ぷりりん

弟の自死を経て、類似の経験をされている方の一助になればと思い、綴る事にしました。

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弟の自死を経て、類似の経験をされている方の一助になればと思い、綴る事にしました。

マガジン

  • 弟の自死

    2023年夏に自死した弟の事を、遺族の視点から記載します。

最近の記事

弟の自死 - 26. 訪問看護

過去の記事で、後述した事について記載しようと思う。 特殊清掃業者に現地見積を依頼した際に、弟の部屋のドアポストに名刺のようなモノが挟まっている事に気付いた。 いつから挟まっていたのか明確ではないが、おそらく遺体を発見した日にも挟まっていたのだが、気付かなかったのだと思われる。 内容を見ると、訪問看護師の方が弟に宛てた手書きのメッセージカードだった。 (弟)さん 食事は摂れていますか? 返信いただけないので心配しております この前お話した、ロジカルラインを買いました とても

    • 弟の自死 - 25. 特殊清掃 書類確認

      特殊清掃業者へ依頼する際に、負債がどのくらいあるのか分からない為、書類等は全て残しておいて欲しいと依頼していた。 特殊清掃へ依頼してから11日後、特殊清掃業者から連絡があり、書類を纏めているので、いつでも確認してくださいとの連絡があった。 特殊清掃を依頼した後、弁護士に相続放棄を依頼した為、もう必要が無い作業ではあるのだが、念の為書類確認に行くことにした。 とはいえ、再度弟の部屋に入るのはかなり勇気が必要な事だ。 臭いが怖い為、予め鼻栓を買っておいた。 また、暗い部屋に入

      • 弟の自死 - 24. 日常の変化

        弟の遺体発見から8日後、久しぶりに仕事に復帰した。 手続きなどはほぼ全て終え、火葬も終わった。 負債の整理と弟の部屋の掃除が残ってはいたが、特殊清掃業者と弁護士に依頼した為、自分で出来る事は無い。 自分自身も "早く日常を取り戻したい" という思いがあった為、会社に出社する事にした。 会社に行き仕事をし、終業後は同僚と食事に行き、日常に戻れるかと思ったのだが、結果としてそうはならなかった。 まだ1週間程度しか経過していなかった事もあると思うが、今までの暮らしとは一変したと

        • 弟の自死 - 23. 相続放棄

          弟の火葬が終わり、役所等の手続きも終えた。 一段落するかと思いきや・・・そうでもない。 2つ、まだ終えていない事がる。 ・いくら有るのか分からない弟の負債整理 ・弟の部屋の片付け 過去、2回ほど大きな借金問題を起こした弟。 1回目は300万円ほど、2回目は700万円。 2回目の借金の際は、解決しようがなく自己破産手続をした。 その為、クレジットカードの使用や消費者金融での借入などは出来なくなったと思っていたのだが、、、 スマートフォン料金払いで電子決済サービスにチャージ

        弟の自死 - 26. 訪問看護

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        • 弟の自死
          27本

        記事

          弟の自死 - 22. 火葬式後

          火葬を終えて、母の家に到着した。 ずっと私が抱えていた骨壺を部屋に置き、ひとまずゆっくりする事にした。 時計を見ると11:20。 葬儀場に着いたのは9:30だった。 とてつもないスピードで終わったのだと思った。 改めて、葬式や告別式を省略した事を悔やんだ。 母は、ひとまず落ち着いている様子だ。 とはいえ、何となく母の事が心配で、暫く母の家に居て様子を見ようと思った。 特に何をする事も無く、2人でテレビを見ながら雑談していたが、母は私に、 「あなたとこんなにゆっくり話をする

          弟の自死 - 22. 火葬式後

          弟の自死 - 21. 火葬④

          母と私は、火葬が終わるまで喫茶室で待機する事になった。 火葬は40~50分ほどかかるらしい。 アイスコーヒーを2つ頼み、母と私は待機していた。 母は少し落ち着いてきたが、涙が止まらないようだ。 周囲には4~5人のグループが4グループほど居たが、皆談笑していた。 私は、葬式や告別式を行わず火葬のみとした事を悔やんだ。 あまりにも展開が早すぎて、心の整理が追い付かないからだ。 たとえ参列者が居なくても、読経を聞きながら式を数時間行う事で、気持ちを整理する時間が与えられるのではな

          弟の自死 - 21. 火葬④

          弟の自死 - 20. 火葬③

          予定時刻よりも早く着いた母と私は、火葬の時刻まで待機してたが、予定よりも10分早く、移動を促された。 「周囲に人が居ないので、今が良いと思います」 と、葬儀社の担当者が配慮してくれた。 棺内に消臭を施してはいるが、やはり強く臭いが残っている為だと思われる。 母と私はゆっくりと歩き、棺の前まで移動した。 この棺の中に弟の遺体が入っている・・・ やはり、どこか実感が湧いておらず、 実は何かの間違いという可能性もあるのでは? などと思ったりもした。 葬儀社の方から、 「最後に

          弟の自死 - 20. 火葬③

          弟の自死 - 19. 火葬②

          予定時刻よりも30分早い9:30、葬儀場に到着した。 タクシー運転手が迷ってしまい、葬儀場から少し離れた所で車を降りた。 母に気を配りながら、ゆっくりと歩いて葬儀場へ向かった。 葬儀場は敷地が広く、大きな駐車場を備えている。 建物は駐車スペースをしばらく歩いた先にある。 葬儀場の敷地に入り、駐車スペースを歩いていると、突然母が泣き出した。 「私が(弟)と最後に交わした言葉は、お金の事に対する苦言だった」 「なぜ、もっと優しい言葉をかけてあげられなかったのか」 「(弟)は、

