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さくらインターネットはガバメントクラウド足り得るか、決算書から読み解く!

2023年度にデジタル庁が募集した「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」に認定された「さくらのクラウド」を提供する「さくらインターネット
今回はそんな破竹の勢い!?の「さくらインターネット」を決算書から読み解いていきます!

筆者は財務諸表を見始めてまだ数か月の若輩者です
間違いやご意見があればコメントをいただけると助かります!
また「〇〇はどういうことでしょうか?」などの質問もいただけると私自身の学びにもなりますので、ぜひお寄せください!


基本情報

「さくらインターネット」は1999年8月に大阪で設立されました
子会社を除く単体での従業員数は633名、平均年齢は39.6歳、平均年収は598万円となっています
事業の主軸はクラウドサービスで、この「さくらインターネット」が提供するクラウドサービスがこの度デジタル庁から国内として初の「ガバクラ」認定されました

BS

まずは2023年度第3四半期(10~12月)のバランスシート(比例縮尺図)と注目ポイントを見てみましょう!

2023年度第3四半期(10~12月)のバランスシート(比例縮尺図)


連結会計年度末に比べ総資産が17.3%増
👈 GPUクラウドサービス等向けのサービス機材調達による有形固定資産の増加が主要因

負債は23.1%増
👈 サービス機材に係る設備関係未払金の増加が主要因

純資産は5.3%増
👈 親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加が主要因

バランスシートは全体的に膨らんでいますが、それは成長するための投資によるものだと読み取れます
流動負債の割合が44.7%とやや多い気がしますが、これも内訳をみると「前受金」や「未払金」といった設備投資関係のものが大半なようです
有形固定資産の多さもデータセンターを持つクラウドサービス事業者ならではといったところでしょう
総じて「成長していくぞ」という想いが感じられるBSとなっています

PL

次は損益計算書です!

2023年度第3四半期(10~12月)の損益計算書(比例縮尺図)

売上収益が前年同期比4.1%増
👈 クラウドサービスの売り上げが順調に増加した 

営業利益が前年同期比35.4%減
👈 売上増加があったものの、機能開発強化の加速や人材採用、マーケティング強化などを積極的に実施した
👈 元々の額が大きくないので割合で見ると減少幅が大きく見えてしまっている

クラウドサービス単体の売上収益は7.7%増
👈 「さくらのVPS」が好調 

売上が増えて利益が減っているようです
「さくらインターネット」のように成長フェーズの企業の場合、短期的には利益よりも売上(≒成長)を取る戦略は大いにあり得ます
利益の減少、あるいはマイナスの利益が続くようなであれば注意ですが、まだそこまで危険視することはないと思います
何よりクラウドサービス市場の好況がまだ続くので、その間にいかに成長して高収益体質を達成できるかが見どころでしょう

CS

本当はここにCS(キャッシュフロー計算書)についての記載もしたかったのですが、「さくらインターネット」は年に一度の有価証券報告書でしか記載していないようです(CSは中小企業だと提出を義務付けられてはいないようです)
それだと今回の趣旨上ちょっと情報としては古いので、割愛させていただきます

まとめ

「さくらインターネット」はガバメントクラウド足り得るか…
私は「期待したい」と思います!(ちょっと逃げの姿勢です)
しっかり投資をして成長していこうとの姿勢が感じ取れてすごくよいのですが、それが実を結んで本当にガバメントクラウド足り得ると断定はできません
もしも、「BS上純資産がもっと潤沢にある」とか「売上収益が10%成長」とか「利益が10%越え」とかであれば足り得ると判断したかもしれませんが、まだそこまでではないようです
とは言えせっかく国内初のガバクラ認定を受けた企業です!
ぜひとも立派に成長して海外ビッグテックに追随・勝負してほしいですね!

参考

analyze corp

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