見出し画像

祖父からの電話

前回の 自動ドアが開かない現象 で怖い体験についてまた別の機会で話すと記載しました通り、今回は怖い体験についてお話しします。

私は霊感はありませんが、怖い、不思議な、奇妙な体験であればいくつか経験したことがあります。

その中でも今回は祖父からの電話にまつわる、少し怖い出来事についてお話ししましょう。


祖父について

10年ほど前、祖父が亡くなりました。

私の祖父というのが昔の人にしては少々珍しい人でした。
決して厳しくはなく、どこでも誰とでも友達になるような自由なタイプの人だったのです。

暴走族系の特攻服を着たお兄さんや、若い女性にも気軽に話しかけたようで、誰とでも友達になって帰って来ました。

そういうこともあったので、
「お葬式には大量の友人が来るかもしれない...」。(想像しただけで色んな意味で怖い)と、親族間でかつてないような心配事をしていたのですが、それよりもっと恐怖な出来事があったのです。


親族だけ

実際のお葬式は、ほぼ親族のみで行われました。
祖父の友達は2~3人来てくださって、お葬式を終えました。

夜22:00頃。
自宅に帰ってきた私たちは「少し一息つこう」。とリビングで寛いでいたところ、電話が鳴りました。

父親が電話を取りました。
どうやら祖父のことについて話しているようですが、
え?」と言いながら深刻な顔をしています。


電話の内容

父親が受話器を置きました。
遠く離れた親戚からの電話であったとのこと。
そして遠く離れた親戚はこう話したと言います。

「今知らない人から電話があったけど、話の内容がよく聞き取れない。声の印象からしておそらく○○さん(祖父)だと思うのだけれど、ご本人には電話が繋がらないから、代わりに息子さんに連絡をしてみた。内容何か知らない?」
とのこと。

父親が
「親父は亡くなって、6時間ほど前にお葬式を済ませて今帰ってきたところですが...」。とこたえると
遠い親戚も「えぇ...」。と言い、動揺していたようです。声からして、ほぼ祖父で間違いないと。

一家全員、戦慄した瞬間でした。


どうする

次は聞き慣れない携帯音が大きく鳴った。

急に大きな音が鳴ったので、4人とも心臓の鼓動が止まらない。
母親が取り出したのが、まさかの祖父の携帯電話でした。

なぜこのタイミングでそんなものを持って帰って来たのか...。

電話は伯母からで、
「父の携帯電話を誰が持っているのかわからないのでかけてみた」。とのこと。

先ほど遠く離れた親戚からこういった電話があった旨を全て話し、伯母は「もしかしたら長男が電話をかけて、声が似ている等の理由で父親と間違えただけかもしれない。そのことについて聞いてみるね」。と言い、受話器を置きました。

そうだ。まだ伯父もいるのだった。伯父の可能性が高い。
「そうだそうだ」。
と安堵し、私たちはお茶を飲んだりお菓子を食べたり、再び寛ぎ始めました。


電話が鳴る

今度は伯父から電話がかかってきた。
父親が電話に出て「うんうん、そうかそうか!わかった!では、おやすみ」。と話し、受話器を置きました。

「〇〇(伯父)は、遠い親戚に電話はかけていないって!」と、父親が言いました。

伯父の可能性に賭けていたが、もう他に思い当たる男性は一人もいないのだ。

「...」。


今思うこと

稀にこの話を出してきては家族で話し合うのですが
「祖父なら、たとえ亡くなっていようと色々な人に電話をかけまわっていてもおかしくない。むしろ、かけないわけがない」。との解釈でいます。それくらい、交友関係が広い自由な人です。

一見おかしな出来事に感じると思いますが、あのパワフルな祖父なら別におかしくはない。

意外と怖い出来事と捉える機会を忘れ、
「たとえ亡くなっていてもかけない方がおかしい」。と話しています。

ノンフィクションなので大きなオチはありませんが、これが怖かった出来事のひとつです。


電話にまつわる出来事が多い

私はこれと言って何も無いと思うのですが、父親が電話にまつわる出来事をいくつか経験しています。

まず、「祖父の電話ではないか?」と遠い親戚が電話をかけてくる一番目の相手は、長男でもいいのではないかと思いました。次男であるうちの父親に電話をかけて来た時点で、妙なタイミングに当たってしまっていると思います。
※次男の嫁(私の母親)が義父の携帯電話を持って帰ってくるというこの適当さにもご注目を。

他にも別の機会で、祖父の家(実家)に父親が一人で行った際の話。
帰ろうと黒電話の前を通った瞬間にジリリリリンと音が鳴り、非常に驚いたことがあるそうです。
受話器を取ると「今、〇〇さんが亡くなったのですが。あれ、なぜ息子さんがいるの?」と言われたそうですが、
「たまたまです...」。
と父親はこたえたそうです。

他にもふと思い出した懐かしい知り合いに何となく電話をかけてみたところ、
「4時間前に亡くなりなしたが...誰から連絡が入ったのでしょうか?」と聞かれたそうです。
「たまたま思い出して...」。
と父親はこたえたそうです。

これが“虫の知らせ”なのでしょうか。
ところで一家全員、霊感は一切ありません。


私なら、電話恐怖症になりそうなものですが。

いえ、そういったことは関係なく電話は非常に嫌いです。




次の記事⇒ 非接触の生活



この記事が参加している募集

#熟成下書き

10,585件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?