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PERSOLグループが目指す未来:人材サービスのITを支える“グループソリューション統括部”の役割とは?

労働力人口の減少により、慢性的な人手不足や経済規模の縮小が現代日本社会の課題となっています。人材サービスを提供するPERSOLグループは『中期経営計画2023』でテクノロジー領域への投資に重点的に取り組むと発表しました。

今回お話を伺うのは、グループソリューション統括部 統括部長の原山智宏さん。PERSOLグループ専門の開発組織として、Webサービスの企画・開発立ち上げ〜保守までをワンストップで担う彼らは、グループ全体の戦略を受けてどのような道を歩んでいくのか。

人材業界を取り巻く現状や統括部の取り組みを教えていただきました。

グループソリューション統括部 統括部長

原山 智宏さん
2005年10月、インテリジェンス(現パーソルキャリア)と経営統合したITマーケティングソリューションズに入社。その後、インテリジェンスの事業を一部分離・独立させ、2006年8月にパーソルプロセス&テクノロジーの前身であるインテリジェンスビジネスソリューションズに参画した。さまざまなプロジェクトを牽引、事業の立ち上げを経験後、2019年度よりグループソリューション統括部 統括部長に着任。PERSOLグループ向けのシステム開発組織を統合、運営している。
プライベートでは、二児の父。休日の過ごし方は、もっぱら家族サービスの優しいお父さん。

PERSOLグループの業務課題、事業成長をITの力で支援する

ーーPERSOLグループの一社として、パーソルプロセス&テクノロジー(以下、パーソルP&T)には、どんな役割やミッションがあるのでしょうか?

パーソルP&Tとしては、PERSOLグループの業務課題を業務コンサルティング、システム開発、業務OSの3軸によって改善する役割を担っています。その範囲を広げることが、グループ各社の業務課題を減らし、事業拡大の貢献につながるのです。

その中でもグループソリューション統括部は、PERSOLグループ専門のシステム開発組織。PERSOLグループ、ならびにパーソルP&Tの中長期的な事業成長の為に「洗練されたIT技術により、安定的×先進的なシステムの開発知見を広範囲に提供し続けること」をミッションとして掲げています。

さまざまな戦略や企画の立案に合わせて、日次や月次の短期的な取り組みは多少変わりますが、中長期的にはこのミッションに尽きますね。

△ITの力で日々の業務を下支えし、事業拡大を加速させる

ーーなるほど。原山さんは、統括部長としてどのような役割を持たれているんでしょうか?

基本的には、統括部全体の役割に等しいと考えています。強いて言えば、部門のマネジャー・部長陣と連携して少し先の未来を決めるところでしょうか。

部門のマネジャーや部長たちは、1〜3年の少し長めの期間でプロジェクトの成果や結果を追いかけてくれています。

彼らと連携しながら、私自身はもう少し短期的な期間でのプロジェクトの成果等も日々追いかけつつ、短期と中期の成果を取りまとめる。そうすることで、3年先から5年先のもう少し長い期間での戦略や方向性を議論したり、定める役割を持っています。

売り上げ規模、社員数ともに1.3倍。拡大し続ける組織

ーー原山さんには、2019年にグループソリューション統括部について教えていただきました。この3年間を振り返って、組織にはどんな変化がありましたか?

3年前の2019年度と現在(2021年度末)で比較すると、売上規模、社員数共に1.3倍の成長を遂げており、グループの取引個社、機能組織数も6から12まで拡大しています。

組織構成も2019年度の着任時の3部門から4部門になりました。2019〜2022年度は、IT投資の増加やパーソルテンプスタッフの拡大に合わせて、組織を変化させています。

組織が拡大すると、スパン・オブ・コントロール(※1)の必要がでてきますよね。そこで、パーソルテンプスタッフ向けの部門を2部門編成にしたりしてきました。

※1:マネジャー1人が直接管理している部下の人数や業務領域のこと

※各部のゼネラルマネジャーの記事はこちらから

ーー部門を拡大させる際には、どのような観点を重要視しているんでしょう?

