今後似たような事例が発生したときにどのように対応するかを話し合いました。
🏨ゴキブリを巡るお互いの主張
オーナーの主張としては、以下の通り。
つまり、ゴキブリが出たことが宿泊をしない理由にならないから、当日キャンセルとして処理をする対応が望ましいと考えたわけです。
一方、僕の主張としては次の通り。
大の虫嫌いの僕にとって、ゴキブリが出たなんて一大事。人よりも過敏だから問題を深刻に捉えすぎている側面はあるのかもしれません。ただ、結果的に宿泊を拒むほど、不安に、不快に思ってしまったのですから、あながち僕の感覚が狂っているわけでもないと思います。
また、一応、宿泊当夜晩くに問い合わせの連絡があったんですが、僕は気付くことができずに、返信も対応もできなかったんですね。
以上のことを踏まえて、僕は返金対応の判断をしたんです。
🏨サービスに正解はないけれど
丁寧に議論を進めるなかで、宮田さんはおおむね僕の意向に寄り添いつつ条件を提示しました。今後似たような事例が発生した場合は、現地確認を必ずするということ。もしかしたら、お客さんの利用状況がすこぶる悪くて、そのためにゴキブリが発生したかもしれないわけですから。
また、事前に送る案内メールにその旨を追記する策も講じることになりました。お客さんには毎度宿泊のご案内をメールやSMS等で送っているので、そこに清掃は徹底しているが夏の時期には虫が出るおそれがある旨を記すということです。この時期、蚊も煩わしいので、予防線を張っておく意味はあると思いました。
今回のゴキブリの件ひとつを取っても、サービスとは何か、サービスに対する向き合い方の差異について考えさせられました。もちろん絶対的な正解はないし、お客さんによって心の感度もこだわりも違うから、全てのお客さんに適応するようなルールを敷くことはできません。
だとしても、どうすればお客さんに喜んでもらえるか、どうすればお客さんが不快に思わないかを考え続けた先で、正解と胸を張れるだけの根拠は揃ってくるんですよね。
結果的に僕と宮田さんとでそこに相違が生まれてしまったけれど、それを刷り合わせていったことで、ひとつのガイドラインが生まれたように、より正解へと近づくことはできます。
これからも変わらずゲストハウスのマネージャーとして、施設の管理だけでなく、ゲストの心の管理も追求していけたらなと思いました。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240805 横山黎
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?