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#雑誌POSSE

【雑誌POSSE連載第0回】オメラスから発つ道の途上でーこの壊れゆく世界を拒絶するということ|岩本菜々

【雑誌POSSE連載第0回】オメラスから発つ道の途上でーこの壊れゆく世界を拒絶するということ|岩本菜々

 8月31日刊行の雑誌『POSSE』vol.54より、私の連載がスタートした。

 とりわけこの3−4ヶ月、私はラジオや新聞、テレビ番組などあちこちで社会問題に対してコメントしたり、意見を述べる機会を多く頂くようになった。しかし実のところ、マスメディアでも、SNSでも、ほんとうに言いたいことや表現したいことと、求められているコメントが乖離している気がして、それに悩まされてもいた。

 メディアで語

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【特別公開】河野真太郎×西口想「『ドライブ・マイ・カー』から考えるケアと男性性」(「対談型映画批評 映画のなかに社会を読み解く」より

【特別公開】河野真太郎×西口想「『ドライブ・マイ・カー』から考えるケアと男性性」(「対談型映画批評 映画のなかに社会を読み解く」より

⚠️ネタバレを含みます⚠️

ケアと男性性――『ドライブ・マイ・カー』西口:最近、論壇では「ケア」に注目が集まっていますね。

河野:小川公代さんの『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社、2021年)やケア・コレクティヴの『ケア宣言』(大月書店、2021年)など、ケア論を見直す流れが出てきています。前回『ファーザー』(2020年)についても述べましたが、人間はどれほど自立しているように見えても、根

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闘うZ世代が社会を変えるーー学生ユニオニズムの可能性

闘うZ世代が社会を変えるーー学生ユニオニズムの可能性

 雑誌『POSSE』45号(特集「コロナ時代を生き抜く」)に掲載された「抗う姿ーー脱商品化のための学生ユニオニズム」の全文を特別公開します。本稿は、アメリカの社会運動のなかで学んだZ世代(1990年代中盤以降に生まれた世代)の著者が、日本におけるZ世代の運動の可能性を、POSSE/ブラックバイトユニオンの活動を通じて考察したものです。

著者プロフィール
山本健太朗。NY州立大オルバニー校卒(人類

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未克服の優生思想―旧優生保護法の被害事例から考える。

未克服の優生思想―旧優生保護法の被害事例から考える。

優秀な遺伝子を持つ人の配偶者を国家が選定すべきという「見解」を有名ミュージシャンがツイート。

ALS患者の方を「安楽死」させた医者が殺人罪で逮捕。

最近世間を騒がせているこれらの事件に共通するキーワードとして、「優生思想」が取り沙汰されている。しかし、そもそも「優生思想」とはどのような考え方なのだろうか。そして日本ではどのような影響力を持ってきたのだろうか。

優生思想は、単なる考え方の問題に

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