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脳神経疾患で用いられる主な画像検査

こんにちは。ゆづまるらんどです。

脳神経疾患で用いられる主な画像検査

本日は、脳神経疾患で用いられることの多い主な画像検査について紹介します。

CTについて

まずはCTです。これは脳出血やくも膜下出血などの 出血生病変の鑑別 に用いられることの多い検査です。検査にかかる時間も短いため、脳卒中を疑う場合の第一選択としてCTが撮られることがほとんどではないでしょうか。

MRIについて

次に紹介するのがMRIです。MRIには さまざまな種類の画像があり、それぞれで鑑別できるものが異なります。その精度が高いが故に検査にかかる時間も20-30分と比較的長めです。ここではそれぞれどのような目的で画像を見るべきなのか、ポイントをかいつまんで説明していきます。

T1強調画像

まずはT1強調画像です。私が所属している病院ではあまり目にすることの多い画像ではありませんが、脳室が黒く描出され、また比較的画像が綺麗であることから、解剖学的特徴が把握しやすい という特徴があります。

T2強調画像

T2強調画像では、水分子 の量が画像に反映されるため、脳浮腫 などの病変検出に強い画像です。ただし、脳室が白く映るため、脳室周囲病変が判別しづらい というデメリットがあります。

拡散強調画像

拡散強調画像は水分子の拡散運動が反映されるため、超急性期の脳梗塞の検出が可能となります。ただし、新規梗塞を疑う場合にT2 shine throught に注意が必要なため、ADC map と合わせて画像を精読する必要があります。
拡散強調画像はT2強調画像の影響を受けることを考慮し、画像を確認する必要があります。T2では脳浮腫や脳梗塞になってからしばらく経過しても高信号で描出される箇所もあります。その場合、拡散強調画像においても高信号として描出されるため、梗塞巣の拡大や新規梗塞と見誤ってしまうこともあります。そこで登場するのが ADC map です。上記画像をみると拡散強調画像、T2ともに高信号で描出されている箇所がありますが、ADC mapでは変化がありません。この場合には新規梗塞ではないと判断することができます。
参考までに拡散強調画像でみた新規梗塞のご紹介。

FLAIR画像

FLAIR画像はとてもきれいな画像です。T2画像では脳室が白く描出されていましたが、T2画像の脳室を低信号として表した画像であり、T2強調画像の欠点であった 脳室周囲病変の検出 にも強いです。個人的にはT1強調画像とT2強調画像のメリットを合わせたのがFLAIRと考えていて、患者さんが救急搬送されてきた際には拡散強調画像とFLAIR画像の二つを優先的に見るようにしています。

T2*(スター)強調画像

T2*と書いて(ティーツースター)と読みます。T2*は 出血性病変の検出力が極めて高く、過去に発症した出血巣の確認や無症候性微小出血の検出に優れている画像です。rt-PA後や血栓回収療法,心原性脳塞栓症後などの出血性梗塞の有無などを把握するために用いることも多いです。

脳画像の選び方のまとめ

このように脳画像は数が多くどれを読み解けばいいのかわからなくて混乱をしてしまうかもしれませんが、スライドにまとめたように出血性病変を疑う場合にはCT超急性期の脳梗塞を把握したい場合には拡散強調画像(DWI)、解剖学的特徴などきれいな画像として脳の状態を把握したい場合にはFLAIRを選択するといいかもしれません。

脳血管を調べるための検査

ここからはこれらの血管を調べるための検査について説明していきます。
本記事での無料公開はここまでとなります。この先は3D-CTA、MRA、脳血管造影検査について簡単に説明しています。先が気になる方資料をダウンロードしたい方がいましたら、ぜひ覗いてみてくださいね。コメントも気軽にお待ちしております。

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2023.03.06

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