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赤ちゃんは言葉を発して伝えることは難しいけれど、全身を使って表現してくれる

こんにちは☀︎ 助産師のasaですo(‧”’‧)
NICU、GCUで働いた助産師がお伝えするその魅力について✨

今回は、その第2弾です。
「NICU、GCUでの仕事って?」
ここ数年、助産学生や看護学生が見学にいらっしゃることも増えましたが(コロナ禍はさすがにNGになりましたね💦)、私が学生の頃はそういうことさえもありませんでした。

なかなかイメージしにくい(かもしれない)NICU、GCUの現場。
今回はそこで行われる仕事内容についてお伝えします✎*。仕事内容は様々ですが、敢えて個人的に大まかに分けるとしたら、3つに分かれるかなと思います。

  • 【赤ちゃんの観察や処置・治療】

  • 【赤ちゃんのケア】

  • 【赤ちゃん・ご家族のケア】

この項目に沿って、1つずつ挙げていきたいと思います。

【赤ちゃんの観察や処置・治療】

☑ バイタルサインを含めた赤ちゃんの状態の観察

これは大人の患者さんでも同じですね🙋‍♀️
ただ赤ちゃんは言葉を使って訴えることができず、状態も変化しやすいため、定期的な観察とその観察した状態から異常がないか判断することが大事になってきます。

☑ モニター管理

呼吸や心拍数、血圧やSpO2を継続的に観察しています‪🚨アラーム音が鳴った場合、赤ちゃんの状態が悪化しているというサインの場合もあるため、すぐさまどういう状況なのか観察、把握し状況に応じて対応します。

☑ 検査や処置の介助

定期的なレントゲンやエコー、採血、栄養チューブの入れ替え、気管挿管や抜管、ルート確保などを医師が行う際、赤ちゃんにストレスがかからないよう、状態に注意しタッチング、ホールディング(赤ちゃんの身体全体を包み込むように触ること)しながら介助を行っています。︎︎︎︎

☑ 挿管管理・呼吸管理・酸素療法

自分で呼吸ができなかったり、肺でうまくガス交換できないときに、口からチューブを入れ呼吸器を繋げたり、赤ちゃんは呼吸をする筋肉が弱い、又は呼吸を休むことがある時に楽に呼吸ができるように呼吸器を使用することがあります💬
きちんと呼吸器が医師の指示通りに動いているか、また不具合がないか、(私が勤めていたところでは)1時間毎に赤ちゃんの状態と共にチェックをします︎︎︎︎✅
何か呼吸器に不具合があった場合や赤ちゃんの呼吸状態に異変がみられる場合、こちらもアラーム音が鳴るため、すぐさま状況把握し必要時対応します。

☑ 点滴管理

用途によって、手足の静脈(末梢静脈ルート)、心臓に近い太い静脈(中心静脈ルート)、お臍の静脈(臍静脈ルート)から点滴を入れます。
そこから、赤ちゃんの胃腸が弱いときに、点滴で必要な栄養素(糖、アミノ酸、脂肪、電解質、ミネラル、ビタミン)を入れたり、抗生剤を投与することもあります。
動脈にもラインを入れますが、これは血圧の連続測定や採血に使うためのラインとして使用しています。

☑ 栄養管理

(上記に挙げた点滴管理の内容の他)口で上手に母乳やミルクを飲めないときに、鼻や口から栄養チューブを入れて胃まで通して、母乳やミルクを注入します。
呼吸状態を含めた全身状態や赤ちゃんの“飲みたい!”という哺乳意欲を加味し、医師と相談した上で赤ちゃんの状態に合わせて(病院にもよりますが、私が勤めていたところでは修正35週~。早いところだと修正30週台に入ってから)口から飲む練習を始め、必要量を口から飲めるように手助けしていきます。

【赤ちゃんのケア】

☑ 温度や湿度管理

早産、低体重の赤ちゃんは体温を調整する機能がまだ未熟で皮下脂肪も少ないため、体温を一定に保つことが難しくなります𖦹
そのため、週数や体重、その赤ちゃんの状態に応じ適した温度や湿度に調整する必要があり、クベース(閉鎖式保育器)やNICU、GCU内の設定を調整していきます。

