サネユキ

停滞と自虐となんかそのいい感じの言葉たち

サネユキ

停滞と自虐となんかそのいい感じの言葉たち

記事一覧

無題

死にたいと思う。 きっと本当の本当に試練に満ちた人生を歩む人々はこの世にごまんといるし、私は恵まれているし、弱いのだと自覚もしている。これは自虐でも、過小評価で…

サネユキ
1か月前

短歌─虹彩現象

. 長い夜を、眠れずにひとりで明かした。 ───── まばたきの隙間に滑り込む夜明け 脆いこころを拒絶するかに ぬるいだけの空気に甘やかされながら 自分の影をなぞ…

サネユキ
5か月前
3

よふかし短歌

あ、あ、マイクテス。 ───── 報われた気がした、夜明けが遠のいて 貴方はきっと36.8℃で 責め立てるように差し込む朝日から 逃げようきつく抱きしめあって 落ち葉…

サネユキ
9か月前
2

でぷれす短歌

日常が「しあわせ」であればあるほど、その残滓は色の濃さを増していく、という。 ──────── ターコイズブルーの瞳が融け出して世界がおわる前にさよなら 掴めな…

サネユキ
2年前
5

とけのこり短歌

ほぼ再録。 ──────── 夜の雪しずかに融かすマッチ棒 ねむる街路樹にきみを想う 身動きのひとつに油が足りなくて雁字搦めの身体に寒さ 怖いのだ静けき森の陽光…

サネユキ
2年前
2

くれどき短歌

苟且の愛なぞ要らない、なんて、強がりだよ。 ──────── イラストの天使は笑い僕はまた死に損なってきみに電話する でもきっと逃げきれないとわかってて月の光を…

サネユキ
2年前
5

すっから短歌

氷食症が治らない。 ──────── ぼくたちの鼓動の数は決まってて どきどきしよう、はやく死ぬため 仄白く夜に伸ばした指先で わたしを思い出してね、スピカ 破っ…

サネユキ
2年前
4

まちまち短歌

今になって寒さが本気を出してきた。やめて。 ──────── ビル風のぴいんと鳴いて振り返る もしか会えたりしないかなって しあわせになっちゃう前にさっさかと死…

サネユキ
2年前
8

ゆきの日の短歌

叩きつけるみたいに降ってきた。痛かった。幸せ ──────── 我儘も卑屈も愛もとろかしたスープ、あなたもひとくちどうぞ 不確定をタラレバ使わず信じ合うだけのぼ…

サネユキ
2年前
4

ひやひや短歌

炬燵に入ればいいものを、素足を膝に挟んで暖を取らんとする、愚かな人間。 ──────── あしたにはもう忘れてていいからさ ぼくらの墓を建てにいこうよ 叫んでも…

サネユキ
2年前
7

ぱらぱら短歌

言葉 雪と同じくらい軽くて脆かったらいいのになあ ──────── セオリーを知るたびことばを取りこぼし いつか呼吸もできなくなるの くるおしいほどの夕暮れ 花を…

サネユキ
2年前
5

おひさしぶりです

ずっとサボっててごめんなさ~~~~~い ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 乗合のあなたとわたし 名も知らなければ微笑みあって逸らす目 クロノスタシス 茶化した様な一瞬に 真冬…

サネユキ
2年前
7

短歌かもしれない

鬱々しやがってよ!わたし! ­­--­­--­­-- あのひとが笑うときだけアイボリー 原色よりもあざやかな毒 夜は更けるぬるい空気を吸い込んで 滔滔駄駄とよるは更けゆ…

サネユキ
3年前
9

さらさら短歌

暑くなってきましたね。半袖はそわそわする。 --- 薄紙を一枚一枚めくるよな わたしはそれを愛と呼ぶだけ ガムの味いまのぼくらの幸せのようで 噛むのをためらっちゃう…

サネユキ
3年前
6

うとうと短歌

そんなに眠気を誘わなくてもいいじゃん、春。 --- 鼻を抜け脳まで揺らす炭酸が あなたの声にすこし似ていた 芸術のためにわざわざふしあわせに なるひとたちを笑えない…

