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映画『もののけ姫』感想

予告編
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 今、『君たちはどう生きるか』が何かと話題になっていますよねー。(まだ観ていないので、なるべく情報からは目を背けているつもりですが。)

 スタジオジブリ、宮崎駿監督だからというわけでもないのですが、明日7月21日の金曜ロードショーで放送予定の映画『もののけ姫』の感想文を投稿します。

 実は3年前に劇場でリバイバル上映されていた本作。コロナ禍に入って間もない頃なので劇場内はスカスカでしたが、子供の頃からソフト版や、それこそ金曜ロードショーでしか観たことがなかった作品だったので、劇場で観ることができてとても嬉しかったです。

 あまりにも有名な作品故、今さら何を述べるということも無いのですが、ただただ好きなことだけを書いていこうかと……。それこそ、映画についてのドイヒーな日記みたいなものだと思ってくださいー。


“好き” を語る


 TOHOシネマズ新宿にて鑑賞。ジブリ作品の中でも大好きな部類に入る本作を劇場で観られるだなんて、本当に嬉しいよ。コロナの影響で遠退いた客足を少しでも戻そうってことで、ジブリ作品が幾つかリバイバル上映されていてさ(まぁおかげで新作の上映機会が減っているわけなんだけども笑)、願わくばジブリの中でも一番大好きな『紅の豚』(感想文リンク)も劇場で公開されないかなぁ、なんて思っているんです。


 物心つく以前から観てきたジブリ作品。物語とかキャラクターも当然好きなんですけど、きっと子供の頃なんて、何も深く考えず、理解せず、ただひたすら内容に浸るように眺めていたんだと思います。背景の自然風景が作品の世界観を見事に彩ってくれている気がして大好きなんですよね。今でこそ自覚はありますが、多分その当時から、そんな感覚が好きだったのかもしれません。小学生の頃ですけど、東京現代美術館の男鹿和雄展にも行きましたしね。

 まぁ実際に子供ながらにその魅力に気付いていたかどうかはともかくとして、その時に感じた「えっ、このシーンの背景画ってこんなに大きかったの?!」という驚きは未だに忘れられません。アシタカがヤックルに乗って崖を駆け下りていくシーンとか、集落の塔のハシゴを登るシーンとか、その背景の大きさ・長さを意識して観るとより楽しくなるものです。そういった動きのあるシーン以外でも、物語の中で自然の大きさを強く意識させるシーン、或いはそういった会話の直後に映し出される、スクリーンいっぱいの大自然の風景、そしてそれとは対照的に小さく描かれるアシタカの姿によって「ああ、人間のなんとちっぽけなものか」と思わされるのも印象的。それを煽るようなBGMの荘厳な感じもまた良い。



 まぁ一昔前の映画ですし、本作の考察は世に五万と溢れているので、本作で描かれているテーマだとか高尚なことは今回はパス。個人的な意見ですけど、ネットに転がっている宮崎駿監督のインタビューを鑑賞後に読んだりするのが良いんじゃないかな、なんて思います。



 『もののけ姫』はジブリ作品の中でも特にキャラクターが濃い気がする。まぁもちろん僕の勝手な思い込みですが……。主要キャラから端役まで、魅力たっぷり。流石に全部は書いていられないから、何個かだけ。

 まずは本作のマスコットキャラ(?)的存在である “こだま”。特に何するわけでもなく、森の中でただ黙って首を揺らしている彼らは見ているだけで面白い。邪魔をしているんだか案内してくれているんだか、怪我人を背負って森を歩くアシタカを真似してこだま同士でおんぶをしてみせる様子は、彼らが無邪気な証。その存在だけで「森が豊かな証拠」と言われるこだまのキャラクター性とも相性の好い遊び心。


 そんな可愛らしさ溢れるこだまとは反対に、登場するだけでピンッと空気が張り詰めるような雰囲気を醸し出すシシ神もまた、本作の世界観をより色濃くしてくれるキャラクター。最初の登場からして見事なんです。樹木の隙間から少しの間だけ見えたその姿は、まさしく神を想像させてくれるものでした。樹木を境にして、シシ神が居る場所だけが異様に明るいから、それを目にするアシタカたちが居る空間とは別の空間=人間の世界を逸脱した空間ではないかさえと思わせる。さらにその明るさが生み出す逆光のために表情が見えずシルエットだけしかわからないから、“直前に映った鹿とは明らかに違う輪郭”+“表情が見えない不気味さ” で、存在そのものが幻のようにあやふやとなり、非現実的な事象を垣間見たのではないかとすら錯覚させられる。

 ここがほんの短いシーンで、その際にアシタカ以外の者には何も見えていなかったというのも面白い。「見えてはいけないものだったんじゃないか」という印象と同時に、アシタカにだけ見えたという事実そのものが彼自身の主人公らしさを際立たせてくれるようにも思えます。

 そしてようやくシシ神のご尊顔を拝するシーンもまた見事。登場と同時に無音になるこのシーンは、壮大な音楽が続いた本作だからこそ浮き彫りになり際立つ。もっと言えば、あれだけ大きな自然風景が続いてきた本作で、完全に凪いだ真っ暗な水面をバックに小さな植物の生死を描いている……。シシ神の登場シーンだけが音も構図も何もかもが真逆になっているというのも面白いです。

 うーん……、もう、なんでしょう、自分で文章書いてて意味わかんなくなってきます笑。すみません、上手く説明できなくて。カッコつけずに言うと、厨二感満載の登場だなーと思ったわけですよ。色んなキャラ、思惑が入り乱れている中で、その存在たった一つ、一挙手一投足で皆が振り回される程の「俺TUEEEE!!」感。途端にチンケな形容になっちゃいましたけど、残念ながら僕個人の言葉で紡ぎ出すにはこれが最も相応しい笑。2回に渡って、その登場だけで格の違いを見せつけられた。子供の頃から、そして今回改めて劇場で観ても尚、色褪せないほどの魅力。

 あと、全然関係ないけど、最後にサン。ジブリ作品のヒロインの中では、彼女が一番です。かっこいい、強い、哀れで醜い、かわいい。そんなそなたは美しい。以上。


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