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【超短編小説】サボりの達人

 上司が部下を呼び出して、説教をした。
「就業中にツイッターを見るなんてよくないぞ」
 部下は「すみません」と反省した様子を見せた。
「確かに、君の業務は繁閑の差が激しい。暇なときにはちょっとした仕事を、といったところでそれに限りもあるだろう。だからと言って君、ツイッターをするのはどうかと思うぞ」
「返す言葉もございません」
「以後、気を付けるように」
 お説教はここで終わるはずだった。だが、部下が恐る恐る口を開いた。
「あの、ひとつよろしいでしょうか?」
「どうした?」
「こういうのもアレですが、僕はみんなにバレないようサボっていました。中には堂々と自分のデスクでスマホを触ってサボる人たちもいますが、僕は席を立って、誰もいない倉庫でちょっと通知を確認するとか、来ていたリプライに返事をするとか、ちょっと何かツイートするとか、そういうことはしていました。それはよくないことだと分かってはいるのですが、課長はどうして僕が業務中にツイッターをしていると分かったんですか?」
 上司は「なんだ、そんなことか」と笑った。怒っている様子はなかった。
「そんなの、タイムラインを見れば一発で分かるじゃないか」

気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)