サネユキ
3年前
9

ひさびさ短歌

おひさしぶりです。 --- 刷毛の先撫でて隠した爪半月 おおかみおとこに成れないコバルト 代名詞ではなく名前で呼ばれては お湯の浸透圧が増してく 電話越し泣きじゃく…

サネユキ
3年前
5

無題

死にたいと思う。

きっと本当の本当に試練に満ちた人生を歩む人々はこの世にごまんといるし、私は恵まれているし、弱いのだと自覚もしている。これは自虐でも、過小評価でも、ましてや自己への卑下にも似たひねくれた気持ちなどでもない。ただ事実としてそうなのだと、私のこれは甘えであるのだと、理解している。

隣に眠る人の顔を見つめる。
この人は私が姿を消したら、泣くだろうか。

ひと月ほどではあるが、会ってい

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短歌─虹彩現象

短歌─虹彩現象

.

長い夜を、眠れずにひとりで明かした。

─────

まばたきの隙間に滑り込む夜明け
脆いこころを拒絶するかに

ぬるいだけの空気に甘やかされながら
自分の影をなぞる指先

ねえもしも君が死んだらこの歌は
二度と聴けない、そういう呪い

単語帳捲るみたいに
いきかたを再確認する 忘れてないよ

追憶はフイルムカメラに綴じたまま
薄膜層を越えてこないで

─────

解けない呪いを探すみたい

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よふかし短歌

よふかし短歌

あ、あ、マイクテス。

─────

報われた気がした、夜明けが遠のいて
貴方はきっと36.8℃で

責め立てるように差し込む朝日から
逃げようきつく抱きしめあって

落ち葉ではなくコンビニで商品を選び取るよに拐って欲しい

貴方との記憶はどれも甘すぎて
寝酒などにもなりやしないわ

イヤホンを忘れてきたから
街中でわたしの名前を呼べば気付くよ

─────

へたくそな言葉で、鼓膜を震わせた。

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でぷれす短歌

でぷれす短歌

日常が「しあわせ」であればあるほど、その残滓は色の濃さを増していく、という。

────────

ターコイズブルーの瞳が融け出して世界がおわる前にさよなら

掴めないならと見ぬふりした甘美なる痛み、まだ忘れられずに

死人みたいなビルの街きみが居たような気がした4番出口

どうかどうか迷える我等を救い給へ高潔なる君、出来ぬなら死ね

ねえ聞いてこの苦しいのがおわったらぼくら気球で海までゆくの

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とけのこり短歌

とけのこり短歌

ほぼ再録。

────────

夜の雪しずかに融かすマッチ棒 ねむる街路樹にきみを想う

身動きのひとつに油が足りなくて雁字搦めの身体に寒さ

怖いのだ静けき森の陽光が如くたおやぐ瞳のいろが

ひかる月映す流れは滔々と あなたに会って、すこし泣きたい

────────

さかむけを剥いちゃう日もある。

さようなら。

くれどき短歌

くれどき短歌

苟且の愛なぞ要らない、なんて、強がりだよ。

────────

イラストの天使は笑い僕はまた死に損なってきみに電話する

でもきっと逃げきれないとわかってて月の光を手でさえぎった

便箋を折ってハート型のシール、すぐに火を付け愛を葬る

呼吸すら忘れたいほど寒い朝だけきみの名をつぶやいてみた

────────

ビーカーから珈琲の滴が落ちるのだけ、ずっと見てた。

さようなら。

すっから短歌

すっから短歌

氷食症が治らない。

────────

ぼくたちの鼓動の数は決まってて
どきどきしよう、はやく死ぬため

仄白く夜に伸ばした指先で
わたしを思い出してね、スピカ

破ってもいいよ菓子袋みたいに
ふくらんじゃったきもちも全部

────────

爪が伸びる瞬間、が見たい。

さようなら。

まちまち短歌

まちまち短歌

今になって寒さが本気を出してきた。やめて。

────────

ビル風のぴいんと鳴いて振り返る
もしか会えたりしないかなって

しあわせになっちゃう前にさっさかと死ねばよかった、嘘だよごめん

思ったより嫌いなものの多いわたし
空集合の「好き」がふわふわ

視てるのか視られてるのか
槍のよう視線飛び交うパンオプティコン

低体温症で死にたい
そのままでほっておかれてイカロスになる

「ひさしぶり

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ゆきの日の短歌

ゆきの日の短歌

叩きつけるみたいに降ってきた。痛かった。幸せ

────────

我儘も卑屈も愛もとろかしたスープ、あなたもひとくちどうぞ

不確定をタラレバ使わず信じ合うだけのぼくらは幼子のよに

ご立派な屍衣を着たままに立ち尽くしては救いを待って

冬が好き。冬が嫌い。でも冬が好き。歌うみたいに握るきみの手

────────

青にひとさしの赤、でも紫じゃない、あの色はなに?

