見出し画像

アラサー女子が三十路過ぎてから生まれて初めてプロポーズされて子供もできたけど、それでも結婚したくない2つの理由

アラサーっつーか、もう34です。来年はアラフォーです。

35になると高齢出産のレッテルが貼られるし、途端に様々なリスクが高まるという事実を知っていたので、「とりあえず子供作ってみよっか」といって先に子供を望んでみたところ、運良く順調に授かることができました。

両親や会社の上司同僚に「実は子供ができまして...」と報告する度に、「おめでとう!...あれ、結婚してたっけ?」という疑問をいただいております。

ハイ、しておりません。。

アラサーもアラサー、崖っぷち女子が、せっかく「結婚しよう」と言ってくれる奇特な男を捕まえたというのに、未だに私は結婚したくなくて仕方がない。

その理由は、2つ。

1. "結婚"に対する昔からの違和感が拭えないから
2. "結婚=女性が名字を変える"ことは女性差別であると感じるから

この2つの理由により、私は「結婚しよう」「そうですね」と言って世間一般の男女のようにスムースに結婚することができないのです。



1. "結婚"に対する昔からの違和感

昔から、ずっと疑問だった。

なぜ、世間の人々は皆結婚していくのか。

あの人もこの人も。みんな何も疑問を持たず、おかしいとも思わず、適齢期を過ぎ、気の合う異性と出会ったら、結婚していく。
もしくは、適齢期にも関わらず、結婚していないと、「どうして結婚しないの?」とか「そろそろ結婚したら?」と聞かれる。
すなわち、そこそこの年齢になる=結婚する、という図式を共通概念として持っている。
それが、不思議でならなかった。

なぜ、結婚しなければいけないのか。

なぜ、それが20-30くらいの年齢で、異性でなければならないのか。

その共通概念が無ければ、結婚なんてしない人もいるのでは?"結婚するのが普通"と思っているから、結婚するのではないか?
"結婚しないとおかしい"と思われるから、結婚するのではないか?

そんな違和感を十代の頃からずっと抱えていた。

二十代になって、自分が所謂"適齢期"になったら、こんな違和感も消えて自然に結婚するのかな、と淡い期待を持っていた時期もあったが、やはりこの違和感は消えることがなかった。

友人の結婚式にも幾度となく参加したが、心の底から祝福はしつつも、羨ましいと思ったことは一度もなかった。



2. "結婚=女性が名字を変える"は女性差別

日本の女性は、何の疑問も持たずに、結婚し、自分の名字を男性の名字に変更する。実に96%もの女性が男性側の姓に変更するのだ。(Wikipedia「夫婦別姓」より数値引用)

私はこれを、女性差別だと感じます。

「おいおい、そりゃ考え過ぎでしょw」
って思う方、多くいらっしゃると思います。その批判は最もで、差別というのは、本人も差別されていると気が付かないことがほとんどで、気が付くものはすぐに注意改善できるので差別ではないのです。

では、なぜ差別だと思うのか?

まずはWikipediaの"夫婦別姓"のページをご覧いただきたい。

各国の夫婦の姓の在り方について記述されており、本文はかなり長い。が、読んでいただきたいのは一番上の"概要"部分。

「2014年時点で、法的に夫婦同姓と規定されている国家は日本のみとなっている」

重要なのでもう一度言います。

「2014年時点で、法的に夫婦同姓と規定されている国家は日本のみとなっている」

つまり、夫婦同姓が法律で義務付けられているのは日本のみなのです。

この広い地球上、196の国があり約73億人の人がいる中で、夫婦が同姓でなければ結婚を認めない国は、ただひとつ、日本だけ。日本人である、私たちだけ。

そして、夫婦が同姓でないとならない、と法律で定められ、96%の人が男性姓を選択する。何も考えずに。

私はこれを差別だと考えます。

なぜならば、姓を変えた場合、結婚したということが仕事関係の方に知られてしまう。
本来仕事とは、プライベートとは切り離した独立の関係を構築すべきであり、過度にプライベートを持ち込むものではないと考えます。例えば、お付き合いしている方と別れても、それはいちいち会社や取引先には報告しないですよね?

