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創作短編集

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私が書いた創作短編をまとめたマガジンです。 今後記事が増えたとき、こちゃこちゃするかもしれないと思ってまとめてみました。
運営しているクリエイター

#超短編小説

【超短編小説】ストレス解消

 友人の仕事が上手くいってないそうだ。強いストレスの影響なのか、時折叫びたくなる衝動があ…

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【超短編小説】サボりの達人

 上司が部下を呼び出して、説教をした。 「就業中にツイッターを見るなんてよくないぞ」  部…

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【超短編小説】ぼくのミニカー【走らない】

   ぼくのミニカー  走らない車を大事にとっておいてある。車、といってもホンモノではな…

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【超短編小説】それで、続きはいつですか?

 あるクリエイターが、二次創作の長編漫画「未来の僕ら」をアップロードした。今回はその第一…

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【超短編小説】Marble【読む時間】

   Marble  読む時間です。何も考えずに本を読みます。適当に選んだ書物を紐解き、静かに…

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【超短編小説】背伸び

 手帳を一冊買った。使い道のない文房具に役割を与えるためだった。僕は職場と自宅の往復以外…

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【超短編小説】尻を笑う猿

「次のニュースです。N国で虐殺が起きました。左手で文字を書いた男性が、処刑されたようです」  そんなニュースが流れてきたので、Mは笑い声を上げた。 「なんて残酷な……左手で文字を書くことが誰の迷惑になるというんだ! まったく馬鹿げた話だな!」  興奮したMはテーブルを叩いて自身の感情をあらわにする。置かれていた花瓶がぐらぐらと揺れた。僅かに零れた水が、真っ白なテーブルクロスにシミをつけた。 「まったくけしからんニュースだ、お前もそう思わないか?」 「はい。そう思います」  疑

【超短編小説】本人は幸せなので

「読みました」のメッセージで埋め尽くされたディスプレイに思わず彼女の口元が歪む。今日も力…

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【超短編小説】禍福はあざにゃえる縄のごとし

 一人のサラリーマンが、野良猫に餌をやった。いや、サラリーマンというのは正しくなかった。…

【超短編小説】流れの速い川にいる

 私はスターバックスの一角を陣取ってひたすらにTwitterと悪戦苦闘している。あの青い鳥の胸…

【超短編小説】値段は気にしないので

「この本、ください」  その言葉にサークル主は飛び上がって喜んでくれた。特殊加工でギラギ…

【超短編小説】鯉の群れ

「感想はみんなが思ってる以上に力になるので、もし応援している作家さんがいるのなら積極的に…

【超短編小説】誰かがこんなことを言いだした

 SNSのおかげで「あなたの作品が好きです」という意思表示は容易になった。ボタンをひとつ押…

【超短編小説】いつもみてるよ

「なぁ、お前大丈夫か?」  夜十時三十二分。友人から電話がかかってきた。推しのVtuberの放送中は電話に出ないと言っているのだが、今回ばかりは理由が推察できるので素直に電話を取ったのだ。佐々木尊の推しVtuber、水上みなの生放送は炎上していた。ゲーム実況中に男の声が混ざったからだ。水上は「おにいちゃんだよー」とごまかしたのだが、もしも妹のことを「ただいまぁ、みぃなたんあいしてるよぉ」と甘い声で呼ぶような兄がいたらそれはそれで問題だろう。 「大丈夫、って炎上のことか?」 「