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弟の自死 - 15. 特殊清掃とは??

遺体引き渡しを終え、以降は弟の部屋へ立ち入っても良い状態になった。

弟の部屋はどうなっているのだろうか?
酷い臭いが周囲の住人に迷惑をかけるのではないか?
とにかく、これが一番の心配事だった。

といっても、酷い臭いの部屋に入って片付けなど、出来る気がしない。
このような場合、どうすれば良いのか?
鑑識の方に聞くと、特殊清掃業者に依頼するのが一般的だと教えてくれた。

私は今まで全く知らなかった為、ネットで調べてみる事にした。
自殺や孤独死やごみ屋敷など、掃除が大変な状況を請け負ってくれる特殊清掃業者なる存在が居る事が分かった。
結構高額ではあるが、この手の大変な掃除をしてくれるらしい。

3週間以上遺体が放置されていたような部屋の掃除は、一般家庭でイメージする部屋の掃除とは次元が違うようだ。
・遺体からウジ虫や蠅、蚊などが発生してしまう
・散乱した体液は感染症のリスクもある
・臭いの除去が並大抵の作業ではない
等、とても大変な作業であることが良く分かった。

更に、検索していると目についたのだが、、、
遺族側の立場ではなく、むしろ貸主に対してのアドバイスや判例等の記事が圧倒的に多い。
貸主の立場で、所有物件で入居者が孤独死してしまった場合に、どのような対応が可能か?というような記事だ。

・賃借人が室内で自殺した場合、遺族に対して請求可能
・遺族が相続放棄した場合、相続人に責任追及は不可
・だが、相続放棄しても、連帯保証人には請求可能
・原状回復に要する費用は請求可能
・自殺があった物件の価値が下がる為、損害賠償請求が可能

というような内容が多かった。
弟の部屋は、契約する際に私が連帯保証人になっている為、俄然不安が大きくなる。

というか、困っている遺族側の立場に立った記事が全然見つからない。
それどころか、遺族側が何百万円も請求されたというような事例すら見つかり、とてもショックを受けた。

確かに、貸主が被害者であることに間違いはないのだが、遺族は加害者なのか?と思ってしまう。
遺族側の立場に立ったアドバイスや情報が欲しかったのだが、ネガティブな情報しか見つからなかった。
この状態は・・・いかがなモノだろうか?と思う。
精神的に弱ってる遺族が、更に金銭面での負担を強いられるという現実なのだが、現状はそんな世の中らしい。

特殊清掃業者を選定して電話をかけた。
状況を説明すると、少なくとも20万円や30万円では済まないだろうとの事だった。
まずは現地見積が必要との事で、翌日夕方に現地見積を依頼する事となった。

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