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デザイン経営まとめ~創造性の花を咲かそう~

春になりましたね。あちらこちらで桜がきれいです。
私がいつも驚くのは桜が咲いていない季節に公園で桜の木を見ると、あのきれいなピンク色は連想できないような他の木よりも黒くがっしりとした幹が佇んでいるということです。

これまでのデザイン経営①~⑥では、最近よく聞くようになってきた、デザインやデザイン思考について、ビジネスシーンでの活用についてデザイン経営という視点から考えるとより腹落ちして理解できるのではないかと思い、「ブランディングのためのデザイン」と「イノベーションのためのデザイン」について話してきました。

私はより創造的な仕事をするにはどうすればよいか、どうすれば創造的になることができるかをいつも考えています。

そして企業や組織が創造的になるにはデザイン経営という考え方がとても重要であると考えるようになりました。

意匠としてのデザインやデザイン思考で新しいことを考えるということは、桜の木でいうとまさにピンク色のきれいな花が咲く部分かと思います。それを支える幹や枝、根っこという部分があってこそ綺麗な花が咲くということを想うと、企業や組織の経営まで含めた創造的になる理論が必要です。

デザインに直接携わる人たちだけてはなく、組織の構成員全員が「ブランディングのためのデザイン」に参加して組織の目的を腹落ちするまで考えることや「イノベーションのデザイン」の考え方で不確実なものにもチャレンジしていくマインドを持つことが組織が創造的になるために必用だと考えます。

高度経済成長期の日本の企業は創造的だったということが言われます。それはおしゃれなデザインの製品が生まれていたということではなく、製造業の生産ラインで働く人たち一人一人が自分達のミッションを理解して発生する問題に対して創意工夫をしてどんどん効率を高めていったからです。

想像になってしまいますが、自分の責任の範囲はここだけだから、といったやらされ感ではなく主体性をもって自由に発想してチャレンジを行っていたのだと思います。

これからの時代の経営も形や見た目は変わるかもしれませんが、組織の目的や存在意義が明確になり、それに共感したメンバが理想を達成するために自由に創意工夫していくことが、組織としても個人の生き方としても求められるのではないでしょうか。

そのために「デザイン経営」という考え方はとても大事になってくると思います。「デザイン」といってしまうと一部の人や部門の話のように聞こえるかもしれないので、「創造的経営」というような呼び方をした方がいいのかもしれませんが、創造性が失われた世の中へのカウンターパンチとして「デザイン」というデザイナーの人たちの領分だった創作的な活動や考え方を取り込んでいこうという意味では、広い意味で創造的な経営を「デザイン経営」として取り組んでいくことに意味があるかなと思います。

組織として、あるいは個人として社会としてどうすれば創造的になることができるかを考えていけば、日本ももっと面白くなって世界に価値をもっと提供していけるのではないかなと思います。

新しいことにチャレンジする個人や組織が増えてほしい、と願います。

最後は私の思いや願いが入ってしまいましたが、結局は全ての企業活動や社会活動も人間がやっているという意味では、個人の想いや願いから全てが出発すると思います。

デザイン経営の本質的なところも人間の想いと向き合ってそれを世の中にどう発信していくかという方法論であるため、個人や組織としての目的や存在意義、想いというものを追求することが始まりになります。

不確実で目的が持ちにくい世の中のなかで、人に決められたルールや価値観ではなく、自分の頭で考えて未来を創造していくことが、デザイン経営のコアだと私は捉えています。

デザインらしくいうと、

「自分は何を美しいと思うのか?自分の美意識とは何か?」

といったところです。

少し精神論的になってしまいましたが、新しい年度の始まりに、自分が何をやりたいのか何を望むのかを考え直すのを、新たな価値を創造するためにやってみてもいいのではないでしょうか?

一旦「デザイン経営」に関する話は以上です。ありがとうございました。



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