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地学メモ:海辺の砂や岩

地学愛好家の動画を見ていたところ、海辺の砂の由来について言及していて面白いと思いました。 今まで海辺に行っても、崖や岩ばかりに注目して足元の砂は気にも留めていませんでした。 今回は、そんな面白い動画を2本紹介します。 福岡県・糸島半島上の動画は、地理ライダーさんが糸島半島を旅した記録です。 他の動画も面白いものばかりなので、是非ご覧ください。 糸島半島は主に花崗岩でできていますが、芥屋大門(けやのおおと)だけは玄武岩でできています。 ここでは見事な柱状節理が観察できます。

    • 地学メモ:溶岩洞

      第2次世界大戦のブーゲンビル島の記録を読んでいたら、「この島は火山があり、島のあちらこちらには洞窟が沢山あった」という記述がありました。 何故、火山があると洞窟が沢山あるのか不思議に思ったので調べてみました。 YouTubeチャンネル「エルタレ」の解説動画火山にまつわる景色の紹介と解説を行うYouTubeチャンネル「エルタレ」さんの以下の溶岩洞の解説が分かりやすかったです。 溶岩洞ができる仕組みまず、粘性の小さい、流動性の高い溶岩(玄武岩質)が広範囲に流れます。 その溶岩

      • 地学メモ:タービダイト、氷河と地層

        タービダイトと呼ばれる泥岩と砂岩が交互に積み重なる地層があります。 このタービダイトには泥岩が厚い層と砂岩が厚い層に種類が分かれます。この違いは、氷河期の海の深さを反映しています。 そのことを以下では解説します。 (追記) https://note.com/yurukutanosimu/ のゆるく楽しむさんのご指摘を受けて、記事の誤りを修正しました。 海水準変動地球の軌道や地軸の傾きにより、氷河の拡大と縮小は規則正しく周期的に繰り返されます。50万年前には10万年周期で、

        • 2022年度の学習予定

          意識理論意識理論について何か大きな進歩が迫っていると考えています。 それが来れば、嵐にあったような大騒ぎになることは確実ですが、それが具体的にどのようなものかは私にはまだ分かっていません。ただ、嵐が近いことだけを気圧の変化で予感しています。 専門家が鼻で笑うシンギュラリティも実現が視野に入るかもしれません。 今のAIは道具でしかなく、進歩したAIが意識を持つなんて言うのは、バージョンアップしたエクセルやMATLABが意識を持つと言うに等しいことです。 ですが、意識理論がAI

        地学メモ:海辺の砂や岩

          地質観察旅行記:長瀞・皆野エリア

          2022年4月30日に長瀞へ地質の観察に出かけました。 ここにその記録を残します。 郷平橋の砂岩と泥岩 まず皆野駅で下車し、皆野橋を通り、郷平(ごうへい)橋を渡ります。 橋から見下ろす赤平川と荒川の合流付近、赤平川の右岸に露頭があります。 川の浸食を受ける場所にあるにも関わらず残っており、固い岩であることが分かります。 この露頭には、黄褐色の砂岩や灰色の石灰質泥岩があるのが分かります。 砂岩と砂岩泥岩の互層もあり、近くで観察すると葉理(ラミナ)の細かい筋や海緑石も確

          地質観察旅行記:長瀞・皆野エリア

          「一般地質学」を読みながら地質の勉強4:変成岩と花崗岩化作用

          アーサー・ホームズの「一般地質学」を読みながら地質の勉強をします。 今回は第8章「変成岩と花崗岩化作用」を読みます。 変成作用変成作用とは岩石の再結晶化のことです。熱、圧力、化学変化による固体の再結晶化を変成作用と総称します。 例えば、雪の上に新たな雪が降り、下の雪が押しつぶされて氷になるのも再結晶化です。 結晶質石灰岩大理石というのは、地殻中で石灰岩が再結晶化したものです。 地殻中の熱により、石灰岩中の細かい粒は一様な大きさの方解石に再結晶化されます。 このような熱によ

          「一般地質学」を読みながら地質の勉強4:変成岩と花崗岩化作用

          「一般地質学」を読みながら地質の勉強3:地層の歴史

          地層の履歴地層からかつてそこで何が起きたか、何が存在したかを推測することができます。 礫岩の地層は陸と海が接する海岸線が存在したことを示します。 岩塩の地層はかつて内海であったことを示します。 石炭の地層は植物の生い茂る沼地が存在したことを示します。 滑らかな表面の岩石に条線があれば氷河や氷床の通り道であったことを示します。 エジンバラのアーサー王の玉座と呼ばれる丘では3億年以上前の火山活動による溶岩の堆積物が確認できます 地層の重なり断層は下に行くほど少しずつ時代が古く