☑ ディべロップメンタルケア

初めて聞く言葉、と思われる方が多いかもしれませんね💬
これは、赤ちゃんの外的ストレスをできる限り最小限にした環境の下で、赤ちゃんの成長や発達を促していこうとするケアのことです。”お母さんの子宮内に近い環境に整える”というイメージを持つとわかりやすいかもしれません。
光や音環境も赤ちゃんにとっては成長や発達に大きく影響するものであり、できるだけ静かに、かつ、明るすぎないよう注意して赤ちゃんと関わっています。
※ちなみに赤ちゃんの耳は、妊娠20週後半には聞こえているとされており(勿論、産まれた後に聴覚検査は頃合をみて行います‪👂)赤ちゃんと関わる際は自分はたくさん話しかけますし、ご家族の方にもたくさん話しかけてほしいことをお伝えしています💬

☑ ポジショニング

早産や低出生で産まれた赤ちゃんは、まだ筋力が弱く、子宮の外で背筋をまっすぐし手足を折り曲げるといった安定した体勢を取ることができません。
そのため、赤ちゃんの周りをリネンで囲んだり、ガーゼやタオルで枕をその子に合わせて作って使用し安定した体勢を取れるようにしています。(これも1種のディべロップメンタルケアです。子宮内に近い環境にするイメージでやっていました。)

【赤ちゃん・ご家族へのケア】

☑ 赤ちゃんとの関わり(愛着形成)・育児指導

面会時に、その赤ちゃんの状況やご家族の希望に合わせ(場合によっては新生児科医に相談した上で)行っていきます。
タッチングやホールディング(赤ちゃんの身体全体を包み込むように触ること)、カンガルーケア、搾乳や授乳介助、清拭や沐浴、オムツ交換などをご家族とその予定を調整し行っていきます。
最初はとても不安そうなご家族の方が多いのですが、1つずつ説明しながら一緒にやっていくと赤ちゃんも気持ちよさそうですし、ご家族も少しずつ慣れて笑顔がみられ、「良かったなぁ」と個人的に嬉しくなることが多くありました☺︎

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通常、病院による違いはあるものの、その日の受け持ちの赤ちゃんには上記にあることを行っていくことが多いかと思います。
その他にも・・・💡

☑ 入院対応

基本、産科からの依頼や他院からの搬送による緊急入院が多いです。
私が勤めていたところでは、状況に応じて産科からの要請でNICUのスタッフがベビーキャッチに入ることもありましたo(‧”’‧)
←勿論、新生児科医の立ち会いの下になりますが、NCPRの知識が大事になります✎*。

☑ 退院対応

私の場合、受け持ちの赤ちゃんに『退院おめでとう!』のカードや面会以外の赤ちゃんの様子やそれによるアドバイスを書いたカードを作ってお渡ししていました。
あとは第1弾で書かせていただいた通り、お見送りしていきます。

☑ 調乳

母乳の保存期間があるため、赤ちゃんの哺乳量(必要量)に合わせて、お母さんが搾乳し持ってきてくださった冷凍母乳を解凍し分乳していきます。
病院によっては栄養課のスタッフが行う場所もあるようです。

1人立ちすると、1人の赤ちゃんに受け持ちがつきます。そのスタッフと主治医、ご家族が中心となって赤ちゃんの成長や発達を見守っていきます🧸
必ずしも自分の受け持ちの赤ちゃんが担当させてもらえるとは限らないため、合間で主治医と治療方針を確認しながら看護計画に個別性を加えたり、赤ちゃんの様子を育児ノート(長期入院の赤ちゃんの場合、面会以外の赤ちゃんの様子をお伝えするために任意でノートを持ってきてもらっていました)に記載したり、1ヶ月毎に成長や発達具合をカードにしてお渡ししていました✐


大きく3つに項目を分けてお伝えしましたが、全てどの内容も連動しており、どのお仕事も赤ちゃんの成長や発達、赤ちゃんとご家族の関係構築には大切なことばかり。
そんな思いで赤ちゃんとご家族に関わってきた中で、特に思い入れのある項目を挙げるとすれば、【赤ちゃんのケア】、【赤ちゃん・ご家族へのケア】かなと個人的には思います。
勿論赤ちゃんは言葉を発して自分のことを伝えることは難しいけれど、全身を使って表現してくれます。
自分が関わったことでダイレクトにその状態がわかり、どうすればもっと赤ちゃんやご家族が安心に安楽に過ごせるかなという視点で試行錯誤していたことが上手くいった時の赤ちゃんの状態、ご家族の嬉しそうな笑顔は今でもよく覚えています。

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簡単ですが、NICU、GCUの仕事について今回お伝えしましたが、いかがでしたか?
次回は私が考えるNICU、GCUにいる助産師の役割を中心にお伝えする予定です。

それではまた次の投稿で✎*。

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