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面接では《What is your ultimate goal?》と尋ねていた (試験の時間)

新入社員が公務員への転職を公言し、公務員試験勉強に精を出していた、という記事を読みました。


おそらく、「個人」のキャラにも問題があり、同僚として「なんだこいつ」的感情を抱くのは理解できます。
ただ一般論で言えば、仕事さえしてくれれば(そうでなければ昇給・ボーナスなどでそれなりのフィードバックをすればいい)本人の人生計画に沿ってやればいい、とジジイは思ってしまいました ── ライバル会社に行くわけではないし。
こんな風に思うのは、私が少し特殊な企業にいたからかもしれません。
でも、採用・教育コストが無駄になる分、人事担当は《怒り》でしょうね。

この記事にインスパイアされ、自分の話をしようと思います。

私は研究開発系の企業に勤めていましたが、ジジイになると、入社面接に立ち会う機会が出てきます。
そんな時に必ず問うのが、
《What is your ultimate goal?》
つまり、
「キミは最終的には何を目指しているの?」
でした。

え? ── との反応には(たいていそうですが)、
「ずっとこの会社にいたいのか、ある時点で自分の開発した技術を持ってメーカーに移りたいのか、それとも、研究面で成果を挙げて、大学や国研に移りたいのか?」
とより具体的に尋ねます。
その時の反応を見ています ── 多くは戸惑った後、この会社で研究開発を続けたい、と言いますが。
その場合にも、生涯研究者か、マネージメントコースか、としつこく尋ねます。

そこから、その人の《ライフプラン》に関わる、本音の話に入っていくこともあります。

「── 君は大学院でいい仕事をしてるのに、どうしてアカデミックに残りたいと思わなかったの?」
「── 会社で研究成果が出たら、それを製造に移って商品化したいって思わないの?」

パーマネントではなく、雇用年数が限られた研究職・技術職としての採用の場合は、特にこの「聴き取り」が重要です。上司は、その人の《Ultimate Goal》に合った仕事の仕方、成果アウトプットの出し方を考えて行かねばなりません。
アカデミック志向の人には《論文》、製造企業志向の人には《特許》重要な成果アウトプットになります。

兼務していた大学院では、入試面接を命じられると、やはり学生に必ず尋ねました。

《What is your ultimate goal?》

自分の適性をわかっている人は意外と多く、でも、おそらくプライドもあり、隠す人もいます。それはそれでいいのです。

学生の場合は、
そこで立ち止まって、《自分の適性》、さらに言えば、《人生》について考えてもらう ── のが真の目的なんですから。

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