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現場からは以上です。2nd

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「現場からは以上です。」マガジン内のnoteが100を超えたので、2ndマガジンを作りました。 「地域の魅力とITの力で小売はもっと面白くなる!」をモットーに働く中で感じたこと、… もっと読む
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2017年11月の記事一覧

私の価値は、上がったり下がったりしない。

私の価値は、上がったり下がったりしない。

「すごいね」と言われることに、嬉しさより恐怖を感じるようになったのはいつからだろう。

人一倍「期待に応えなければ」という気持ちが強い私は、「すごいね」と言われるたびにその裏にある次への期待を敏感に感じてしまって、勝手に怖くなってしまう。

いつか、人の期待に自分の能力が追いつけなくなる日がくる。
特に独立してからはずっと、その恐怖と闘っている。

それはきっと自分の能力が短期的にそう大きく変わら

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私たちは、会社の何を受け継いでいくべきなのか

私たちは、会社の何を受け継いでいくべきなのか

最近、「伝統」について考える機会が増えました。

私はもともと伝統あるものが好きで、長い時間をかけて削ぎ落とされてきた芯のようなものに愛を感じるのですが、ただそれを「守る」という態度については、常々懐疑的な姿勢を持ってきました。

伝統が「伝統」として流通してしまったら、いつかそれが「足枷」になってしまう。
だからこそ、「伝統」は守るものではなく、あくまで攻め続けるための武器の一つだと認識しなけれ

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評価される側に、立ち続けるということ。

評価される側に、立ち続けるということ。

昨日、急遽Abema TVの「Abema Prime」という番組に出演させていただきました。

11/22の夜に記事を公開して、23の夜にオファーをいただき、24の夜に生出演。

な、なんだこのスピード感は…!という感じですが、私の記事に対していただいた反応をもとに私の考えも少なからずアップデートされた部分もあり、自分の「今」の考えをお話してきました。(→見逃し配信はこちらから見られます!)

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ブランドとメディアの境目がなくなっていく時代に

ブランドとメディアの境目がなくなっていく時代に

まだ私が百貨店にいた5年前、「百貨店のライバルは雑誌だ」と思っていました。

その頃は誰からも理解されなかったし、今もいろんな反論はあると思いますが、私はあの頃よりさらに確信をもって、「"売場"はWeb、紙、テレビと横並びの"メディア"になる」と思っています。

そして最近はそこから一歩進んで、「ブランドとメディアの境目がなくなっていく」のではないかと考えています。

そのきっかけは、1年ほど前に

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「かかりつけ医」という名のファーストコールを目指す

「かかりつけ医」という名のファーストコールを目指す

以前書いたカラー分類の記事が想像以上の反響をいただいたときに印象的だったのが、女性を中心に「私はどこに入るんだろう?」というつぶやきが多かったこと。

友人を中心に「あなたはこれをベースにこのへんを行き来する人だと思う」と占い師のような活動に精をだしてみて思ったのが、みんなまず入り口で悩んでいるのだなということ。

そして、私たちが何かを買おうと思った時、もはや「検索」をしなくなり、代わりに「誰に

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知性は批判にでる

知性は批判にでる

私が大切にしている言葉のひとつに、
「プライドとは己を律する心であり、教養とは人を傷つけることなく接する術である」
というものがあります。

プライドも教養も、ときに「鼻につくもの」として忌避されることもありますが、私は2つの本質は自らの行動を規定することにあることを前提として、正しく使うことが必要だと思っています。

そして、その人の本当の知性というものは、批判する際の姿勢にどれだけこの2つに対

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ヘルシーなスケールを考える。

ヘルシーなスケールを考える。

「自分の身の丈にあった幸せを見つける」

超成熟社会となってしまった日本では、若者を中心にこうした背伸びしない価値観が主流になりつつあるように思います。

いい学校からいい会社に入って、さらに出世競争を勝ち抜いてトップに上り詰めるより、暮らしていける分だけのお金を稼いで、自由な暮らしをする方が幸福度が高いと皆が気付きはじめているのです。

