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元ひきこもり不登校者の、そこから抜け出せた話

中学に入学してすぐ、僕はいじめに合いました。
理由は今でもわかりません。
同じ班の子たちから、「無視ゲーム」という、ただ僕を無視するというゲームをされていました。

どれくらい我慢できたかは覚えていません。
夏ごろからは不登校になっていました。
母親は、毎朝起きようとしない僕に怒り、叩いたり無理やりベッドから出し、何とか学校に行かせようとしていました。
部屋に鍵が無い為、何とか部屋に閉じこもろうと模索し、トイレに籠城したりもしました。

そんな日々がしばらく続きましたが、ある時から母親の干渉が無くなりました。
母親が諦め、僕を見捨てた訳ではありません。
スクールカウンセラーの先生の所に通い、そこで、そっとしておく事も大切だと教わったのだそうです。

ようやく自由を得ることが出来た僕は、音楽を聴いたり、ゲームをしたり、マンガを読んだりと自由に過ごしていました。
ですが、昼夜逆転の生活で夜は眠ることが出来ず、毎夜、「自分は何をしているんだろう」「これからどうすればいいんだろう」とひとりもがき苦しんでいました。
この胸の重くどす黒く、もやもやとしたものを取り除きたいと、胸を搔きむしったこともありました。

朝になると、窓の向こうから光が差し込み、鳥の声が聞こえてきて、ようやく安堵と不安と共に眠りにつきます。
救いだったのは、家が賑やかな繁華街にあるわけでは無く、田舎の一軒家だったこと。
他の家庭や会社や学校へ行く人たちの音や声が聞こえていたら、もっと苦しみを感じていたかもしれません。


ある日、母親が一緒に買い物に行かないかと提案してくれました。
その日のうちに行ったかは覚えていませんが、そこから外に出ることが出来るようになりました。
映画や旅行などにも連れて行ってくれて、今でもそれが大切な思い出になっています。

引きこもっている間、兄が持っていたアニメのDVDなどを見たりもしていました。
その中に、アニメの声優さんが登壇する、ライブDVDがありました。
初めて声優という職業を知り、アニメのキャラクターを演じている人が歌ったりしている姿に、不思議な気持ちになりとても興味を惹かれました。
声優に興味を持ってから、アニメや声優さんについて色々と調べました。
そして、いつしか自分も声優になりたいと思うようになっていました。


2年生になり担任の先生が変わり、時々家庭訪問をしてくださるようになりました。
初めのうちは先生が来てくださっても会うことが出来なかったのですが、自分のやりたい事が見つかり、進学について考えるようになり、そこから先生と話すようになりました。
そして、教室には行くことが出来なかったので、保健室登校を開始しました。

3年生になり、受験に向けての準備を本格的に始めるようになりました。
ですが、中学の2年間ほぼ勉強をしていなかったので、進学はとてもネックでした。
しかし、自分の夢を叶えるための勉強をする事ができる高校には、AO入試というものがありました。いわゆる一芸入試です。
特技があるわけでも、何か資格があるわけでもありませんでしたが、作文の書き方を始め色々な先生に協力をしていただき、何とか受験も無事に乗り越えることが出来ました。


高校に進学してからも艱難辛苦、様々なことがありました。
中学時代もそうでしたが、やはり人間関係はどこにいても、どんな環境においてもとても難しい問題として付きまといます。
夢のために努力を続けましたが、現実はそう甘くは有りません。
高校生活も中盤に差し掛かった頃、人間関係で大きなぶつかりが有り、大きなストレスを抱えるようになりました。
先生に泣きながら相談をしたことも有りました。
でもある日、もう耐えられないと母親に電話をし、思いの丈を泣きながらぶつけました。

そして、実家に戻ることになりました。
救いだったのが、地元の近くに系列校が有ったこと。
そこに無事編入することができ、そこに通うようになりました。
しかし、そこでも馴染むことができず、通信制に切り替えることとなりました。


その後も波乱万丈の人生を送っています。
全てを語るには、あまりにも膨大な量になってしまいます。
小学校時代も、中学時代も、高校生活も、その後の進学と大学生活、地元に戻っての就職、転職などなどまだまだ沢山の出来ことがありました。

今でも海外でやりたい事などもできたり、初めての海外への渡航、一人旅、そこでの様々なトラブルなどなど、本当に沢山の出来事が起こり続けています。
でも、それが人生で、それこそが醍醐味なのだと思います。


今の自分、そしてこれからの自分の未来があるのは、いじめや不登校や、様々な悩み、苦しみ、葛藤があったからこそだと今では思えます。
当時の自分にはそんな事、到底考えられませんでしたが、生きてさえいれば何とかなるんです。

今はまだ、やりたい事や未来の事が想像できなくても、色々な経験、体験をしていけば、いつかはわかる日が来ます。
そして、周りに誰もいないと思っていても、案外誰かが見守っていてくれたりもします。
「助けて」って言えば、助けてくれる人がいます。
今は真っ暗に思えても、光は必ずあります。

どうか、今日を、明日を生きてください。
今を、生きてください。
先の事は見えなくても、分からなくても大丈夫。
ただ、生きているだけで、大丈夫。


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