          弟の自死 - 19. 火葬②

          弟の自死 - 18. 火葬①

          弟の遺体を発見してから5日後。 火葬式は10:00開始だが、この日は6:00に目が覚めた。 遺体発見以降、1日が長く感じていた為、火葬までの5日間はとても長く感じた。 特に根拠は無いのだが、 "火葬を終えれば一段落する" というような気持ちがあった。 喪服を着るのは久しぶりだった。 5日経っても弟の死に対する "現実味" を感じておらず、黒いネクタイを絞めていても、他人の葬式に出席するような感覚だった。 今まで何十回と自殺未遂をしていた経緯から、 "弟が自殺してしまう"

          弟の自死 - 18. 火葬①

          弟の自死 - 17. 特殊清掃 正式依頼

          弟の部屋に入って10分程して、特殊清掃業者が室内を一通り確認し終わった。 業者の方が「1階へ移動しましょう」と促してくれた為、室外へ出た。 室外へ出て、ドアの鍵をかけた。 その時に、ふとドアポストに名刺のような物が挟まっている事に気付いたのだが、この事は別の記事で記載する事にする。 マンション1階へ移動し、男性業者の方が見積書を作成し始めた。 私は部屋の外に出ても、臭いがずっと鼻の奥あたりに残っているような感覚だった。 女性業者の方が、「手や顔を拭いて下さい」と言ってアル

          弟の自死 - 17. 特殊清掃 正式依頼

          弟の自死 - 16. 特殊清掃 現地見積

          特殊清掃業者に電話をした翌日。 現地見積の為に、再度弟の部屋に入らなければならない。 私は遺体発見以降、毎日臭いのフラッシュバックで嘔吐していた為、臭いに対して恐怖心が有った。 弟の部屋に入ると、服や髪に臭いが移ってしまう。 帰宅後、自室に臭いが移る事を懸念し、帰宅した際にやる事を想定した。 靴は捨てる → すぐにシャワーを浴びる → 着ている服は即洗濯 ・浴室前には着替えを置いておく ・靴はボロボロになった古い靴を選定 ・靴を捨てるためのごみ袋は玄関に置いておく など

          弟の自死 - 16. 特殊清掃 現地見積

          弟の自死 - 15. 特殊清掃とは??

          遺体引き渡しを終え、以降は弟の部屋へ立ち入っても良い状態になった。 弟の部屋はどうなっているのだろうか? 酷い臭いが周囲の住人に迷惑をかけるのではないか? とにかく、これが一番の心配事だった。 といっても、酷い臭いの部屋に入って片付けなど、出来る気がしない。 このような場合、どうすれば良いのか? 鑑識の方に聞くと、特殊清掃業者に依頼するのが一般的だと教えてくれた。 私は今まで全く知らなかった為、ネットで調べてみる事にした。 自殺や孤独死やごみ屋敷など、掃除が大変な状況を

          弟の自死 - 15. 特殊清掃とは??

          弟の自死 - 14. 負債把握

          スマートフォンのロックを解除出来た為、中身を調べる事にした。 正直に言えば、見たくないものを見てしまうかもしれない・・・ と、怖い気持ちが有った。 だが、負債を把握する為には必要と思い、恐る恐る調べた。 SNSは、ほとんど使用していなかった。 日常やり取りしているような相手は居ない事が分かった。 メールを調べていると、消費者金融へ審査を依頼していた履歴が見つかった。 だが、4年前に自己破産手続きをしている為、おそらく審査には通らなかっただろうとは思うが、結果がどうなのかは

          弟の自死 - 14. 負債把握

          弟の自死 - 13. 遺品整理

          "遺品" と言っても、弟の部屋にある遺品ではない。 遺体発見時に、鑑識が弟の部屋から持ち出した物で、死体検案書の説明を受けた後に返却された。 財布 現金(約\1,500) 免許証・マイナンバーカード・カード類 スマートフォン 部屋の鍵 電気代やガス代、スマートフォン料金未納の督促状 レシート ノート(1日1行程度の簡単な日記) 驚くことに、全ての物に酷く臭いが移っている。 人の "死臭" がこれほど大変な事になるという事を初めて知った。 鑑識の方が入念にアルコール等で拭き

          弟の自死 - 13. 遺品整理

          弟の自死 - 12. 遺体引き渡し

          解剖結果の説明を受けた後、警察署へ来ていた葬儀社の担当者と打合せをする事になった。 式のプランなど、説明を受けた。 母が望むように進めようと思っていたが、母は葬式・告別式は行わない、簡単な火葬式にしたいと言った。 式に呼ぶような親戚がおらず、参加者は母と私だけの為、それでも良いかと思い火葬式を選択した。 火葬の日時は3日後の10:00~ に決定した。 遺影は大きいサイズしか作成出来ないらしく、別途準備する事になった。 写真が無い為、先程受け取った遺品の中から、免許証かマイ

          弟の自死 - 12. 遺体引き渡し

          弟の自死 - 11. 死体検案書

          弟の遺体発見から2日後 予定通り午前中に解剖が終わり、午後には遺体の引き渡しが可能であると、警察より連絡があった。 13:00に警察署へ行く事にした。 遺体引取の為、葬儀社にも連絡した。 私はまだ37.5℃の微熱状態であったが、解熱剤を飲んで外出する事にした。 母と共に警察署へ到着すると、鑑識の方が個室に案内してくれた。 鑑識の方は、弔意を述べてくれた後に、死体検案書を手渡された。 死因は ”不詳” となっていた。 鑑識の方は、母に配慮してくれたのか、 「解剖の結果を

          弟の自死 - 11. 死体検案書