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高校無機化学#0~電気陰性度~

高校無機化学を理解するうえで、「電気陰性度」の考え方は非常に重要である。電気陰性度とは、ある原子が最外殻電子を引き付ける力の大きさの尺度である。電気陰性度と周期表の関係について理解しておこう。

同族元素の電気陰性度の大小

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左がリチウム、右がナトリウムであり、共に1族元素である。ここで、クーロン力は距離の2乗に反比例し、電荷の積に比例する。ここでは距離の2乗の影響を強く受けるため、電気陰性度はリチウム>ナトリウムとなる。このことから推察すると、一般に、同族の元素では周期表の上の元素の方が電気陰性度が大きくなる。

同周期元素の電気陰性度の大小

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左がナトリウム、右がマグネシウムであり、ともに第3周期元素である。ここで、有効核電荷というものを定義しよう。有効核電荷は、最外殻電子に及ぶ中心正電荷のことである。有効核電荷の目安として次のように考えられる。(ただし、あくまでも目安なので、理解する手助けとして考えよう。)

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このとき、有効核電荷、つまり、最外殻電子に作用する正電荷はマグネシウム>ナトリウムであるから、電荷の積が大きくなる影響を強く受けるため、電気陰性度はマグネシウム>ナトリウムとなる。一般に、同周期の元素では周期表の右の元素の方が電気陰性度が大きくなる。

まとめ

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以上のことから、上図のように周期表の右上のほうが電気陰性度が大きく、左下の方が小さい。ちなみに、電気陰性度が最大の元素はFである。また、主要元素の電気陰性度の順番F>O>Cl>N>C>Hは覚えておいてよいかもしれない。

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