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【急成長】インドのスタートアップ市場の特徴とは!!インドのスタートアップ市場で何があったのか!!1年で42社のユニコーン企業が誕生!?

こんにちは!PreVenture編集部です!

スタートアップ界隈では、ユニコーン企業数は重要な指標の一つになっています。そして、そのスタートアップ数で注目を集めているのがインドです。
インドのスタートアップ市場はここ数年で急激に成長。ユニコーン企業数は世界第3位にまで上り詰めました。また、スタートアップへの投資額も年々上昇。その規模も日本を大きく上回っています。
今回はそんなインドのスタートアップ市場の様子やユニコーン企業の特徴をご紹介します!

インドのスタートアップ市場について

まずはインドのスタートアップ市場について確認します。

概略

経済産業省の調査では、2018年の調達総額は189億米ドルに達しました。2012年から2018年にかけて調達総額の年平均成長率60%でした。2016年で一時落ち込むも、その後さらに成長しています。また、アーリーステージにおける年平均成長率は31%ですが、レイタ―ステージの年平均成長率65%と、スタートアップ市場の成長を大きく牽引しています。

さらにインドのスタートアップ市場はコロナ禍で急速に成長しました。

2021年のスタートアップ投資額は4兆8億円を記録。過去3年間の累計調達額を大きく上回る結果となりました。この数字は前年比の約3倍の数字です。また、投資件数は1,583件と、前年比166%増加するなどコロナ禍でも盛り上がりを見せました。。

海外資本が一気に集中する

インドのスタートアップがここまでの盛り上がった理由の一つに海外資本の影響があります。特に、インドのスタートアップ市場のポテンシャルに注目が集まり、スタートアップへの投資や買収などが相次いだことが、インドのスタートアップ市場の初速を牽引したと考えられています。

2016年に一時的に投資額が落ち込んだのは、海外資本による投資が一時落ち着いたことが原因とされています。

海外資本が一気に集中し、インドスタートアップ市場の初期段階の拡大を牽引したことが、インドのスタートアップ市場の根底を支えています。インドのスタートアップは海外資本による投資M&Aを通じて成長しています。


欧米企業の受託事業から成長

インドと欧米企業は今も強く結びついています。インドにスタートアップ企業が増える以前は欧米企業の受託業務を中心にエコシステムが成立していました。インドは人口も多く、優秀なエンジニアが多く存在しています。

そのため、欧米企業にとってもインドとの繋がりは非常に重要です。実際に、欧米のテック企業のトップ層にインド出身の人材が就くこともよく見られます。

幅広いスタートアップによる資金調達

インドのスタートアップ市場では、一部の強力なユニコーン企業が調達額の多くを占めているのではなく、アリーステージからレイタ―ステージまで幅広いスタートアップ企業が資金調達を実施している特徴があります。

アーリーステージでも資金調達が多く見られる背景には、エンジェル投資家などの存在とリスクマネーの十分な流通が見られます。ラウンドの壁がインドのスタートアップ市場には存在せず、どのラウンドでも資金調達が実施しやすい環境が整っています。

また、スタートアップ市場の成長に伴い、調達件数はアーリーステージとレイタ―ステージどちらも成長しています。レイタ―ステージでの調達額の拡大は顕著で、まだまだユニコーン企業になるポテンシャルを持った企業が多く存在していることが予想されます。


M&Aが主流。IPOは新しい手段

インドではM&A市場が先行して成熟しており、IPOによる上場はまだまだ未熟です。
インドのM&Aマーケットは世界でもトップクラスです。グローバル大手企業や、国内の財閥グループ、ユニコーン企業など買い手の層が非常に厚くなっています。

また、M&Aの規模も大きく、最大規模はFlipcartが米国ウォルマートに2兆円での買収です。他にも100億円規模のM&Aが相次いでいます。

一方でIPOはまだまだ未熟とされています。これまで、インドの上場市場は整備されておらず、アメリカ市場に進出することが一般的でした。最近になって国内の証券取引所に上場するケースも見られるようになっています。

インドのスタートアップの特徴

次にインドのスタートアップの特徴を見ていきましょう。

ユニコーン企業が急増

インドのスタートアップ市場では、ユニコーン企業が急増しています。
2021年にはインド発のユニコーン企業が64社になりました。
また、2021年以降もユニコーン企業は増加しています。

そして最近注目を集めたのが、インド版Thrasio(セラシオ)を運営する「Mensa Brands」です。

Mensa Brandsは事業開始から6か月でユニコーン企業となりました。一般的にユニコーン企業となるには時間がかかるとされています。しかし、Mensa Brandsは半年という異例のスピードでユニコーン企業となりました。

Mensa Brandsはネット上でブランドを展開する企業を買収し、ビジネスをスケールすることで収益を得ます。このビジネスモデルは、アメリカのThrasio(セラシオ)がすでに成功しています。

このように、他の国で成功したビジネスモデルを国内に向けて展開することもインドでは多く見られます。他にも、フードデリバリーやフィンテック、製造業などがあり、インドには国内に大きなマーケットがあるので、成功事例のあるビジネスモデルはインド国内でも成功する傾向にあります。

注目セクター

ここで、インドのスタートアップ市場で注目のセクターをご紹介します!

