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道の駅が今すごいことになっている!

今日は「道の駅」の話をします。

実は去年の今頃にも、道の駅のパワーアップについて「道の駅が今熱い!この20年間で数が2倍に」というコラムを書きました。

この中では、1993年にスタートした国土交通省の施策「道の駅」が単なる国道沿いの休憩所を超えて、コロナ禍でも数が増え、年商が億超えの儲かる道の駅がいくつも出てきた、という内容を紹介しました。

そして、先日の日経新聞の「ルポ迫真」というコーナーでも、4回連続して「沸騰 道の駅」という記事が掲載され、最新の道の駅事情が紹介されていました。今、道の駅がすごいことになっています。

その内容は

◯群馬県「道の駅 川場田園プラザ」
約6万平方メートルある敷地に飲食店、直売所が並ぶ地域の観光スポット
2019年度に200万人来場。これは遊園地「よみうりランド」に匹敵
ここだけで100人程度の雇用を創出

◯北海道遠軽町「道の駅 遠軽 森のオホーツク」
冬はスキー場、夏はサマーゲレンデやジップラインを併設
建物の2階で宿泊もできる

◯千葉県「道の駅 保田小学校」
廃校となった小学校を活用
旧教室には宿泊も可能、学校給食的な定食
2021年度には67万人来場
住民がラジオ体操をする場所にもなっている

◯熊本県南阿蘇村「道の駅 あそ望の郷くぎの」
車中泊ができる「RVパーク」が設置

◯北海道釧路市「道の駅 阿寒丹頂の里」
車中泊ができる「RVパーク」が設置

◯岡山県新見市「道の駅 鯉が窪」
野菜直売所、米粉パン店など地元の住民が利用する店も設置
隣接する建物に診療所、図書館、認定こども園がある
2022年5月にJAの支店が開設

◯長野県豊丘村「道の駅 南信州とよおか」
地域で一番大きな食料品店「マルシェ」
駐車場にコミュニティバスの発着所がある
年間90万人利用し、うち7,8割が地域住民
農産物を出品する登録者システムで月に10万円稼ぐ登録者も多い

◯神戸市「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」
レジャー施設でフルーツ狩り、遊園地、パターゴルフ場もある
初年度160万人来場、コロナ禍で減少したが、2021年度は110万人まで回復

◯福島県浪江町「道の駅 なみえ」
建物の屋根に太陽光パネル、裏手に小型の風車と水素燃料電池、電気自動車の充電器があり、再エネ普及に向けた実験場でもある

それから、こちらは朝日新聞夕刊の『建モノがたり』という建築紹介で紹介されていた道の駅です。

◯富山県「道の駅 雨晴」
富山湾雨晴海岸の国道沿いに建設された「船のような」道の駅は2階と3階が展望デッキになっており、目の前の浜と反対側には立山が望めて絶景。

どうですか、みなさん。
紹介されたところは一度行ってみたい、旅の目的地にしたい道の駅ばかりですよね。

道の駅はもはや単なる道路の休憩場ではないのですよね。
リピーターも多いとのことで、すでに「道の駅」を目的地にして、そこで滞在して帰るという利用者(地域住民、観光者両方)も多くいるとのことです。

確かに私も車で旅行に行くと、その地域の道の駅に必ず寄って、地場のお土産を買ったり、食事をしたりしています。

すでに車での旅行に「道の駅」は欠かせないものになっており、コロナ禍で車での移動が増えた昨今、利用者が増えているのもうなずけますね。道の駅はもともと国土交通省の事業として1993年にスタートし、地方自治体が「道の駅」を作るときには、確か、国から補助金が出たかと思います。

このように「道の駅」自体は行政のお金で開設できるわけです。
地方自治体も地域の観光者を増やしたり、地域の地場産品、農作物が売れて、地域の雇用が増えるのであれば、この「道の駅」事業は優先度が高いといえます。

もちろん、インフラ、舞台は行政が用意しますが、その舞台の上物をどう活用するかは、地域の事業者が知恵を絞るはずです。成功している道の駅はこうした役割が上手く回っているのだと思います。

国土交通省のウェブサイトをみてみると、道の駅の段階はステージ1から始まって、現在、ステージ3にあるそうです。ちなみにステージとは

ステージ1(1993年〜)通過する利用者のサービス提供の場
ステージ2(2013年〜)道の駅自体が目的地
ステージ3(2020年〜)地方創生、観光を加速する場

まさに今回のテーマ
「道の駅が地域の観光拠点(目的地)になる」
を国土交通省は2013年から仕掛けてきたのですね。目論見通り進んでいるのはさすがです。

国交省が仕掛けた道の駅公式ホームページというものがあり、そこを色々と見てみると、結構面白そうなトライアルをしているようです。

例えば「道の駅公式ブランド 道のいいもの」

中田英寿の「にほんもの」ブランドに似ていますが、現在、この「道のいいもの」ブランドとして
・野菜果物ながもち袋
・道の塩
が売り出されているようです。

各地域の自慢の品などが今後「道のいいもの」として登録されると、なかなか面白いですよね。

それから同じく道の駅公式ホームページの中で
「道ゆき」
というスマホアプリを宣伝していました。

こちらは地図のゼンリンと組んで開発したようですが、スマホで道の駅の訪問記録を地図上に残せる、道の駅マニアを狙ったアプリのようです。

機能として書かれているのは

1. 行きたい道の駅をチェック
2. 道の駅巡り旅を詳細に記録
3. 道の駅巡り旅の思い出を編集、共有

なかなか面白そうですよね。ただ残念ながら、無料お試しはありますが、利用料が年間2,640円かかるとあります。これはいただけないですね。
せめて、1と2は無料、3のアルバム作りなどを有料課金にすればよいと思うのですが。

それ以外にも各地域の道の駅はそれぞれイベントを行ったり、その地域ならではの企画を色々と繰り出しているようです。

そんな中で面白いと思ったのは、東北のいくつかの道の駅で、海外からのインバウンド客向けにレンタカー事業と組み合わせて、車での地域観光を促進するという企画もあるそうです。

以上、今回は道の駅について更なるブームがきていること、それを推進する国土交通省の動向などについて調べてみました。

各道の駅や国土交通省が更なるアイデアを色々と考えているようですが、「道の駅」ブランドは定着してきているし、我々一般人も道の駅に行けば食事をして、お土産などが購入できることが分かっているので、すでに結構良いポジションにあると思います。

また地域にとっても、税金を使って一定整備できる点が逆に民間のコスパを下げた良いビジネスモデルと思います。

一点だけ、ドライバーとしては、いつも夕方、旅の帰りに「道の駅」に寄ると既に閉まっていて、がっかりすることがよくあります。運用コストの問題はあると思いますが、せめてもう少し営業時間を長くしていただけると良いかなと思います。

それでは。

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