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伏線は記憶に張る。

――伏線は、張られたときを認識していればいるほど、その効果が発揮されます。もはやこれ伏線な気がするんだけど!と気付かれるくらいでよくて、それが上手く機能して、最後の最後でつながってくる方が快感だと思うのです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「伏線は記憶に張る。」というテーマで話していこうと思います。


📚謎解きコンテンツの伏線

冒頭紹介したように、僕は木の家ゲストハウスのマネージャーをしているんですが、近いうちにそのゲストハウスを舞台に謎解き体験イベントを開催することになって、僕がストーリーづくりと運営を担当することになりました。

物語はあともう少しってところまで来ていて、どうにか5月中には書き上げたいと思っている次第です。タイトルは『花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~』。僕好みのえもい青春ミステリーになりそうです。

僕はこれまで小説をよく書いてきて、そのなかでミステリーを描くことが多かったんですが、謎解き体験イベントのために物語を書きおろすことは初めてのこと。つくっているさなか、少し頭の使い方が違うことを知り、少なからず苦戦はしています。

ただ、広い視点で見れば、やることは一緒なので、これまでの自分のセンスを信じてこつこつ創作しています。

伏線好きの僕だから、今回の物語でも鮮やかなものを仕掛けたい気持ちが兼ねてからありました。というより、脱出ゲームをはじめとする謎解きコンテンツには、いちばん最後にひとひねりあるのがほとんどで、謎を解いてきた過程のどこかに張られた伏線に気付けないと解けないんですよね。

僕のつくる『花火の幽霊』も同じように伏線を張って、最後に回収しにいく展開を用意したいなと考えています。そこで意識していたのは、「伏線を分かりやすくするためにはどうすればいいのか」ってことです。


📚伏線は分かりやすく

この度のイベントを一緒に運営していくのは、「Mito Escape」という謎解きサークルを運営しているしゅんちゃん。謎解きに目がない大学時代の後輩です。最近は自分でイベントを運営したり、謎作成の仕事を受注して提供したりしています。

Mito Escapeのイベントで持ち帰り謎デーというものがあって、この前僕も参加してきたんです。いわゆる脱出ゲームはイベントを開催している施設に足を運ばないといけませんが、キッドを買えばいつでもどこでも謎解きを楽しめる持ち帰り謎というものがあって、それをみんなでやろうという内容のものでした。

しゅんちゃん

そのときやったのが『謎遺るアトリエへ』というもの。めちゃくちゃ解きごたえのある謎で、なんだかんだ3時間くらいかかりました。やっぱりこの謎解きでも、最後にひとひねりがあったんです。答えが出たような気がするんだけれど、入力しても成功にならなくて、冒頭に張られていた伏線に気が付けなければ解決できない仕組みでした。

結局最後の最後成功できなくて悔しい思いをしたんですが、終わってから真実を知ったときに、みんなで「ああっ!」となりました(笑) ここに関して成功したら「解いてやったぜ!」となるし、失敗しても「悔しいけど良い謎!」となるから満足度が高いんですよね。

満足度が高いことに変わりはないんですが、あのときを振り返って僕が思ったのは、もっと伏線が分かりやすかったら、もっと感動を生めるんじゃないかってことでした。

持ち帰り謎デー

伏線は、張られたときを認識していればいるほど、その効果が発揮されます。もはやこれ伏線な気がするんだけど!と気付かれるくらいでよくて、それが上手く機能して、最後の最後でつながってくる方が快感だと思うのです。

『謎遺るアトリエへ』の冒頭に張られて最後に回収された伏線は、確かに感動をつくったけれど、少し分かりにくかった。そういえばそんなことも書いてあったね、と確かめる感じだったんです。

あの伏線に関してはあのくらい隠しているくらいがちょうどいいのかもしれませんが、個人的にはもっと分かりやすい方が好み。だからこそ、『花火の幽霊』では、はっきり伏線を張って、ごっそり回収してやろうと企んでいるのです。


📚伏線は記憶に張る

人の記憶には限界があります。細々とした伏線はいちいち覚えていられないし、たとえ冒頭に魅力的な伏線が張られていたとしても、謎を解いていくうちに忘れてしまいます。

忘れ去られてしまう伏線なら張る意味はなくて、記憶に張られた伏線にこそ真の意味がある。最終的に謎が解かれてもいいから(難易度が下がってしまってもいいから)、鮮やかに回収した伏線の方が満足度が高いんじゃないかと考えるのです。

ここに関しては意見の分かれどころだと思っていて、しゅんちゃんがこれについてどう思うかも分からないけれど、とりあえず僕は僕の答えを示しにいきます。

『花火の幽霊』では、分かりやすく伏線を張って、最後に回収する展開を用意するつもりです。今の段階でもそれは実行できそうなので、引き続き詰めていきます。早く書き上げたいな。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240526 横山黎



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