でも、結婚して姓を変えると、それが強制的になされます。

今は別姓でも通せる時代じゃない?と言われることもありますが、正式文書は戸籍姓でなくてはなりません。別姓で通せるのは、いち一般社員で責任のあまりない立場の方までです。

自分の名前で仕事を切り開いてきて、責任ある立場に立ち、法的文書を作成し捺印する機会のある私には、姓の変更は即ち結婚したことを周囲に知らせることになり、仕事にプライベートを持ち込む行為に当たります。

このような葛藤を抱えた方を取材した良記事がありましたので、イマイチ理解できない、という方はこちらをご覧ください。
・クローズアップ現代「家族の名字 どう考えますか? ~“夫婦別姓”のゆくえ~」
・NIKKEI STYLE「新姓・旧姓、職場で使うのは? 旧姓派も4分の1」


国際化の時代だし、女性の社会進出も進んできているから、夫婦別姓も時間の問題じゃない?と思っていた矢先の2015年12月、最高裁にて夫婦別姓を否決する判決を下されました。

・時論公論 「"夫婦同姓は合憲" 最高裁判決」

上記記事を読むに、判決自体も非常に悩みながらのものだったことが推測できますが、法律は法律、これで日本はまたしばらくは夫婦同姓が合法とされることに消極的決定がされてしまいました。

もう、日本人やめよっかな。

そう思うくらい、この判決には絶望したし、夫婦同姓を指示する時代遅れでガラパゴスの日本人に失望しました。
これで女性活躍とかちゃんちゃらおかしーよ。女性が強制的に名字を変えさせられる法律の基で、どうやって活躍しろっていうのさ。

そんな中、国連が素晴らしい声明を出してくれたので、私はこれを全面的に支持しようと思います。

・「男女が同じ選択肢を」 夫婦同姓、国連は改善勧告

また、直近では(2017年11月9日)、"働き方改革"で有名で、且つ実名は妻姓、仕事上は旧姓を使用しているサイボウズ青野社長が国を相手取り提訴しました。

・夫婦別姓訴訟 「生き方選ばせてほしい」サイボウズ社長

2015年の敗訴があるので、もう暫くは何も変わらないんだろうな...と思っていたので、このニュースは非常に嬉しかったです。便乗したいくらい!


              *   *   *


で、結局、結婚(入籍)するの?

パートナーと二人で、書籍を読んだり、知り合いの弁護士に軽く相談してみたり、事実婚の友人に相談してみたりして、情報を集め、私たちにとってベストな方法を何度も話し合いました。

そして、入籍し、私がパートナー(男性)の姓に変更することで最終的に合意しました。

なぜならば、現在の日本の法律では、事実婚や別姓を貫くには不都合なことが多過ぎる。

それが、弁護士に相談したり、自分で法律や事例を勉強して感じたことです。
それくらい、やはり国民にとって法律とは重要な存在なのです。

けど、本当に、心の底から、姓を変えるのが嫌過ぎる。

でも、この先の二人の未来、そして生まれてくる子供のことを想って。
私がこの気持ちを押し殺して、耐えていこうと思います。

...きっと、変更された自分の姓を見る度に、悔しさが込み上げるんだろうな。
好きで女性に生まれたわけじゃないのに。好きで姓を変更したわけじゃないのに。
何で私は、両親が一生懸命考えて付けてくれた名前を一生使って生きていくことが許されないんだろう。

そして何よりも悲しいのが、この気持ちをわかってもらえないこと。

どうか、自分の与えられた環境以外にも目を向けてください。
どうか、常識と呼ばれているものを疑ってみることもしてください。
こんな考えを持った人もいるんだってこと。
共感はしてもらえなくてもいい、でも否定しないで欲しい。そんなのおかしいって、言わないで欲しい。

人は、もっと自由でいて良いのではと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?