EC/D2Cでユニコーン企業数が最も多い

インドのユニコーン企業が最も多いセクターが、EC/D2C領域です。ECについては、法人向けのサービスと個人向けのサービスが見られます。

同セクター内で最も評価額が高いのが、法人向けECを運営する「OfBusiness」です。OfBusinessは、製造業向けに金属、化学品、建築資材などの工業製品を販売しています。

さらに、個人向けのECも増えています。これまで、インドのECはアメリカの企業が牽引してきました。しかし、最近インドの発のECスタートアップも増加しており競争が激化しています。

その背景には、インド国内の消費者ニーズに大きな変化があることが考えられます。
インドでは近年、都市部に住む上位中間層を中心に食文化の多様化や進んでいます。また、富裕層による高額消費も増加しています。また、コロナ禍以降は健康志向が高まり、新しい食品の消費トレンドが生まれています。

次いでフィンテック領域でユニコーン企業が増加

インドのフィンテック市場は他の国と比較しても成熟しています。

インド最大のデジタル決済サービスの「Paytm」は2014年に評価額160億ドル(約1兆7,000億円になり、ユニコーン企業となりました。2021年初頭には、ユニコーン企業34社のうち9社がフィンテック企業でした。

インドは早い段階から国を挙げてデジタル決済を進めてきました。国民の中に銀行の口座を開設できない層が多く存在したからです。そのため、国民の中でも電子決済が普及しています。

インドでユニコーンが増えた理由

ここまで、インドのスタートアップ市場の様子や、スタートアップ企業の特徴を見てきました!ここからは、インドでユニコーン企業が増えた背景について確認します!

モバイルインターネット人口の増加

インドではもともと都市に住む裕福な一部の層しかモバイルインターネットを所有出来ませんでした。しかし、リライアンス・ジオ(Reliance Jio)社が2016年に世界最安4Gサービスを開始したことをきっかけに、多くの国民がインターネットにアクセスできるようになりました。モバイルインターネットの人口が増加したことで、アプリケーションやソフトウェアの使用する場面が増えユーザー数が大きく伸びました。

電子決済の浸透

次に電子決済の浸透です。インド政府は2009年にアドハーと呼ばれる固有認識番号(UID)と、2016年にUPI(統合決済インターフェース)を導入しました。これにより、電子決済のインフラが整い、銀行口座を持たない国民低コストの電子決済を行えるようになりました。

また、インド政府は高額紙幣の発行を廃止し、このことが電子決済の普及を後押ししました。小額紙幣しか流通していないため、高額な取引は電子決済で行われています。

エンジェル投資家が多数

またインドには、エンジェル投資家が多く存在しており、シード・アーリーでも投資資金が回りやすい特徴があります。スタートアップに投資する層が一般的なVCや投資機関だけにとどまらず、財閥や、ソフトウェア大企業のトップなども積極的に投資をすることが、インドのユニコーン企業増加に繋がっています。

米国帰国組と質の高い地場人材

インドには米国に留学し米国テクノロジーの大企業で働いた後、帰国しスタートアップ企業で活躍する例が多く見られています。米国のトップの企業での経験が、インドのスタートアップで活かされています。このように、経営に関する能力や経験値が高い人材が多く、経営レベルが非常に高いスタートアップが揃っています。

また、インドのトップであるインドのトップ大学である IIT(インド工科大学)や IIM(インド経営大学院)を卒業した起業家など、テック分野に優れた人材も多く排出しています。

このような環境もインドのユニコーン企業を後押ししています。

コロナ禍によりデジタル化が加速

最後にコロナ禍でのデジタル化の加速です。これは日本でも見られましたが、インドでも同じような傾向が見られました。パンデミックにより生れたニーズをいち早くキャッチし、成長したスタートアップがインドでは多く見られました。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は「インドのスタートアップ事情」についてまとめました。ユニコーン企業数が、アメリカ・中国についで世界3位にまで増え、スタートアップエコシステムは成長を続けています。その背景には、圧倒的な人口規模や、欧米諸国との繋がり、政府による電子決済の普及などがありました。

インドのスタートアップ市場の今後に注目です。

最後に。。。

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