ぽてとさらだ

ポジティブに生きたい人の事実と空想のあいのこの日記。フィクションです。大学生。ユーザー…

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ポジティブに生きたい人の事実と空想のあいのこの日記。フィクションです。大学生。ユーザー名は、誕生日リクエストするくらいの好物がポテトサラダだから。

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割り箸を落とす

 君がカシオレを頼んで、私はハイボールを頼んだ。「きっと店員さんは、私のところにカシオレを置いて、俺のところにハイボールを置くよ」って教えてくれた通り、頼んだのと逆の方にジョッキが置かれた。  ハイボールをジョッキ半分残して「頭がふわふわしてきた」と言って、本気で割り箸を3回も落としちゃう私は、君にとって多分世界一可愛い。  だけど、君はロックの梅酒を飲んで、今にも寝そうになってるから、この世界一かわいい私のことなんて、明日になったら記憶にないんだ。  私と君との関係性という

    • キリンとラムネ

       キリンちゃんは泣きながら自転車を漕いで居た。ラムネくんはしきりに「早く帰れよ」と言った。だって、もう日付を回る時間だから。危ないから。でも電話越しだから、強制力を持たない。「帰りたくない」キリンちゃんは言った。家族とも恋人ともギスギスしていて、キリンちゃんはもう限界だった。ラムネくんとの電話は最終手段なのだと言った。「男はみんな我の強い女は嫌いだよね」とキリンちゃんが言うから、画面越しに私とラムネくんは笑った。「主語がでかいなぁ」「俺は嫌いじゃないけどな」ラムネくんの今の恋

      • 中学の同級生たちに会った

         中学の同級生たちに会った。中学生だった8年前の当時のことを思い出した。あの3年間は、わざとトボけたキャラで過ごしていた。その方がみんなに受け入れてもらいやすかったから。その方が素の自分でいるよりも、みんなが私のことを笑ってくれて受け入れてくれたから、楽しかった。みんなに合わせている方が、楽しかった。じゃないと、毒舌だとか言われて怖がられてしまう。(実際冷淡な方ではある)トボけたくらいでいないと、浮いちゃう。演じてた。それは楽しいけれど、ちょっと疲れる。素でいられることがどん

        • 憧れでした

          あなたと出会った時は おんなじドングリ あなたとあたしは似た者同士 右も左もわかんない 真面目で考えすぎ 自分のことが大好き 自分のことが一番 でもあなたはどんどん可愛くなって キラキラバリバリ女子大生 憧れてたんだ 憧れてたんだ そのマスカラ、流行りの髪型 スケジュールは一杯 探してる幸せの鳥は青い 一緒に旅行にしたね 思い出は一杯 ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ 次第にあなたは お酒に呑まれて 酔ってない、酔ってない って笑うよ

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          瓶入りラムネを自室で

           初めて瓶入りのラムネを飲んだ。夏祭りのない夏だからこそ、飲んでみようと思った。200mlしか入っていないのにガラスの瓶はずっしり重くて、神聖な飲み物みたいだ。開けるのには苦労した。こんな複雑な構造、誰が考えたんだろう。瓶の中にビー玉を入れようと思いついたのは、一体誰だ。ラベルを剥がして、緑色のキャップを外して、さらにキノコみたいな部品を取り出す。それで頭だけ突き出ているビー玉を突き落とす。ものすごく力がいった。全体重を掛けて、手のひらに跡がついた。ぽうん、と音を立ててビー玉

          瓶入りラムネを自室で

          キリンちゃん

           世界で1番愛してくれる人と、  世界で1番裏切る人が同一人物だったら、  人はその人から離れられない。    私の大好きな大好きなキリンちゃんにとって、世界で1番の幸せを運んでくれる人と、世界で1番苦痛を与える人が一緒になってしまった。そんな人辞めなよ、離れなよって何度言っても、「でも、こんな私を好きでいてくれる人、他にいない」「でも好きなの。」って断言する。そんなこと言われたら、もうどうしようもない。キリンちゃんは、生活にも支障が出始めて、でも偉いからちゃんと病院に

          キリンちゃん

          温室を出たら

           高校を卒業したら、ほとんど大人だって思ってた。でも、そんなことなかった。温室育ちだって自覚はあった。だって、周りからそう言われてきたから。だけど、温室の外がこんな世界だったなんて想像もしなかった。これでも大学の話なんだから、ある程度同じ学力の人たちが集まっているわけで、ここにいる学生はみんな、社会全体でみたら、似た者同士なんでしょう?信じられないな。  みんな、どこで覚えたの?不謹慎なジョーク、人の傷付け方、お酒を飲み過ぎた後の吐き方、約束の破り方、タバコの吸い方、友達の

