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高校無機化学#10(16族)~硫黄①~

①硫黄単体同素体を持つのは、「S, C, O, P」であり、前回はOについて考えた。今回はSの同素体について見ていこう。 Sの同素体は、単斜硫黄、斜方硫黄、ゴム状硫黄の三種。斜方硫黄と単斜硫黄は分子式、分子構造は同じであるが、結晶構造に違いがあるため区別されている。 単斜硫黄、斜方硫黄の分子構造は、下の図を参照してほしい。 この形は、よく「王冠型」と表現される。 最も重要なのが、それぞれの安定性について。(上の表の一番右の欄) 上のフローチャートを見てみると、常温で

    • 高校無機化学#9(16族)~酸素~

      どうも。今回からは、16族元素(O, S)について。まずは、Oから。 ①O₂(酸素)(性質)酸素は、沸点-183℃の無色気体である。Oの電気陰性度が大きいため、反応しやすく、酸化物を作る反応が起こりやすい。 (製法)1つ目の製法は、液体空気の分留。空気中の成分として存在する物質は、液体空気を分留することで得られる。 次に、化学反応を用いてO2を作る場合、 5個のうちの、自己酸化還元反応の2つ目と3つ目である。1つめは、#1の塩素と水の反応であった。残念ながら、自己酸化

      • 高校無機化学#8(17族)~ハロゲンオキソ酸~

        今回は、17族の最後にハロゲンオキソ酸を勉強する。 まず、オキソ酸の定義から.。 例として、最もよく出題されるClのオキソ酸で考える。Clのオキソ酸には、次亜塩素酸HClO, 亜塩素酸HClO2, 塩素酸HClO3, 過塩素酸HClO4がある。このように、ハロゲン元素は原子価が4であるため、形成できるオキソ酸の種類が4つであり、種類が最も多い。 ここで、電子を引っ張る強さについて1つ確認、 ある元素について、酸化数が増える、つまり、正に帯電すればするほど電子を引っ張る

        • 高校無機化学#7(17族)~ハロゲン化水素③~

          ②HCl(製法) まず、HClの製法から。 この反応は、3つあるうちの「揮発性酸遊離反応」の2つ目である。(1つめは、#5で勉強した、HFの製法の反応である。) では、揮発性酸遊離反応のポイントである、「濃硫酸を加えて加熱」の意味を考えよう。HCl, H2SO4はともに強酸であるから、加熱なしでは平衡反応となってしまい上の弱酸遊離反応は右に進まない。 そこで、加熱をすることにより、HClは揮発させ反応系から取り除き、ルシャトリエの原理により、反応を右に進めることができ

        高校無機化学#10(16族)~硫黄①~

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        • 高校無機化学
          12本

        記事

          高校無機化学#6(17族)~ハロゲン化水素②~

          ①HF(性質) 前回はHFの製法を考えた。今回はHFの性質をみていこう。 フッ化水素の重要な性質は、ガラスを溶かすということである。ガラスの主成分は二酸化ケイ素SiO2である。ゆえに、この反応式は次のようになる。 HFが気体状態なら上の反応、水溶液状態なら下の反応が起こる。入試でよく問われるのは、ヘキサフルオロケイ酸が生成する下の反応だが、反応の仕組みを理解するために2つとも理解しておきたい。 では、まず、気体状態のHFが起こす反応の仕組みについて考えよう。下図を見て

          高校無機化学#6(17族)~ハロゲン化水素②~

          高校無機化学#5(17族)~ハロゲン化水素①~

          ハロゲン化水素とは、ハロゲン原子と水素が共有結合で結びついた分子の総称である。 概論 ハロゲン化水素の特徴をまとめたのが上の表だ。 HFに注目してほしい。沸点は他の3物質より圧倒的に高く、溶解度は∞、水溶液は1つだけ弱酸性となっている。(表の赤文字部分) このHFの特異性を理解するキーワードは、ずばり、「水素結合」だ。 まず、HFaqが弱酸性であることから説明しよう。 上の図のように、HFはHFとの分子間に水素結合を形成している。したがって、HFが電離して、H+と

