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木葉功一
2020年6月23日 09:07
青い空にはためく白い旗黒いベールをつけた女がターコイズブルーの瞳でじっとこっちを見つめている恋人ができる鼻が個性的ショートヘアで手足が長いギターを弾くのがとても上手い名前を書いて見せられるシュメール文字の塊読むことができないファミレスのバイト後輩ができる髪がオレンジの女の子唇が個性的バイトをやめる女の子もやめてついてくる先輩と一緒に働きたい名前を書いて見せ
2020年6月22日 06:51
漁に行こうとバンドのベースに誘われる海ではなくて地下鉄のホームにボートを担いで降りていく軌道に入れるとボートが浮くトンネルの闇の中へ入る千代田線から丸ノ内線方面へ大きな影が移動してるとレーダーを見ながら友人が言う歌え、とマイクを渡される舳先に立ってアカペラで歌う思いつくまま次々に十曲目のサビに入ったとき出した声が聞こえなくなる友人が銛を用意する闇の奥から車くらいの
2020年6月21日 08:43
春の山道を歩いている杉の木立の木漏れ日の中に女の子が立っている瑠璃色のワンピースを着ているしらんぷりして通り過ぎる道の行く先に立っているふんわりにこにこ笑っているひらひら後をついてくるきらきら頭上で太陽が光る瑠璃色の粉が舞い上がるあなたのことを待っていたあなたと一緒に生きたいのそれもいいかな、と考えて女の子の肩を抱きよせる肌がとても柔らかい体がすごく軽そうだしなだれ
2020年6月5日 23:01
新宿が大火事になっている。現場は遠くで炎より黒煙がすさまじい風に流されこちらにはこない平気だな、と見定めて城塞のような飲食モールをぶらつく大門の外の店が美味いと蟹の顔をした肉屋が言う壁の中にその店はある入って回鍋肉を注文すると城塞の展望台に立っている食べられなかった、と思いながら外の街並みを眺めていると川から魚が何十匹も上陸してきて歩き出すそして途中で烏賊になる自分
2020年6月4日 22:47
皆既日食を見ないようにカーテンを締めて喧嘩する妻と大声でののしりあう叩かれながらいま空で金色のリングができてると思う車より大きな海亀の甲羅の上にベッドがあってその上に妻と乗りながら北の海を漂流する空は晴れ波は荒れているテトラポットの港に着く妻と手をつなぎ砂浜を歩くあちこちに花が咲いている黄色い花の写真を撮る海辺に座って夕日を見る凪いだ海が桃色に染まる海亀ベッドが遠
2020年6月3日 21:30
満員電車に乗っているぺらべらの体になって人の隙間をつるつるすり抜け車両から車両へ移動する最後尾で折り返し先頭へ戻る楽しすぎてやめられない西日暮里で急停車する乗客全員が降ろされるホームが断崖絶壁の小道に変わる雨が降り出し土砂降りになる岩肌にしがみついて歩く踏み外して滑落する観音像の頭に落ちる観音像はつるつるでどこにもつかまるところがない滑って民家の屋根に落ちる屋根には
2020年6月1日 20:48
夜の梅田を歩いていると大きなビルの地下駐車場からフクロウが飛んできて肩にとまるクリーム色のフクロウでチャコールの模様が翼にある夜の庄町を歩いていると路地に立っている鷺に出会うチャコールの模様が翼にある並んで歩いて橋を渡る夜の恵比寿を歩いていると女が現れて横に並ぶとても個性的な顔をしているチャコールの筋が髪にある坂の途中のバーに入り親密になって一緒に眠る女の瞳は丸々と大
2020年5月31日 14:29
数人の仲間と旅をする気候の暖かい都市を巡る歩いてワープしまた歩く北アフリカのカスバで靴を盗られるまあいいやと思って笑うまあいいよと仲間が言うベトナム北部の山間の寒い都市へワープするみぞれの道を裸足で歩くひんやりした感触が爽やかだ橋の上で民族衣装を着た壮年の貴族の女性と出会うその人の家に招かれる長毛の猫が何匹もいて暖かい部屋で眠っている朝になってその家の人達と大きな食堂で食事
2020年5月28日 22:30
かつて友人だった作家に自分が作った作品をどう思うか訊いてみたかつての友人は不機嫌になりもうつきあえないと去っていった後ろ姿が手紙になった三枚の刃がついたハサミでざくざくとそれを切り刻んだ眉間が虚空とつながって瞬くように青く輝く三角形の輪郭が三つ智慧の環のようにカチャカチャと重なったり組み合ったり離れたりしたキャキャキャ、キヤキヤ、キヒリクと金属的な声がしたオリオンの三
2020年5月28日 05:32
ガ・ギシ・ガリゴリ・ゴ・キリリ平屋の日本家屋に住んでいるこの家にはお客が泊まっている東ヨーロッパから来た人たちで黒髪の青年と金髪の女性とアフリカ系の少年だ昼間にステイし夜になると出かけ朝になると戻ってくる彼らが家を出た後に姿の見えない『いつもの奴ら』と和室の広間で料理して食べたり居間で小便をしてみたり色んなことをして一晩遊ぶ朝までに掃除が終わらないガ・ギシ・ガリゴリ・
2020年5月25日 03:55
バイトしていた居酒屋に、 置いていたオートバイを取りに行く。 苦手だった板長が出てくる。 会話を噛んで笑われる。 オートバイは部品が壊れている。 居酒屋の裏が工場になり、 工員が出てきてレストアが始まる。 死んだ父親も出てきて見ている。「バイクが修ったら親父も乗れば」 と話しかけると父親が微笑む。 すると山奥の村にいる。 道の真ん中で数人の村人と石橋蓮司が騒いでいる。
2020年5月24日 23:19
洞窟の中にいた。 シャム双生児の女性になっていた。 片方の自分の肩の上に、 白髪白髭白装束の大柄な老人が手をおいた。 老人の姿にはカーキ色の軍服が重なって見えていた。 日本軍の軍服だ、と思ったところで目が醒めた。 醒めた。 醒めた。 醒めた。 五回続けて夢から醒めた。 ベッドの横にローチェストがあって、 ラップ音が激しく鳴っていた。 一番下の引き出しを
2020年5月23日 06:38
ダンボールの空箱の山を登っている。 こういうところを歩くのは得意だ、と思って進む。 登っているつもりで降りている。 大理石の床に立っている。 そこは中国の奥地の大都市で、 日本と中国が共同で作った迎賓館の中にいる。 別れた妻とそっくりの女性が建物の中を案内する。 ベランダに出ると高原が広がる。 夜になって皆既月蝕が始まる。 月蝕は青白く美しい。 口の中に豚の角煮の食感がする。
2020年5月19日 22:17
江戸の町並みを歩いていた 大きくて真っ黒な牛の群れを連れて 和服とは異なる着物を着た 屈強そうな男たちの一行がやってきた 町人たちに向かって「牛をとれ、連れていっていいぞ」「とらないのか」 と声をかけながら歩いていた 男たちは目の光が強く 髪と肌が艷やかで 生命力に溢れていた 町人たちは畏れて近寄らなかった 侍たちも「構うな、通せ」 と言いながら一行から距離を置いてい