外販を推進している組織であればマーケットを意識し、ニーズや技術に合わせて組織を構成していくのが一般的ですよね。

しかし、我々が担うのはPERSOLグループのシステム開発。技術や開発手法を起点とするのではなく、各事業側の目的や意思に添えることが重要です。そのため、顧客ごとに部門を構えて「顧客に寄り添うための組織編成をしていくべき」という思想を大切にしています。

また、来期以降はもう少し部門を細分化する予定です。現在はその土台を作るための過渡期とも言えます。組織を細分化すれば、一つひとつの部門の意思決定スピードが上がるなどのメリットがありますが、縦割り型の組織にもなりがち。そうならないために、横断的な戦略機能を統括部内に作ろうという取り組みを現在進行中です。

ーーより貢献性の高い組織への変化が期待できますね。この3年間で組織として不変だと感じる点はありますか?

PERSOLグループの事業成長、業務課題の解決を、ITによって支援していくという組織のミッションは不変です。しかしながら、グループ内でのIT需要が高まる中で、我々の組織が提供できるITサ-ビスの質・量ともに不十分であるという状況もまた変わっていません。

ホールディングスのIT投資の強化速度の速さに対応すべく、過去3年もこの先3年も採用、育成・教育、そして投資。さまざまな角度から継続的な組織強化の施策を打っていかねばならないと考えています。

人材業界へのテクノロジー投資で描く「雇用の未来」

労働力人口の減少によって、ますます“はたらく”価値は上がっていくでしょう。

一人当たりの労働力の価値が上がると、より個人の意思や環境が尊重されることになります。はたらき方や個人の考え方、自由の尊重。海外に比べると、日本のダイバーシティ(※2)経営は遅れをとっているのが現状ですが、今後は加速していくと思いますし、そうでなくてはなりません。

我々は、雇用創出や企業と人の出会いを創出するという観点で、大きな価値を提供したいと考えています。グループ各社はそのサービスの向上・拡大に向け、現有システムのデータを利活用する為にシステム改修や新たなサービス開発を継続的に続けていくでしょう。

※2:多様性。集団において年齢、性別、人種、宗教、趣味嗜好などさまざまな属性の人が集まった状態のこと

△新しいはたらき方や雇用創出をテクノロジーの利活用を武器に展開

ーーITの需要拡大を考えると、グループ全体の中長期戦略にパーソルP&Tの存在が不可欠に感じますね。グループソリューション統括部としては、どのように動いていくのでしょう?

『中期経営戦略2023』の目標達成に向けて、2021年から2022年まで活動してきました。2023年4月からは新しい期を迎えます。

そのため、ホールディングス各社は来期以降の中期戦略・計画をアップデートしている真っ最中です。我々も同様に、この上期にグループソリューション統括部としての中期戦略の骨子を固めていきます。

我々のクライアントでもある各社との情報交換や意見を交わしながら、いかにしてパーソルP&Tの爪痕を残すか。文字通り「パーソルP&Tの存在を不可欠なものにする」というのが今期の大きなテーマです。

下期には、各社との意見交換を踏まえて、具体的な施策や実行プランの詳細を詰めていく。それが今期の重要な活動です。

△PERSOLグループになくてはならない存在として、内販向けITサービスを加速

ーーグループソリューション統括部がどんな価値を提供していくのかが大事になりそうですね。

その通りですね。システム開発は手段でしかありませんが、その手段を通して、各企業やはたらく個人への価値を生み出していく。その結果は、雇用拡大や雇用創出につながり、社会貢献性が高いと考えています。

派遣や転職支援のサービスは、人生や生活に直結しますよね。そのサービスやシステムのトラブルは許容しない。いかに品質の高さを維持し続けるかが我々には求められています。

もちろん、日々の単位で言えば、少なからずトラブルが発生することも。しかし、発生したトラブルにしっかり対応していますので、長期的には一定の品質を提供し続けられていると自負しています。

今後もしっかりと価値提供を続けていきたいですね。

企画段階から保守運用まで。ワンストップの開発プロジェクト

ーーグループソリューション統括部で手がけているプロジェクトの事例を教えてください。

サービスの提供範囲は、各グループ会社の基幹システムやサイト系のシステム、スマホアプリ、その基盤となるクラウドやセキュリティのすべて。とても広い領域を手がけています。

例えば、会社としての基幹を司る業務システム。財務・会計システムや勤怠管理システムなど種類はさまざまですが、それらには法改正に伴う仕様変更や更なる業務効率化、データ利活用の為の改修が定期的に発生します。

