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Today’s Story & Sweets-10DANCEby井上佐藤×イギリス風フルーツケーキ

7月に入ったと言うのに、梅雨が明ける気配はまだない。
山に近いからか、雨が降ると途端に霧が立ち込めるせいでもともと出不精がさらに輪をかけてほぼ引きこもり状態に。

さすがにこれではマズイ。
かと言って、部屋でストレッチもまぁご近所の迷惑になりそうだし…。
そこでまずは読書で脳内をアクティブモードに切り替えるべく手に取ったのは井上佐藤氏の《10 dance》だ。

そういえば、今年北米の漫画アニメ情報サイトMyAnimeList(通称:MAL)で『10DANCE』がYou Should Read This Manga 2024のUnique Story/Art部門に選出されたらしい。
これは日本の「このマンガがすごい!」の海外バージョンだとか。

一文字違いの名前。
それぞれ日本チャンピオンでありその世界では有名なスタンダードダンサー杉木信也(すぎきしんや)とラテンダンサーの鈴木真也(すずきしんや)。
もともと競技ダンス界で関わることが無かった2人が運命のように出会い、《10ダンス》を制覇するためにお互い苦手な分野を克服すべく教え合うことになるのだが…

現在は青年コミックとして出版されているが、もともとはBLコミックからスタートした作品と言うことを忘れてしまうぐらい、あまり一般的ではないダンスの世界、それも10種類のダンスを競う《10dance》という大会でトップを目指す男達の熱い闘いが描かれていてる。
とは言え、連載スタートはBL界隈では有名な竹書房の雑誌《麗人》。
ダンス界でトップを目指す2人の信頼と友情。
なんてことはなく、たとえ青年コミックに移ってもそこに描かれている2人の関係は『恋愛』という簡潔な言葉で表現出来る類いのものでは無く、もっと濃密な言ってみればお互いの半身として、無くてはならない魂の絆が切なく描かれている。

そんな情熱的な男たちが繰り広げる究極の愛とダンスの世界を読むと、作りたくなるのはフルーツケーキだ。
それもドイツ菓子の《イギリス風フルーツケーキ》だったりする。

フルーツケーキをさらにロールケーキで包むとなんだかちょっとだけ贅沢な気持ちがする。
今回、中に入れたフルーツはレーズンにサルタナレーズン、国内産のオレンジピールの3種類。もちろんラム酒漬け。
浮き粉入りのフルーツケーキは軽やかでしっとり。

ドイツのフルーツケーキが『イギリス風』って、なんだかややこしいけど、これはフルーツケーキの本場がイギリスと言うことでその名前がついているらしい。

浮き粉を小麦粉と同量に使うことで、通常のフルーツケーキより口当たりは軽やかで、更にしっとりさを長期間キープするために周りを浮き粉入りのロールケーキ生地で巻き、アプリコットジャム、ローストアーモンドに粉糖で仕上げている。
この幾重にも重なる味と熱い闘いだけで無くダンス界のカッコよく雅な世界が描かれてる《10dance》はこの時期の憂鬱な気分を晴らし、程よく贅沢な気分にもさせてくれる。

昨年7巻が発売されたが、まだまだ続きそうなので彼らが目指すその先にはどんな未来があるのか、その行方を見守っていきたい。
次巻を楽しみにしつつ、せっかくなのでイギリス風にミルクティーと共に。

(Nekozawa23)

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