          高校無機化学#5(17族)~ハロゲン化水素①~

          高校無機化学#4(17族)~ハロゲン単体④~

          臭素塩素の話が長くなった(#1, #2, #3)がハロゲン単体はあと臭素とヨウ素が残っている。とはいえ、塩素に比べると理解することは少ないので安心。。。 臭素単体で覚えておかなければならないのは、2つである。 1つ目。これは#1の再掲となるが、単体が常温で液体なのは、臭素Br2と水銀Hgのみであるということだ。 2つ目。臭素単体に関して最も入試問題で出てくるのが、有機化学で勉強する、「臭素水にアルケン、アルキンを吹き込むと付加反応が起こり、臭素水の赤褐色が脱色する」とい

          高校無機化学#4(17族)~ハロゲン単体④~

          高校無機化学#3(17族)~ハロゲン単体③~

          それでは、塩素の製法の最後、 ④隔膜法、イオン交換膜法によるNaClaqの電気分解隔膜法、イオン交換膜法は、NaOHの工業的製法であるが、副生成物としてCl2やH2も生成する。したがって、塩素の製法の1つでもある。 (ⅰ)隔膜法 上の図が、隔膜法の模式図である。陽極極板に炭素、陰極極板に鉄を用いて、NaClaqを電気分解すると、陽極、陰極ではそれぞれ次のような反応が起こる。 陽極側では塩素、陰極側では水素と水酸化物イオンが発生する。 その後、陰極で発生した塩素が水と

          高校無機化学#3(17族)~ハロゲン単体③~

          高校無機化学(補足)~半反応式の作り方~

          半反応式の作り方はとても簡単。舐めてかかろう。 例として、過マンガン酸カリウムの半反応式を書いてみる。 ①反応前の物質と反応後の物質を書く。 残念だけどこれは暗記。有名な酸化剤、還元剤については、教科書などにまとめられているので確認しておきたい。(無機化学の反応式を書く時にも必要) ②両辺のO(酸素原子)の数をH2O(水分子)で合わせる 合わせてください。。。 ③両辺のH(水素)の数をH+(水素イオン)で合わせる 合わせてください、、、 ④両辺の電荷をe-(電

          高校無機化学(補足)~半反応式の作り方~

          高校無機化学#2(17族)~ハロゲン単体②~

          前回の続きから。 ③酸化マンガン(Ⅳ)に希塩酸を加えて加熱反応式は次の通り。 まず、この反応は酸化還元反応である。したがって、2つの半反応式を足し合わせることで反応式が書ける。 ここで、MnO2は酸性条件下でのみ、酸化剤として働き、Mn2+に変化することに注意。半反応式は反応物と生成物さえ覚えれば、ワンパターンな手順で書けるので、ミスの無いようにしたい。(補足 半反応式の作り方) と、反応式を書くまでは、非常に簡単なのだが、実はこの反応、論述問題で出題されやすいポイン

          高校無機化学#2(17族)~ハロゲン単体②~

          高校無機化学#1(17族)~ハロゲン単体①~

          では、高校無機化学を理解していこう。できるだけ、理解。暗記するものは整理して、をモットーに。まずは、非金属から。 ハロゲンは周期表の右側に位置する。従って、ハロゲン元素に共通する性質として、「電気陰性度が大きい」ということが挙げられる。この性質に基づいて起こる反応を理解することが、ハロゲン単体のポイントである。 ハロゲン単体の性質 性質に関しては上表を参考にしてほしい。 まず、融点、沸点について。一般的に、ファンデルワールス力は、分子量が大きいほど、また分子の表面積が

          高校無機化学#1(17族)~ハロゲン単体①~

          高校無機化学#0~電気陰性度~

          高校無機化学を理解するうえで、「電気陰性度」の考え方は非常に重要である。電気陰性度とは、ある原子が最外殻電子を引き付ける力の大きさの尺度である。電気陰性度と周期表の関係について理解しておこう。 同族元素の電気陰性度の大小 左がリチウム、右がナトリウムであり、共に1族元素である。ここで、クーロン力は距離の2乗に反比例し、電荷の積に比例する。ここでは距離の2乗の影響を強く受けるため、電気陰性度はリチウム>ナトリウムとなる。このことから推察すると、一般に、同族の元素では周期表の

          高校無機化学#0~電気陰性度~