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海外生活振り返り日記-ニュージーランド前編-#25

2度目のベイ・オブ・アイランズ-中編-
三日目

 この日はパイヒアを離れ、盛りだくさんバスツアー。
 まず初めに向かったのは、ベイ・オブ・アイランズツアーの定番で、ナインティ・マイル・ビーチという場所。90マイルって何キロか調べると144.841キロと出てきた。実際のビーチの長さは88キロだそうで、その内の何キロかは国道になっているらしい。普通車では走行禁止となっているので、ツアーではその砂浜をバスで疾走するのだが、海側の窓際に座れなかったらとちょっと残念だ。しかし帰りもこの道を通るようなのでどちらも楽しめる。
 途中で降ろされしばし自由行動。その日の行動がよく分かっていないでいると、新メンバーの韓国人の女の子が教えてくれた。なんとこの子はアドバンスレベルなので、ちゃんとバンの言っていることが理解できている。私たちはこの子にすっかりお世話になった。自由行動があっても集合場所や時間を間違えることはない。しかしこの日、この救世主に悲劇が訪れる。

 次に向かったのはケープ・レンガ。人が行くことができる最北端の岬で、上から海を見ると太平洋とタスマン海が海の中でぶつかり合って線のようなものが見える場所だ。この時その説明がふんわりとしか理解できていなかったし、そもそも太平洋とタスマン海という英単語を知らなかった気がする。基本的な場所など事前にネットで調べれば良いのに、なぜかこの時そんな事考えもしなかった。実にもったいない観光客である。岬にはライトハウスがあり、その周りを少し散歩したら次の場所へと移動した。


砂丘滑り

 この日はこのナインティ・マイル・ビーチ周辺の観光のようで、ケープ・レンガとナインティ・マイル・ビーチの間にあるジャイアント・ドゥーンという砂丘に寄った。この砂丘をボディーボードを使って芝滑りのように滑るぞ!とバンが言う。すごく楽しそうだ!
 早速ボードをとって砂丘を登る。これが結構きつい。息切れしながらやっと頂上についた。下から見た時は全然高そうに見えなかったのだが、頂上に立ってみると思ったより高くてちょっと怖かった。麓には海へと繋がってそうな小さな川のような水溜りのようなものがチョロチョロと流れている。ちゃんと手前で止まれるのか?と思いながら、一番手で思い切り滑った。
 初めは中々滑らない……と思っているとどんどん加速して最後はボードから放り出され派手に転がり落ちた。痛いのと面白いのとで笑いが止まらない。これは病み付きになりそうだ。しかし下からまた登るのが苦しい。3回くらいが限界だ。
 私の滑りを見届け、仲間たちが滑り出す。二人とも加速し、やっぱり最後は転がり落ちた。キャップは吹っ飛び全身砂だらけ。皆楽しそう。
 じゃ、もう一回!と登り始めると韓国人の女の子が、あれっ?あれっ?と顔色を変えて騒ぎ出した。相当焦っている。
 どうしたのか聞くとスマホを落としたと言う。しかも買ったばかりのiphone。悲惨だ。
 皆でその子が転んだ辺りを探したり電話をかけてみるも全然見つからない。一度スタート地点の頂上に登って、そこから軌跡を辿って麓まで探すも全くそれらしき物は見当たらない。砂漠の中でスマホを探す絶望的な光景。海の中で落とすよりも見つかる可能性はあると思い、滞在時間いっぱい探したが結局見つからなかった。バンに伝えるも、しょうがないねと、あっさり言われ、渋々砂丘を後にした。
 最後は見つかるだろうと思っていたので、見つからなかった事と諦めなくてはならない事に、現実ってこんなものかと思い知った。私もニュージーランドでいくつか大切な物を落として無くしたが本当にやるせない気持ちになる。
 帰りのバス、もうナインティ・マイル・ビーチを楽しむ雰囲気ではなかった。


海の上のレストラン

 1度目に日本から来た友達とベイ・オブ・アイランズに来た時に書いたが、ここにはニュージーランドで一番有名だと言われているフィッシュ&チップスのレストランがある。名前はそのまんま、Fish & Chips shop。マンゴヌイという街にある。
 海に面したレストラン、というか海の上に建っている。人気店な上に、団体客の私たちが入り、お店はほぼ満員だった。
 メニューはフィッシュ&チップスの他にも色々あったがここはフィッシュ&チップスでしょうと皆同じ物を注文した。
 熱々の白身魚の揚げ物をタルタルソースに付けて食べる。ニュージーランドで一番美味しかったかと聞かれたら、正直味はそこまで覚えていない。何を食べても美味しいと言ってしまうので私の感想は何の参考にもなりそうにない。ただ、目の前が海なのでそれを眺めながら食べた夕食は今でもはっきりと覚えている。


決断

 パイヒアのロッジに戻り一息つく。廊下兼バルコニーのような場所にいくつものテーブルが並び、そこで皆話したりトランプしたり、のんびり過ごしている。
 明日は最終日。午前中、オプションのアクティビティをやる人は各自そちらへ集合。その後ランチを済ませてバスの発着地へ集合。オークランドへ戻ってツアー終了だ。
 バンがオプションの最終チェックをしている。スカイダイビングを申し込むなら今しかない。一応友達も誘ったが軽く断られた。パラセーリングをやるらしい。まぁ期待はしていなかったけど。
 この時、どうしよう、どうしようと言いつつも90%くらい気持ちは上昇していた。友達は何も考えず他人事の様に背中を押してくる。そして私もその気になって遂に申し込んだ。
 朝6時45分出発。韓国の女の子も見守り一緒に来てくれるそうだ。嬉しい!実はこの頃、なんだか気持ちがもやもやしていたので、飛んだら全て吹き飛んで気が晴れるんじゃないかと言う気持ちもあった。申し込んでから、本当に飛ぶんだあ…と最高にドキドキワクワクした。


2度目のベイ・オブ・アイランズ -後編- へとつづく

※今回三日目、四日目を書こうとしたのですが、三日目だけで長くなってしまったので、四日目をまたまた引き延ばします。そして今回は中編という事になりました。長々と読んでいただきありがとうございます。

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