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【必見】日本ではなぜユニコーン企業が少ないのか?ユニコーン企業について。日本と世界の違いとは!!

こんにちは!PreVenture編集部です!

日本にユニコーン企業が他の国に比べて少ないことが問題視されています。実際に他の国では急速にユニコーン企業が増えています。コロナをきっかけにユニコーン企業が増えた国もあります。
しかし、日本はここまでユニコーン企業は他の国と比べるとほとんど増えていない状態が続いています。日本ではなぜユニコーン企業が少ないのでしょうか?ユニコーン企業が少ないことは問題なのでしょうか?今回は日本のユニコーン企業とエコシステムの関係について解説します。

ユニコーン企業とは

まずはユニコーン企業の定義を確認します。
ユニコーン企業とは、

・企業としての評価額が10億ドル(日本円にして約1,250億円以上
・設立10年以内の
・非上場ベンチャー企業

以上の条件を満たした企業を指します。

ユニコーン企業は、投資家やベンチャーキャピタルにとって将来的に莫大な利益をもたらす可能性があり、注目を集めています。ユニコーン企業は、特にアメリカ・中国で多く誕生しており日本では非常に少数というのが現状です。

世界のユニコーン企業の現状|先進国から発展途上国まで

日本発のユニコーン企業が非常に少数だということは前述した通りです。一方で、世界単位でみるとユニコーン企業は増加傾向にあります。

そこで、ここからは先進国から発展途上国まで世界のユニコーン企業の現状を紹介します。

アメリカ

世界に存在するユニコーン企業のうち、約半数を占めているのが自由の国アメリカの企業です。2022年3月時点における世界ユニコーン企業ランキングは、上位10社中5社をアメリカ企業が占めています。また、アメリカ全体でみても554社のユニコーン企業が存在しています。

アメリカでユニコーン企業が多く誕生する理由のひとつに、ベンチャーキャピタルの投資額が世界で最も多いことがあげられます。2021年におけるベンチャー投資額は約38兆円を超えており、有望なビジネスプランやサービス、優秀な人材に対して巨額の資金を投資することで、ベンチャー企業の加速度的な成長を手助けしています。日本の2021年のベンチャー投資額が約8,000億円なので、数十倍にも及びます。

アメリカには、有望なベンチャー企業は、投資家やベンチャーキャピタルから多額の投資を受けられるようなエコシステムが出来上がっていることで、「ストライプ(Stripe)」「スペースX(Space X)」などを代表とする多くのユニコーン企業が誕生しやすい傾向にあります。

中国

世界のユニコーン企業数で米国に次ぐ2位に位置するのが、中国です。ここ数年で急成長を遂げており、アジアだけでなく世界を牽引する企業が多く誕生しています。

特に、若者を中心に爆発的な人気を誇っている動画投稿SNS「TikTok」を運営するBytedanceは、2022年3月時点における世界ユニコーンランキングで、イーロン・マスク率いるスペースXやストライプを抑え、評価額で世界1位を誇っています。

さらにBytedanceは評価額1,000億ドルを超えるヘクトコーン企業となっています。その他、中国最大のソーシャルコマースプラットフォームであるXiaohongshu(日本語読み:しょうこうしょ)も15位にランクインしており、中国企業の台頭が目立っています。日本で馴染みのあるDiDiフードなどを展開する「Didi Chuxing」も中国のユニコーン企業であり、2010年代後半から現在にかけてアメリカを脅かす存在となっています。

インド

インドのEdTechスタートアップ企業であるBYJU's(バイジェーズ)も世界のユニコーン企業ランキング14位にランクインしています。

インド最大のオンライン学習プラットフォーム「Byju’s」では低価格で動画授業や教材、模擬テストといったコンテンツを提供しています。すでに21カ国に展開し利用者は1億5,000万人に上ります。世界的ヘッジファンドからの巨額の投資も受けており、2022年3月に4億ドル(約470億円)の大型投資を実施し、累計調達額は53億ドル(約6300億円)になりました。

インドでは、これまでGoogleAmazonなどアメリカの大手IT企業で働いていたインド人が帰国して起業する事例が増えており、政府もユニコーン企業創出のためのスタートアップ支援に力を注いでいることもインドでユニコーン企業が誕生する理由となっています。

2022年5月には、インドで累計100社目となるユニコーン企業が誕生。2021年から60社以上のユニコーン企業が誕生しており、成長著しい国のひとつです。特に、IT業界を引っ張っていくことが期待されており、インド初のサービスが日本に進出してくるのも時間の問題といえます。


インドのスタートアップについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください


イギリス

アメリカやインドに比べると少ないものの、イギリスでも着実にユニコーン企業は増加しています。ヨーロッパは、FinTech分野に強い企業が多く、クラウド基盤の決済サービスを提供するCheckout.comや金融アプリであるRevolut(レボリュート)も名だたるユニコーン企業に並んでランクインしています。

新規のスタートアップ数とスタートアップへの投資額も増加傾向にあり、FinTechだけでなくSDGs持続可能性を意識する新たなスタートアップ分野が成長しているのが特徴です。

少子高齢化社会の進む日本のロールモデルとして、日本がイギリスから学べる部分は多いのではないでしょうか。


東南アジア

意外かもしれませんが、東南アジアでもユニコーン企業が近年多く誕生しています。特に2021年には、20社が誕生しており、インドネシアのサプライチェーン・物流管理などを手掛けるJ&T Expressは、いまやインドネシアの貨物取扱数の3分の1程度を占めています。評価額は、200億ドル(約2兆5,550億円)にも及んでいます。

一方で、2億6000万人の人口を誇るインドネシアでも30%程度の人しか銀行口座を持っていない状況にあり、今後東南アジア諸国では、EC業界を中心としたテックサービスは成長が見込まれています。

既存の事業をデジタル化する動きも活発で、そんなニーズをくみ取った企業向けサービスのスタートアップが続々生まれています。東南アジアのベンチャー投資額も史上最高を記録しており、世界中の資本が東南アジアに集まってきています。

日本のユニコーン企業

ここまで世界各国の様子を確認しました。世界的にユニコーン企業は増加の一途を辿っているものの、日本企業は先進国では最低の数字を記録しています。

そこで、ここからは注目の日本のユニコーン企業を紹介します。

株式会社Preffered Networks

2022年3月時点で、日本スタートアップの最高評価額を記録しているのが、株式会社Preffered Networksです。

機械学習や深層学習のloT分野でも活用を中心とした研究・開発を行っており、交通システム、製造業、バイオ・ヘルスケアの3つの事業領域を軸に展開しています。

適応領域を拡大しており、多くのプロジェクトを同時進行で進めています。エッジヘビーコンピューティングの技術で様々な領域でイノベーションを実現しています。

株式会社SmartHR

クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供している株式会社SmartHRは、これまで複雑でアナログであった人事や労務の仕事をシンプルかつ効率的にするサービスを展開しています。

1,731億円の評価額からも期待の高さが伺えます。人事や労務の手続きをペーパーレス化し、データを一元管理することで、労働者の生産性向上にひと役買っています。

株式会社TBM(ティービーエム)

最近、最も注目を集めている日本のユニコーン企業に、「LIMEX」を生産する株式会社TBMがあります。「LIMEX」とは、石灰石を原料にプラスチックや紙の代替となる素材のことです。評価額1,336億円にも及ぶ株式会社TBMは、SDGsやサステナビリティ社会を象徴する企業となっています。

環境負荷などの観点が高まる現代において、環境配慮型の素材および製品の開発でサステナビリティ革命を起こすことを目標としています。

その他、日本にも10社ほどユニコーン企業が存在しています。

なぜ、日本はユニコーン企業が少ないのか

日本企業が世界を席巻していた数十年前に比べ、世界は大きく変わりました。アメリカや中国ではユニコーン企業が多く誕生するのに対し、日本はユニコーン企業の波に乗り遅れた形になっています。

ここから、日本でユニコーン企業が少ない理由に迫っていきます。

上場が主な資金調達になっている

日本でユニコーン企業が少ない理由の1つ目は、日本市場では上場が資金調達の最適な方法と考えられていたことです。もちろん上場することで多くの資金調達が実現できるのも事実です。株式の流動性社会的な信頼が得られることも上場のメリットです。

一方で、経営の自由度が下がったり経営判断のスピードが落ちるなどデメリットも存在します。また、上場企業は自社の成長よりも株主の利益を優先する傾向にあります。そのため、上場後企業をさらに成長させるといった動きも見られにくくなります。

日本は上場しやすい市場とされ、上場の基準が世界的に低い国です。そのため、上場を選択する企業が多く、ユニコーン企業にまで成長する企業が少なかった、または上場後ユニコーン企業規模に成長したが、ユニコーン企業として扱われない企業も存在します。

ベンチャーキャピタルが少ない

そして、ベンチャー/スタートアップ企業が資金調達手段として上場を選択する背景には
日本のベンチャーキャピタルが少ないことがあげられます。上場以外に資金調達の手段が低いことは、ユニコーン企業の少なさと関係しています。

実際に、日本全体でのベンチャーキャピタルの数は、2018年までで202社ほどであり、増加してはいるもののアメリカなどと比べるとベンチャーキャピタル自体が少ない状況です。

