【自治領諸島の人々】強盗の手引きをした使用人の話
真夜中。静まり返った家の中から、男たちが音もなく出てきた。そのうちの一人に、「仕事」はどうなったかを聞く。無事に終わったという返事に、私たちは声を殺して喜びあった。やった、やった、これで私たちは自由だ! そして手を握りあい、抱き締めあった。
私たちは、この家のやつらが嫌いだった。私たちを「拠点」生まれで学がないからと安く買い叩いて、乱暴な扱いをして、少しの事で怒鳴り散らして。成金で、見栄っ張りで、見かけにばかり金を掛けたから、私たちのような安い使用人しか雇えなかっただけ