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小学生メンター ミソノ

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一人の小憎たらしい女の子、もとい天使が言った。 「今のあんたは、全くイケてないわ。そんなんじゃ、まあ、何をやってもうまく行かないでしょうね。でも、あんたの心の声は、私に届いた」 …
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#物語

小学生メンター  ミソノ <第8話(最終話)>

小学生メンター  ミソノ <第8話(最終話)>

8.さよなら天使【前回のお話】7.心のモヤモヤが晴れる時

 こんな風に将来の夢を告げたのは、物心がついてからは初めてだった。
父さんも母さんもオレの言葉に真摯に向き合ってくれ、母さんが退院してから、医者になるにはどういった進路を歩んだらいいかを一緒に調べてくれることになった。

 ねーちゃんは母さんに付き添うことになり、オレは仕事に行く父さんと別れて、急いで家に戻った。
 早く美園に伝えたかった

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小学生メンター ミソノ <第7話>

小学生メンター ミソノ <第7話>

7.心のモヤモヤが晴れる時【前回のお話】6.自分の足で立って、行動する

 母さんが入院した次の日、学校前に母さんの病室へ寄って荷物を届けに行った。

 母さんは、グッスリと眠っていた。
 今までの疲れを身体の外へ追い出すかのように眠っているので、起こさないようにして、部屋を後にした。

 母さんが倒れた日の夜から、何とも言えない気持ちが、オレの中でモヤモヤと霧がかかるようにおおい被さったままだっ

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小学生メンター ミソノ <第6話>

小学生メンター ミソノ <第6話>

6.自分の足で立って、行動する
【前回のお話】5.和成、腹を括る

 勉強できなくなって、既に5日が経っていた。
 文字が書けないんだから仕方ないけど、ただ何もしないのも時間がもったいなかった。

“できないことに気を取られずに、できることをやりなさい。
byジョン・ウッデン"

 ということで、オレはこれを機に本を読みまくることにした。
 立川のお勧めの本も図書室から借りていた。

 中でもはま

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小学生メンター ミソノ <第5話>

小学生メンター ミソノ <第5話>

5.和成、腹を括る【前回のお話】4.なぜ勉強するのか、を考える

 大変な事になった。
 オレは今、非常に焦っていた。

 今は授業中で、しかも目の前には毎月恒例の学力テストがある。
 それも算数のテストだ。

 なのに、オレはまだ鉛筆を持って字が書けない状態だった。
 そう、まだ勉強が出来ない!

 おい、美園、いい加減に勉強できるようにさせてくれよ!!
 勉強する意味を答えたら、勉強できるよう

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