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ソムニウム(14)裸足の旅


数人の仲間と旅をする
気候の暖かい都市を巡る
歩いてワープしまた歩く
北アフリカのカスバで靴を盗られる
まあいいやと思って笑う
まあいいよと仲間が言う
ベトナム北部の山間の寒い都市へワープする
みぞれの道を裸足で歩く
ひんやりした感触が爽やかだ
橋の上で民族衣装を着た壮年の貴族の女性と出会う
その人の家に招かれる
長毛の猫が何匹もいて暖かい部屋で眠っている
朝になってその家の人達と大きな食堂で食事する
広間で男たちの習字を見る
アラビア文字を書いている
文字の中に入っていく
中近東の都市を裸足で歩く
居酒屋に入ると混んでいる
土地の男たちのテーブルに勝手に混じって食べて飲む
仲間が合流する
役所広司も合流する
役所広司は製図道具を持っている
男ならキスキルの製図道具だとみんなが話して頷きあう
自分も持っているがメーカーが違う
買い替えようかなと愛想を言うが
本当は道具なんて何でもいい
ふいにあたりが暗くなり
箒で床を掃いている
ただ掃くことが異様に楽しい
箒の動きに命を感じる
床だと思ったら壁だった
直角に立って壁を掃く
生きてる生きてる
うひょほと笑う


(終わり)

☆この作品はフィクションであり、
 実在の人物・団体とは一切関係がありません。

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