          温室を出たら

          自分を守りたいから、

           君は私の全部を肯定してください。  私は失敗をすると、私自身のことをダメな人間だと責めて落ち込むことがあります。その失敗のことを面白がって笑ってください。馬鹿にしないで、ただ、純粋に面白いと思ってください。  私は自分のことが大好きで、怒られること否定されることが1番怖いのです。だから、自分で自分に1番早く失望しておきます。他の人に馬鹿にされたりする余地はないのです。  そうやって自分を守っているのです。私にとって今のところ、世界で1番大事なのは自分自身なのです。将来は、

          自分を守りたいから、

          バイバイ

          人と競うのはもうやめた 手を汚すのはもうやめた かじりつくのはもうやめた 上には上がいる、下には下がいるって唱えつづけるのも、もうやめた 15年の月日の中で、 君を真っ黒にしてごめんね 夏休みと大晦日と春休みには埃を払ったね 海へ行ったら君に貝をプレゼントしたね 最初に飾ったのはコラショの時計 私の背が伸びたら、君の高さも高くしたね 君に腰掛けてマニキュアを塗ったね 恋人と真夜中にビデオ電話をしたね 私はもう、君が居なくなっても、 自分の居場所を見つけ

          五月晴れ

          目覚めたのは、だらしなく半開きになっているカーテンから差した陽の光の眩しさ ねぇ今日は何をしたら楽しいかなぁ、とりあえず晴れていることだけで幸せを確認 自分を楽しませるのは自分しかいない日々、新学期も誕生日もどんな日にするかは全て自分次第 中学の時の先生が言ってた、「雨の日はみんなどんよりしてるぞ」その理論で言ったら、今日は晴れだから気分上々な日 真剣にラジオ体操をしたら発汗するし、動画のお姉さんはつま先から指先まで伸ばしていて彼女が当面の間の目標 窓の向こうは透き

          ステイホーム

          家族とこんなに一緒に過ごせることって、もう二度とないかも知れない。 新しい趣味を見つけた。刺繍、縄跳び。 家の周りのお散歩で、色んな花を見つけた。 餃子パーティーをした。 さつまいものケーキとバナナとクルミのケーキを作った。兄弟が美味しい肉じゃがを作ってくれた。 バイトに行くためにガラガラの電車に揺られる。忙しく働く。どうか感染しませんように。 友達とビデオ電話をする。zoomデビュー。 意外と充実してるんじゃない? ねぇ、ほん

          ステイホーム

          雪と桜

          雪、 花を氷の中に閉じ込めて、この満開の桜の姿を保っていてほしい。 だって今年はさ、君と一緒にお花見、出来なかったんだもん。 ずっと雪でいい。ずっと花を凍らせておいてほしい。 みんな家の窓辺で雪を眺めて暮らしているうちに 解決方法が見つかって、太刀打ちできるようになったらいいのに。 そしたら雪が止むの。 解凍された、ふわふわの桜の木の下で 陽の光を浴びながら、 一緒にお花見をしましょう。 #大学生 #桜 #詩 #お花見 #春

          半径1.5キロ

          緩やかなカーブを時速50㎞で。 白い大きな花をつけた木蓮。 暖冬で早く咲きすぎた桜。 初めてのドライブ。隣に家族。 家から半径1.5キロの世界はとても新鮮だ。 住んでいる街のこと知ってたつもりだったけど、知らなかった。 午後は裏山を散歩。 頭上に大きな桜の木が、まだらに花をつけている。 足下はスミレとカラスノエンドウと、水色の小さな花、新緑。 混じって、モネの点描画みたいだった。 知らない花の名前がたくさん。 空が灰色でも、ご時世がどうだろうと、 季節

          卒業祝い

           先輩とふたりで回転寿司に来ている。  先輩は卒業式がなくなってしまって、かなり残念そうだ。袴は着るらしいけれどサークルの人たちと自主的に集まるだけみたいだ。先輩はサークルをふたつ掛け持ちしているので、分身したいと言っていた。そりゃそうだ。  テーブル席に座る。赤い座席に先輩の黄色いセーターが映える。クリクリの真っ黒な瞳と真っ黒のセミロングの髪がとても綺麗だと思った。白くて八重歯の出た矯正していない歯並びがチャームポイントで、先輩を単体で撮った写真は、いつまででも見ていら

          救わなかった

           類は友を呼ぶ。  私の大学は規模が大きくて、本当にいろんな人がいる。たまたま同じクラスになった子のインスタをフォローしたら、「パパから貰ったベンツ今年5回しか乗らなかった…税金が…」とストーリーに載っけていたのには驚いた。次の日、よく見たら、その子はCOACHのジャケットを着ていた。「COACHって服を売ってるんだ…」と今でもその時の衝撃を忘れられない。 因みにその子はすごくいい子で、嫌味な感じとか全くしなかった。でも、なぜだか、仲良くはならなかった。私の周りの仲のいい子

          救わなかった

          やさしさに包まれたなら

          やさしさに包まれたなら