【超短編小説】いつもみてるよ
「なぁ、お前大丈夫か?」
夜十時三十二分。友人から電話がかかってきた。推しのVtuberの放送中は電話に出ないと言っているのだが、今回ばかりは理由が推察できるので素直に電話を取ったのだ。佐々木尊の推しVtuber、水上みなの生放送は炎上していた。ゲーム実況中に男の声が混ざったからだ。水上は「おにいちゃんだよー」とごまかしたのだが、もしも妹のことを「ただいまぁ、みぃなたんあいしてるよぉ」と甘い声で呼ぶような兄がいたらそれはそれで問題だろう。
「大丈夫、って炎上のことか?」
「