さようなら。

ひやひや短歌

ひやひや短歌

炬燵に入ればいいものを、素足を膝に挟んで暖を取らんとする、愚かな人間。

────────

あしたにはもう忘れてていいからさ
ぼくらの墓を建てにいこうよ

叫んでも無視して、もっと痛くして
そうされなくちゃ生きられないから

皮膚越しに摘んだ鎖骨
いとしさを抱き締めるのに足る骨密度

夜を更かす明日から逃げて夜を更かす
覚醒したまま夢をみていて

ゆびさきをわざと冷たく保つのは
こころにチャンネ

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ぱらぱら短歌

ぱらぱら短歌

言葉 雪と同じくらい軽くて脆かったらいいのになあ

────────

セオリーを知るたびことばを取りこぼし
いつか呼吸もできなくなるの

くるおしいほどの夕暮れ
花を孕む蔦のロープで首を吊りたい

道端に落ちた軍手をみつけては
ネバーランド、を、夢見てみたり

「わたし今日猫を見たのよ
わたしもう貴方と会わない
だから忘れて」

四人席通されぽつねん
三人分服のショッパーひろげて孤独

振り返っ

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おひさしぶりです

おひさしぶりです

ずっとサボっててごめんなさ~~~~~い

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

乗合のあなたとわたし
名も知らなければ微笑みあって逸らす目

クロノスタシス
茶化した様な一瞬に
真冬の海のような目をして

夜の雲どうしてむらさきいろなのか
手をつなぐあてもないくせしてさ

理由はなくいつも着けてるイヤカフを
あなたがいつか思い出せばいい

手の甲にためすチークで
血色感足していきてる振りをしている

隙のない貴

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短歌かもしれない

短歌かもしれない

鬱々しやがってよ!わたし!

­­--­­--­­--

あのひとが笑うときだけアイボリー
原色よりもあざやかな毒

夜は更けるぬるい空気を吸い込んで
滔滔駄駄とよるは更けゆく

コンビニで買った炭酸飲料の
結露が落ちる前にいこうか

砂浜に置けば飲み込まれる小指
このまま世界がわたしを食べて

忘却をもってあなたを殺しきろう
やさしい劇薬のみこむみたいに

あと一歩歩いたら死ぬ、から、はやく

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さらさら短歌

さらさら短歌

暑くなってきましたね。半袖はそわそわする。

---

薄紙を一枚一枚めくるよな
わたしはそれを愛と呼ぶだけ

ガムの味いまのぼくらの幸せのようで
噛むのをためらっちゃうね

ぼくが[Error]いなくなっ[Error]てもたぶん
あなた[Error]はだいじょ[Error]

踏切をすぎる電車のスカイブルー
きれいと死とはとなりどうしで

「暫くの間休みとさせていただきます」
水仙、夏が来るんだ

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うとうと短歌

うとうと短歌

そんなに眠気を誘わなくてもいいじゃん、春。

---

鼻を抜け脳まで揺らす炭酸が
あなたの声にすこし似ていた

芸術のためにわざわざふしあわせに
なるひとたちを笑えないのは

痛くてもいいよ棘ごと抱きしめた
こころと同じ大きさの薔薇

電源を落としたみたいなベランダで
夜風がホットコーヒー撫でる

---

さようなら。

ひさびさ短歌

ひさびさ短歌

おひさしぶりです。

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刷毛の先撫でて隠した爪半月
おおかみおとこに成れないコバルト

代名詞ではなく名前で呼ばれては
お湯の浸透圧が増してく

電話越し泣きじゃくるきみ
ねえ世界、わたしが魔王じゃなくてよかったね

午前二時届けアイワナビーフリー
霧と消えてく20デシベル

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今日は16℃までしか上がらなかったらしい。

さようなら。