          「一般地質学」を読みながら地質の勉強3:地層の歴史

          「一般地質学」を読みながら地質の勉強2:堆積岩

          アーサー・ホームズの「一般地質学」を読みながら地質の勉強をします。 今回は第6章「堆積岩」を読みます。 砕屑岩の種類砕屑岩は砂と同様に花崗岩などの岩石の分解した破片からできています。砂と砕屑岩の違いは、後者は固まっているということです。 砕屑岩は粒の大きな砂と地下水に運ばれて砂の間に浸透して沈殿したセメントから構成されています。 砕屑岩の内、構成要素が2mm以上のものを礫岩と呼び、1/16mmから2mmまでのものを砂岩と呼び、1/16mm以下のものを泥岩と呼びます。 砂

          「一般地質学」を読みながら地質の勉強2:堆積岩

          「一般地質学」を読みながら地質の勉強1:火成岩

          アーサー・ホームズの「一般地質学」を読みながら地質の勉強をします。 今回は第5章「火成岩:火成岩と深成岩」を読みます。 水成論の誤りを証明したオーベルニュ山の柱状玄武岩玄武岩や花崗岩は火山からのマグマが冷えて固まったものです。 ですが昔には、海水に溶けた岩石の成分が結晶化して、それらが堆積することで玄武岩や花崗岩ができたという説がありました。 この説を水成論と呼びます。 1763年にフランスのオーベルニュ山で、溶岩流が起源であることが明白な柱状玄武岩と玄武岩の大規模な平ら

          「一般地質学」を読みながら地質の勉強1:火成岩

          読書記録「絶滅の人類史」

          ・【ヒト以外の人類】 世界には過去、25種類以上の人類がいたが、現存する私たちホモ・サピエンス(和名ヒト)を除いて絶滅した 発見されている最古の人類化石は約7000万年前のサヘラントロプス・チャデンシス ・【唯一の直立二足歩行する動物】 チンパンジー類から進化した人類の特徴は直立二足歩行と犬歯の縮小。 体感を直立させて歩き、停止時に頭が足の真上にくるのは全動物のなかでヒトだけ 骨格の特徴としては、頭蓋骨の下のほぼ中央に大後頭孔と呼ばれる穴が開いている。 4足歩行する動

          読書記録「絶滅の人類史」

          読書記録「オブジェクト指向でなぜつくるのか 第2版」(プログラミング技術編)

          「第1章 オブジェクト指向はソフトウェア開発を楽にする技術」の読書記録・オブジェクト指向の目的はソフトウェアの保守と再利用をしやすくすること ・オブジェクト指向を利用してソフトウェア構造を図式表現する方法をまとめたのがUML(統一モデリング言語) 「第2章 オブジェクト指向と現実世界は似て非なるもの」の読書記録・クラス、ポリモーフィズム、継承などの概念を比喩で理解しないで、プログラムの仕組みとして理解する ・クラスは変数とサブルーチンをひとまとめにして独立性を保つ仕組み

          読書記録「オブジェクト指向でなぜつくるのか 第2版」(プログラミング技術編)

          読書感想文「生き物の死にざま」生きるべきか、増えるべきか、それが問題だ

          「生き物の死にざま」は様々な動物がどのように死ぬかを面白おかしく解説した本です。 この本で解説される生物の多くは、子孫を残すために死んでいきます。 ですから、「生き物の死にざま」を語ることは、同時に「生き物の生まれるさま」を語ることでもあります。 子供の栄養になる為に我が身を食わせるハサミムシ。 口のない成虫になって餌を食べずに卵を産むためだけに短い生を散らすカゲロウ。 男性ホルモン異常で免疫系を崩壊させ、ボロボロになって死ぬまで交尾を続けるアンテキヌス。 2度と戻るこ

          読書感想文「生き物の死にざま」生きるべきか、増えるべきか、それが問題だ

          読書関連の記事の分類について

          私は今後、読んだ本の記録をnoteに残していくつもりです。記録の取り方にはいくつかのスタイルがあり、記事のタイトルにつけた文言で区別できます 1.読書記録 本の内容を箇条書きで整理しています。個人の感想や批評は入れず、本の要点を淡々と書き連ねます。 読書記録を残す目的は、私が本の内容を忘れた時に思い出せるようにすることです。数百ページの本を再読する時間的余裕がない場合に、本の要点だけを整理した読書記録が役に立ちます。 読書記録に分類される本は、主に技術書や学術書、歴史

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