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学び舎の思ひ出

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夜明けの牛丼

夜明けの牛丼

締切明け、まず何食べる?

学生時代の私は、学内の食堂で配布する冊子を編集するサークルにいた。
月刊誌であり、締切は毎月やってくる。
毎月第2土曜日は「集中作業」、通称「集中」。
(なぜか「シューチュー」のイントネーションは「ニャンちゅう」。)
この日は朝10時から校了するまで、部室に詰め通し。
「校了するまで帰れま10」である。

もう一昔前の12月第2土曜日。
この年の1月号は、地獄の作業だっ

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元・阿呆学生の戯言と自己受容

元・阿呆学生の戯言と自己受容

我ら元・阿呆学生のバイブルが課題図書とあらば、もう万難を排して記事を書かねばならぬ。恋人が泣き縋ろうが、上司が怒鳴り込もうが、この任務の前には些末なことだ。だが、いささか見るに堪えない。
責任者はどこか。ここだ。

森見登美彦『四畳半神話大系』(KADOKAWA)

我こそは吉田神社の麓で無為な時を過ごし、鴨川デルタで友と日本酒の一升瓶をあけ、下鴨神社の古本市を闊歩し日々を過ごした阿呆である。

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ちょっとした奇跡

ちょっとした奇跡

12年の時と500kmの距離を超え、元・阿呆学生に答案が返却された。
ただそれだけの話。

ある日の昼下がり、会社デスクの内線が鳴った。
「2008年当時に1回生で、一般教養科目を受講していたぞんびさんを探している教授から連絡がきています」
たしかに、身に覚えはある。しかし今更何だろう。「あのとき教室の最前列で船をこいでいたな、単位剥奪だ」などと言われても困る。

さような非道な仕打ちをなさるわけ

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