地学メモ:タービダイト、氷河と地層

タービダイトと呼ばれる泥岩と砂岩が交互に積み重なる地層があります。
このタービダイトには泥岩が厚い層と砂岩が厚い層に種類が分かれます。この違いは、氷河期の海の深さを反映しています。
そのことを以下では解説します。

(追記)
https://note.com/yurukutanosimu/ のゆるく楽しむさんのご指摘を受けて、記事の誤りを修正しました。

海水準変動

地球の軌道や地軸の傾きにより、氷河の拡大と縮小は規則正しく周期的に繰り返されます。50万年前には10万年周期で、50万年前以降は4.1万年周期で、氷河の拡大と縮小が繰り返されています。これをミランコビッチサイクルと呼ばれます。

氷河が拡大すると海の水が減るので海水準が下がり、氷河が縮小すると海の水が増えるので海水準が上がります。

梅ヶ瀬層

梅ヶ瀬渓谷(君津市)には上総層群梅ヶ瀬層(約90万年前)という地層があります。

梅ヶ瀬層は厚い砂岩層と薄い泥岩層が交互に積み重なっています。
これは沿岸や浅い海底の土砂が海底谷を通って海底扇状地まで運ばれて堆積することでできた地層です。
このような地層は、タービダイトと呼ばれます。

氷河の拡大期には海水準が低くなるので、海底谷までの距離が近くなります。砂は近くの海底扇状地に堆積しやすく、泥は遠くまで流れていくので、結果として砂岩が薄くなります。

もう少し詳しく解説します。
以下の記事にあるように、砂と泥では砂の方が重くなります。
地層が下から礫、砂、泥の順に堆積するのは、重い方が先に沈むからです。

道路橋示方書 同解説によると
地下水面下の単位体積重量は
シルト(泥)1.75
細砂 1.95
砂礫 2.1
泥、砂、礫の順に重くなっています

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14132020429

タービ ダイト内部は、ブーマシーケンスと呼ばれる特徴を持ちます。 下位から礫岩、 砂岩、 砂質シルト岩、 泥岩、 粘土岩の順に堆積した構造です。

流れの中のエネルギーが最も高いとき、それは最大量の堆積物と最大の粒子サイズを運ぶことができますが、エネルギーが減少するにつれて、環境収容力が減少し、最も粗い粒子がすぐに、時にはほぼ瞬時に落ち着きます。高エネルギーの流れはまた、下にある床に侵食される可能性があり、それによって新しい材料が流れに組み込まれ、流れのエネルギーが減少する傾向があります。チャネル内のフローは、フローストリッピングを受けることもあります。フローストリッピングでは、細かい粒子が集中する傾向があるフローの上部が分離し、チャネルの上部を移動して、フローの下部を残し、粗い粒子が蓄積します。 、チャネル内。最終的には、粘土粒子のみが残り、停滞した水柱に浮遊し、本質的に電流の動きはありません。

上記によれば、流速のエネルギーに対して、砂の方が泥より先に止まって堆積することになります。

弘文洞跡

弘文洞跡には薄い砂岩層と厚い泥岩層が交互に積み重なったタービダイトがあります。
ここでは梅ヶ瀬層とは逆のことが起きています。
氷河の縮小期には海水準が高くなるので、海底谷までの距離が遠くなります。砂は早々に沈み、泥が遠くの海底扇状地まで運ばれやすいので泥岩が厚くなります。

参考文献