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創作短編集

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私が書いた創作短編をまとめたマガジンです。 今後記事が増えたとき、こちゃこちゃするかもしれないと思ってまとめてみました。
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2022年10月の記事一覧

【短編小説】はやりすたり

「行動しないと何も変わらないと気づいたので、呪いを振りまこうと思います」  そんなことを…

【短編小説】心配性作家の書籍化特別書き下ろし

(あなたは小説「×××」シリーズの大ファンであり、今回も「××× その六」の発売を楽しみ…

【短編小説】汚れた酒場にて

~読む前に~ ※「汚れた酒場にて」には暴力表現があります。閲覧の際にはお気をつけください …

【短編小説】私悪くないもん

 パティは魔女の女の子。毎日一生懸命魔法の勉強をしています。けれども、パティは上手く魔法…

【短編小説】そして、勇者は帰る

 小学校の同級生に、タカシマという男がいた。タカシマは小説を書くのが好きなヤツだった。彼…

【短編小説】同じ穴の

~この小説を読む前に~  ※この小説には「猫に意図的に酷いことをしている」「猫が酷い目に…

【短編小説】僕の大事なパートナー

 そろそろ家を建てようか、という話がポツポツと出始めたのでS夫婦はマイホームイベントへと足を運んだ。家そのもののブースの他にも、シンク、風呂、トイレ等々……家に必要なものの全てが一堂に会する様子に、S氏は感心した。パートナーであるS夫人はキッチン設備の方に目をやったので、S氏はS夫人を連れてそちらの方へと向かった。 「この調理台は広々としていてとても使いやすいんですよ。汚れにくい特別な加工もしてありますのでお掃除も簡単です」  S夫人の目が輝いた。S氏もその様子を見て嬉しくな

【短編小説】壊れた酒場にて

 裏稼業の人間が集っていたはずの酒場は、今やもう見る影もない。カウンターでは瓶が割れて中…

【短編小説】あの子の背中を押したのは

 S子の自殺は学校でも相当な騒ぎになった。私は登校途中にマスコミからマイクを向けられたが…

【短編小説】ロボくんとぬーくん

 ロボくんは電池で動くオモチャです。スイッチを入れると、目が光って、じーじー、ががが、と…

【短編小説】割れた丸花瓶

 中学生の僕は、クラスでもあまり目立たない立ち位置をキープしていた。運動ができる方ではな…

【短編小説】円柱の影

 「ねぇ、もうやめたら?」  カフェの片隅で、ミホコはそんなことを言った。彼女の手にはド…

【短編小説】フラペチーノとクマンバチ

 中学の頃、田舎からタケコという名前の転校生がやってきた。そのあまりにも古くさい名前と、…

【短編小説】バケモノと海の村

 むかし、むかし、ずっとむかし。  ちいさな漁村があったとさ。  ちいさなちいさな村だけど、  みんな幸せに暮らしてた。  そんな平和な村だというのに、海からバケモノがやってきた。  とっても大きなバケモノだった。  村人怯えて逃げる中、バケモノは大きな声を出す。 「おれは、確かにバケモノだけど、みんなと遊びたいだけなんだ」  しかしすっかり怯えた村人は、扉を閉ざして出てこない。  海底で生まれたバケモノの、仲間はひとりも居なかった。  ひとりぼっちが寂しくて、泳いで海の