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『こだわるから、とらわれない―温泉が教えてくれた心地いい生き方―(ICE新書)』の編集後記を公開!

2023年7月31日に発売された書籍『こだわるから、とらわれない―温泉が教えてくれた心地いい生き方―』(著:高橋 一喜)の担当編集者による「編集後記」を公開いたします!

編集後記

「楽」という字を「ラク」と読むことに違和感がある。
 デジタル大辞泉(小学館)によると、

楽(らく)
①心身に苦痛などがなく、快く安らかなこと。また、そのさま。
②生計が豊かなこと。また、そのさま。
③たやすいこと。簡単なこと。また、そのさま。

 とのこと。どうも私が引っかかるのは、③の意味合いで「楽」の字が使われる場合だ。
 なぜなら、楽しい=ラク(easy)ではないと思うから。

 著者は強靭な人だ。
 物静かで、誰にアピールするでもなく、自分軸でやり遂げる。世間の声や他人の目などに揺さぶられず、ただ「温泉」にこだわり、自由に発想し行動する。
 時に大変そうではあるが、それを上回るほどに、なんだか人生が楽しそうだ。

「とらわれないこと」「ひとつにこだわること」はなかなかにしんどい。
 既成概念にとらわれることは、ある意味ラクなのだ。

 世間が「こういうものだ」と決めつけたことがある。それに従って、「男だから」「女だから」「会社員だから」「貧乏だから」などと〝属性〟を言い訳にして、できないことにしておけばいい。本当は、自身の実力がないからできない、といった事実に、絶望しなくていい。

 世間が認めたゴールがある。そこを目指せばよく、「自分にとっての幸せとは何か」「本当にやりたいことは何か」なんて、考えなくて済む。
 思い込みの中で生きること、つまりは、自分の頭で思考しないことは、ラクなのだ。

 とことんこだわれることに出会い、こだわり通すこともラクではない。『やりたいことの見つけ方』なんて本が多数出版されていることからもわかるように、そもそも、こだわること、やりたいことを見つけるのすら難しいのだ。
 幸運にも見つかったとして、それをこだわり通すのもかなりの精神力が必要だろう。

 ちょっと気が遠くなる。気づかないふりをして、ラクして生きたくなる気もするが……。

 しかし、きっとそうして見つけた真の自分や居場所は、さぞ楽しくて心地よいのだろう。
 世間に刷り込まれたゴールとは違う。自分で考えて思考して、取り組んで積み上げて、選んだ場所。想像するだけでワクワクする。

 もしかしたら、こだわることもやりたいことも、心地よさを追求していくと見つかるのではないか?
 きっと心地よさも、ラクとは違うのだ。ラクでもやりがいがなかったらつまらない。ラクなだけでは楽しくはない。時に、しんどいこともある。我慢や忍耐も必要かもしれない。

 ただ、そうして「心地よさ」を追求していったら、そこには真の「楽しい」と、探していた「やりたいこと」があるのかもしれない。

 ラクせずに、楽しくいってみようか。
 しんどいけれど。

 本書が、読者の人生に役立つことを願って。

担当編集 深谷その子

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