また、サイト系のシステムであれば、新しいサービスの追加やリニューアル。そういったシステムのライフサイクルが、およそ5年に1度くらいはやってきます。

△グループ各社のIT課題を必要なタイミングで解決する

直近手がけているのは、パーソルテンプスタッフの『ジョブチェキ』というお仕事紹介サイト。これを大きくリニューアルしています。

サイトシステム自体が開発されたのは7年前。システムは老朽化しはじめており、画面デザインも時代に適したものとは言い難くなっていました。そこで、システムの仕様や画面デザインを大きく刷新するプロジェクトに取り組んでいるんです。

このサイトは、お仕事紹介ページ以外にも登録スタッフ様のマイページや登録支援システムなど、改修箇所は複数にわたります。これらを3ヶ年かけて、すべて刷新していくプロジェクトの為、大きなプログラムを動かしていることになりますね。

ーーそれは大規模なプロジェクトですね。規模によってもさまざまかと思いますが、どのようなタイミングから案件に携わることが多いんでしょうか?

プロジェクトの企画段階から、いわゆる開発後の保守運用のフェーズまでワンストップで提供しています。

それこそ、『ジョブチェキ』のサイトリニューアルは、パーソルテンプスタッフにとっても重要な戦略でしたので、立ち上げに向けた議論を交わすところから参画しました。

基本的にはクライアントから「どうしよう?」と漠然とした段階で話をいただくことが多いので、まずは相談に乗るかたちでスタートします。

ーーまずは、何がやりたいのか。そこから細かい開発手法や技術選定など手段の部分を決めていくんですね。

そうですね。とくに、システムの基本設計について「どんな作り方をするか」は、事業会社側も詳しいとは限りません。

各社が実現したいことをヒアリングしながら、それであればシステム的に「こんなことができますよ」と紹介しています。その上で、基本設計や技術の選定を進めていくのが、我々の活動です。

大切なのは、クライアントがやろうとしていることを実現するために「何がもっとも適しているのか」という観点で決すること。開発手法や開発言語、そしてシステム環境は千差万別です。そのプロジェクトがもっともスムーズに進む手段の選択が重要だと考えています。

△グループ全体がクラウド化を推進。各システムの基盤がクラウドネイティブになると予想される

組織の拡大は急務。グループの外にも目を向けて組織強化の道を探る

ーー今後もグループ各社のニーズに応え続けるには、採用の強化は大きな課題ですね。グループソリューション統括部では、どのような方が活躍できそうでしょうか?

どの組織にも言えることかもしれませんが、成長意欲の高い方は活躍いただけると思います。我々の組織は、事業拡大や成長スピードが速いので、それを一緒に楽しめる方だと嬉しいです。

そういう仲間が増えることで、組織も個人も豊かになると考えています。

ーー成長に前向きな方ならスピード感も楽しんでもらえそうですね。グループソリューション統括部ではたらく魅力も教えてください。

前述もしましたが、システム開発の要件定義の前段階であるプロジェクト立上げから運用保守、インフラ・アプリなど文字通りに全領域的にサービス提供している組織です。そのため、それぞれが得意な領域や志向性に合った活躍ができる環境を持っていると思います。

ーー最後に、ミッション達成に向けた次のアクションを教えてください。

我々の組織の現在地が、まだまだグループの需要に足りていないのは前述の通り。組織強化をしっかりと行うことは大前提となります。組織規模の拡大に伴って、PMO(※3)や採用、戦略立案などの部門に対する支援組織を強化していく予定です。

また、近未来においてグループソリューション統括部のケイパビリティ(※4)は、PERSOLグループ各社の戦略に沿っている必要があると考えています。

各社のIT戦略にしっかりと向き合い、中長期の未来に向けて、足りていない技術要素をしっかりと取り込んでいく。今後は、外部コンサルタントとの情報交換、意見交換する場を設けようと思っています。

我々もPERSOLグループ内の情報や景色は見えているつもりですが、一方で市場感や異なる環境下での取り組みに疎くなりがちです。そこで、別のITベンダーの経験者やパーソル以外の人材業など、経験豊富な方々との交流の場を持って、外部の情報を入れてみようと。

そこから我々の組織にどのように転用できるかを探りながら、現在執筆中の中期戦略に落とし込んでいく。それが本当の足元にあるネクストアクションです。

※3:組織内における個々のプロジェクトマネジメント支援を横断的に行う部門や構造システム
※4:企業成長の原動力となる組織的能力や強みのこと


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