【短編小説】ダンボール箱の子猫
都市と言うには見窄らしく、田舎と言うには栄えていた町で、僕たちは育った。毎朝登校班を組んで学校に行き、授業を受けて、友達と遊んで、帰りは変質者情報が出ない限りは友達と一緒に帰った。僕らはいつも五人でつるんでいて、その中のリーダー格がNという女だった。Nはこのグループを自分のものだと思い込んでいて、僕たちが何をして遊ぶかは彼女の裁量によって決まった。「今日は鬼ごっこをしよう。あんたが鬼ね」といった具合にして。
僕は彼女の正義に隠れた粗暴さに薄々気がついていたが、実害がなかっ