今夜は屋上で過ごします
早く家に帰らなければならないのに、なぜここから出られないのだろう。
日も暮れてきたし、騒音が怖い......。
美容院
ショッピングモールらしき大きなビルの中に入っている美容院で髪を切ってもらっていると、昼ごろから始めたのにいつものように夕方になっていた。
私の髪は扱いにくく、どこの美容院へ行っても美容師さんは大変そう。
料金と金額が見合わないから、もう来るなという顔をしていた。
今日は自転車でここまで来たので、屋上の駐輪場へ向かった。
気が付けば
屋上に出ると外はもう日が暮れてしまっていた。
明かりがギリギリあるかないかくらいで、カラスが鳴いている。
駐輪しているところに行くと、たまたま友達がいた。
「こんなところで会うのは珍しいね」という話をしていたが、彼女は歯医者に行かなければならないそうで10分もすると帰って行ってしまった。
「私も帰ろう」
おかしい
さっきから帰ろう帰ろうと自転車を押して出口を探しているのだけれど、なかなか見つからない。
まず人の姿が一人も見当たらない。
「まあ、時間も遅いしこんなものだな」と思い、どこかで出口は見つかるであろうと思っていたところ、騒音が聞こえてきた。
騒音の正体
ガシャーンガシャーンと聞こえてくる騒音の正体、それはトラック。
約10m弱はありそうなシルバーの4トントラックが、前後に猛スピードで移動し、暴れているようにも見える。
「もう真っ暗だから私の姿なんか見えないに違いない。いきなりこちらに来られると轢かれてしまうかもしれない」
あまり車が通らない場所を選びながら下に降りる出口を探さなければならないなと思っていたところ、
今度はそのトラックが変形し始めるのが見えた。
トラックのボディの中間部分が蛇腹のようになっており、曲がって暴れている様はまるで龍か何かのようだ。
変形なんかされたら、あまり車が通らない場所でもこちらへ来てしまう可能性が高いような気がする。
暴れている4トントラックの音を聞いているとさすがに不安になってきて、焦りはじめた。
話す
あちこちウロウロしていると、やがて出口らしきものが見つかったと同時に、従業員の男性や女性が7~8人いた。
良かった、この人たちに出口を聞けばいいのだ。
「すみません、出口が見つからなくて。どこから帰ればいいのでしょう?」
すると返って来た言葉はこうだった。
「今日はもう閉鎖していますよ。出られません」
は?
ここから
どうにかしてここから出たい。
「ていうか君、どうしてこんなに遅くまでこのビルに残っていたの?」
「ここのビルに入っていた美容室で髪を切ってもらっていたら遅くなったのです」
「ああ、なるほどね。ここからであれば出ていいよ」
通されたその道は、徒歩でも到底無理であろう急な坂道で、螺旋階段のように渦巻いていた。
その道はフェンスで囲われていたが、はっきり言ってここから降りるとその先の出口には鍵がかかっていそうだ。
「......他に出口はありませんか?」
「ないよ。今日はもう遅いからここだけ。行かないの?」
「......あなたたちはどこから帰るのですか?」
「私たちは従業員だからね、専用のエレベーターから帰るよ。ここから帰られないなら今夜は屋上で野宿だね」
「そうですね。野宿します......」
私はここ、屋上で一夜を過ごすことになってしまった。
家に帰られないという不安もあるが、どちらかというとガシャーンガシャーンと音を立てているあの巨大トラックが不気味すぎて怖く、どこに身を潜めていようか考えているところだ。
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という夢を見ました。
どこに身を潜めていようか、トラックに見つからないよう柱に隠れながら少しずつ移動している間に目が覚めました。
毎日のように夢は見ますが、起きてからも内容をおぼえていることはなかなか無いですね。どうしても忘れてしまいます。
また夢を思い出しながらここに書いている間は、なんだか話の中に戻されたような感覚がして妙でした。
そしてなぜこんな夢をみたのか考えたのですが、おそらく私の中で
「美容院に行きたくない」ということを日々考えてしまっているからなのだと思います。
比較的安心して行ける美容院が数年前から見つかっているので、そこへ思い切って行くべきではあるのですが、私の髪は非常に扱いにくく、施術に7時間を要するので結構気合が入ります。
しかも7時間にもなると美容師さんを疲れさせてしまうことがわかっているので、つい行くのを躊躇ってしまいます(60代くらいの方で個人経営で施術をされており、以前行った際は相当疲れさせてしまいました)。
しかし夢にまで出てくるとなると、さすがにそろそろ美容院へ行くべきであるような気がしてきましたね。
屋上に駐輪場なんてほぼ無いと思いますが、みなさんもうっかり止めないよう気をつけてください。
#この春やりたいこと というキーワードを見つけましたが、おそらく屋上で過ごしていても警備員の方が点検をしに見に来られると思います。
その警備員の方が人間かどうかという保証はありませんが......。
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