「一般地質学」を読みながら地質の勉強3:地層の歴史

地層の履歴

地層からかつてそこで何が起きたか、何が存在したかを推測することができます。
礫岩の地層は陸と海が接する海岸線が存在したことを示します。
岩塩の地層はかつて内海であったことを示します。
石炭の地層は植物の生い茂る沼地が存在したことを示します。
滑らかな表面の岩石に条線があれば氷河や氷床の通り道であったことを示します。

エジンバラのアーサー王の玉座と呼ばれる丘では3億年以上前の火山活動による溶岩の堆積物が確認できます

地層の重なり

断層は下に行くほど少しずつ時代が古くなりますが、ある境から急激に時代が断絶して古い層になることがあります。
このような時間的隔絶のある層の境界を不整合と呼びます。

イングランド、ヨークシャーのイングルバラには石灰岩の平らな層があります。その層にも不整合が見られます。
不整合面では、褶曲した砂岩や粘土の下部古生代の地層の上に水平な石炭紀の石灰岩の地層が乗っています。
最初に地層が隆起して山を成し(この隆起で褶曲した地層になる)、山が削れて平地になり、海に沈んで水平にペニン石灰岩が堆積し、今の地層になったと思われます。

不整合については中学校地学の説明が分かりやすいです。

以下は伊豆大島の不整合です。褶曲した地層の上に火山灰の地層が水平に堆積しています。

層序と時代

生物種が爆発的に増加したカンブリア紀以降の地球の歴史は、新生代と中生代と古生代に分類できます。
新生代は第四紀と第三紀に分類できます。
中生代は白亜紀、ジュラ紀、三畳紀に分類できます。
古生代は上部古生代である二畳紀、石炭紀、デボン紀と下部古生代であるシルル紀、オルドビス紀、カンブリア紀に分類できます。

デボン紀の全体、下部石炭紀の一部と、上部シルル紀の一部には旧赤色砂岩と呼ばれる礫岩や砂岩の堆積が見られます。
造山運動による褶曲と隆起が見られることも多いです。
石炭紀の石灰岩がこれらの地層の上に乗り、不整合になっていることがあります。

褶曲を起こさずに隆起や沈降する造陸運動というのもあります。