また、一つひとつのベンチャーキャピタルが扱う金額も大きく異なり、世界で最もユニコーン企業が誕生しているアメリカと比べると、ベンチャーキャピタルの投資額は約1/50。2021年に、8,000億円超えを果たしたものの、ユニコーン企業を誕生させるにはもっと多くの資金が必要とされています。

起業家もベンチャーキャピタルから投資を受けるハードルが高いことを懸念しており、上場したほうが手軽に資金調達できるため、選択肢から排除されているのです。

市場の大きさ

母国市場の大きさもユニコーン企業の数に影響を及ぼしていると考えられます。アメリカや中国などは、国内である程度のシェア拡大を図ることで、海外展開や新規事業のための十分な資本を手にすることができます。顕著な例として、Facebookから社名を変更したMetaも売上の約50%は北米からもたらされています。

中国のユニコーン企業もほとんどが、国内市場で莫大な利益をあげており、国内市場の大きさはユニコーン企業に大きな影響を与えています。日本では、少子高齢化とともに人口減少が進み、国内で少ないパイを奪い合う状況が続いています。

ユニコーン企業が少ないことによる影響は?

そもそも、ユニコーン企業が少ないことは問題なのでしょうか?とにかく時価総額1,000億円以上の未上場企業をつくることが正義ではありません。

ユニコーン企業を誕生させることが目的なのではなく、社会に良い影響、インパクトを及ぼす企業を後押しするエコシステムが大切です。

ユニコーン企業が多く誕生すれば、雇用機会の創出など日本経済への貢献が期待されています。

アメリカと日本のスタートアップエコシステムが比較されますが、日本とアメリカのエコシステムは大きく異なり、アメリカを真似する必要はありません。日本経済が停滞している今だからこそ、ベンチャー企業が数多く誕生し新たな成長の糧となることが期待されています。

ユニコーン企業のメリット

ここからは、起業家の視点からユニコーン企業になるメリットはあるのかを考えていきます。

新しいビジネスモデル

従来にはない、新しいビジネスモデルを生み出したいと考えている方にユニコーン企業になるメリットがあります。上場せずに資金調達を行うことで、株主の意向に左右されず迅速かつ思い切った経営判断ができます。

多くの株主を抱え、新しいビジネスモデルに挑むことは非常に困難です。株主を納得させ、短期的な結果も求められるため、新しいビジネスモデルで挑戦したいなら、ユニコーン企業を目指すメリットがあります。


グローバル市場でシェアを獲得できる

世界中から投資が集まるアメリカや国全体でベンチャー企業を支援している中国に比べると日本国内の投資金額は圧倒的に不足しています。海外展開を考える場合や競合に追いつかれないように差をつけるためには、市場でのシェア率の確保は必須です。

そのためには、多額の資金が必要となり、迅速に資金を集めなければいけません。そうした場合には、上場や融資といった選択肢では拡大スピードが大幅に落ちてしまいます。

ユニコーン企業となれば、世界中から資金が集まるため迅速な資金調達から事業拡大が見込めるのがメリットです。

世界のビック企業から投資を受けられる

日本市場で上場しても、ほとんどが日本国内のベンチャーキャピタルや投資家です。一方で、ユニコーン企業は、世界中のベンチャーキャピタル投資家から常に注目を集めています。

将来性のある事業だと判断されれば、数十億数百億円が動きます。そのため、ユニコーン企業になれば、世界中から投資を受けられることで一度に多くの資金調達をすることが容易になります。

東南アジアなどでユニコーン企業が増加しているのも多くの海外資本が流入していることがベンチャー企業の成長を大きく助けています。

今後ユニコーン企業を増やすためには

2020年に閣議決定した「成長戦略フォローアップ」では、2025年度までに企業価値または時価総額が10億ドル以上のユニコーン企業または上場ベンチャー企業を50社創出することを目標としています。

日本政府も力を入れてユニコーン企業を生み出そうと考えており、日本のスタートアップ業界も盛り上がりを見せています。それと同時に、日本人のマインド面での改善も重要な観点でしょう。

起業家が失敗したとしても再チャレンジを許容する文化や失敗経験が評価されるといった事例が増えていけば、必然と起業する人材が増え、日本からもユニコーン企業が誕生することでしょう。

また、起業家だけでなく、それを支援するベンチャーキャピタルも増やす必要があります。上場せずに、資金調達するメリットは前述した通りですが、グローバルで戦っていくためにはベンチャーキャピタルからの投資は必要不可欠です。

起業家が増え、起業家を支えるベンチャーキャピタルが増えることで日本からユニコーン企業が創出される未来もそう遠くないことでしょう。

最後に。。。

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