手仕事や小商い、コミュニティが注目されているのも、こうした

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私たちがこれから、中国に勝てなくなっていく理由

私たちがこれから、中国に勝てなくなっていく理由

「ああ、中国はもう私たちが追いつけないところまで行ってしまった」

今年の「独身の日」関連のニュースを読めば読むほど、この思いが私の中で明確になりました。

グローバルで見たとき、10年後に小売業界の覇権を握っているのは中国、特にアリババだと思います。

「独身の日」についての細かい考察は今週のリテールトピックで解説していますが、私が一番衝撃を受けたのは、超革新的な施策が中国では消費者に当たり前の

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組織として、FA宣言にどう向き合うか

組織として、FA宣言にどう向き合うか

とうとうプロ野球の2017年シーズンが終わってしまったわけですが、野球はこう見えてオールシーズン楽しめるエンタメコンテンツ。

そう!通称ストーブリーグと呼ばれる、来季に向けた戦力の見直し&補強が行われる季節なのです!

涙の戦力外通告、ドキドキのドラフト会議、突然のトレード、ポスティングによるメジャー挑戦など話題は目白押しですが、特に野球民の間で常に話題になるのがFA(フリー・エージェント)制度

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"公平"を求めるとセンスが死ぬ問題

"公平"を求めるとセンスが死ぬ問題

私にとって、東京で好きなスイーツショップの二大巨頭といえばHIGASHIYAとJANICE WONG。

おいしいものは数多あれど、心ときめくおしゃれさと手の届くラグジュアリーを体現している空間は、そう多くないと思います。

そんな大好きなJANICE WONGの目の前を通った時、衝撃を受けたのが店舗外のガラス部分に「ルミネカード10%オフ!」のステッカーが貼られていたこと。

あまりのミスマッチ

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プロデューサーという仕事。

プロデューサーという仕事。

先日書いた「"論者"の道と"実行家"の道」という記事をきっかけに、改めて「有言実行」ということについて考えているここ最近。

そんな中、たまたま聞いたポッドキャストのテーマがまさに「口だけの人」。

話の中で出てきた言い回しに、なるほどと膝をうつ思いでした。

上記の発言は、松竹の奥田誠治さんのもの。日本テレビのプロデューサーとして映画事業を大きくしてきた方です

奥田さんは、昔から通知表に「発想

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「社交」の重要性が高まる時代

「社交」の重要性が高まる時代

ここ最近、ずっと「社交」の重要性を説いて回っている私。

これまで「社交界」といえばお金持ち同士で集まって、きらびやかな衣装に豪華な食事、はじけるシャンパンの泡…。そんなイメージが強かったように思います。

しかし、SNSで人がつながり、さらにサロンをはじめとした「コミュニティ」がオンラインで形成され始めたからこそ、これからは「社交」の時代ではないかと思うのです。

その理由は、先日のこんなツイー

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「誰のことも攻撃しない」という戦い方

「誰のことも攻撃しない」という戦い方

先日書いた記事に、こんなありがたい感想をいただきました。

「誰も攻撃をしない」
これは私が文章を書く上で、いつも大切にしたいと思っていることです。

あらゆる価値観を否定はしない。その価値観を一度受け止めた上で、それでも私はこう思う。そういう主張の仕方を常々意識しています。

甘いと言われるかもしれないし、八方美人だと批難されるかもしれませんが、煽ったりけしかけたりしても、なかなか真意は伝わらな

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スタンプラリーとしての「会いたい」ではなく

スタンプラリーとしての「会いたい」ではなく

私たちが「会ってみたい」と思うとき、「会う」という行為から何を得ようとしているのだろう、とふと疑問に思うことがありました。

例えば芸能人や有名人など、誰でもひとりは「会ってみたい」と思う人がいるものだと思います。

でも、その「会ってみたい」はそこから仲良くなりたいとか一緒に何かしたいという目的があるわけではなく、ただ会うということがゴールとしての「会いたい」であることが多いのではないでしょうか

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