アキラ師

元男娼。恋にまつわるお仕事をしています。 Real Life 4 Real Peopl…

アキラ師

元男娼。恋にまつわるお仕事をしています。 Real Life 4 Real People The Suburbia主宰 記事は2007〜2021年までのアーカイブと、新しく書いたものが混在しています。2021.11.01スタート

マガジン

  • プレイボーイマンション

    泣き疲れて眠る前に読むもの。

  • LoveRescue

    お前をレスキューしてやるよ。そんな日々のこと。R18

  • あれこれ

    あれこれ考えたこと

  • The Weekend

    気まぐれのスケッチ群。

  • 写真とか

    写真とか

最近の記事

夫の不倫発覚、何も出来ないまま捨てられた妻

探偵事務所で知ったある真実 若いころ、探偵事務所でアルバイトをした。金に困っての小銭稼ぎのつもりだった。 依頼のほとんどは浮気調査。妻が夫の、夫が妻の不貞の証拠を掴もうと依頼する。もちろん当時も今も想像以上に料金が高い。少なくとも本当に調査する事務所なら安くはない。(調査もしないでお金だけ請求する事務所も普通にある) 浮気調査をし証拠をつかんだ人の何割が、浮気相手に内容証明郵便を送るか知っているだろうか。 実は半分もいない。 何十万円、何百万円という費用をかけて調査した

    • オトナの女、幼稚な女

      「相談があります」と、突然女性に言われた時、必ず質問することにしている。 「それは、実務としての話?それとも感情の話?」 たとえば婚約者にセフレがいることが分かったとする。 それをどう考え、どう解決し、今後をどう考えるべきなのか意見を聴きたいという実務なのか。 それとも、ショックを受けた可哀想な私の話を聞いてという感情の話なのか。 そのどちらでも構わない。 ただ、俺とあなたの関係性では感情の話には付き合うべきではないこともあるし、実務上、専門知識が俺にはないので適任では

      • 読解力があやしい人たちの正体とは

        はじめてiPhoneを持ったのは2009年だったと思う。それと同時にSNSにアカウントを作った。 最初に作ったのは当時のTwitter(現在X)、次に当時とてもクールに見えたTumbr、その次にInstagram、最後にFacebookだった。 それまでガラケーブログをせっせと書いていたため、表現の場所が広がるのかもと期待していたのだが、SNSは使い方がよく分からず、Twitterでぽつぽつとツイートしていただけ。ファボもほとんどなかった。 2009年当時のTwitter

        • 【Love Rescue】巻き戻せない景色のこと①(2024年)

          気難しいと周りに噂される女が事務所にいた。 澪、27歳。 風俗嬢としてはもう旬を過ぎている。19、20の嬢たちにとっては近寄りがたい存在だった。 何を言われようとしょせん風俗店だ、1人で完結する仕事なので他人からどう思われようが気にする必要はない。しかし、澪の気難しさは周囲をピリつかせる類のものだった。 ある時、20歳の嬢が澪にこう話しかけた。 「澪さん、私、彼氏と大阪に遊びに行ったのでそのお土産です。よかったら食べてください」 澪は嬢の顔も見ない。 「うん」そう言って、ち

        夫の不倫発覚、何も出来ないまま捨てられた妻

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        記事

          アウディに乗る妻と中年男③【最終回】

          調査最終日。 今日の調査は俺が1人でやることになっていたが、昼間は史織とランチに行った。近いうち温泉旅行に行くつもりだったのでその打ち合わせも兼ねて。 カジュアルなイタリアンの店でボンゴレビアンコを食べながら話をしていたのだが、次第に様子がおかしくなり、温泉の話も半端に店をあとにした。そのまま2人とも無言で近くのラブホテルに入って、激しくセックスをした。 俺にはすぐに分かった。史織は元なのか現なのか分からないが、風俗嬢だ。 セックスが上手いとかそういうことじゃない。風俗

          アウディに乗る妻と中年男③【最終回】

          【LoveRescue】葡萄①(2016)

          トラムを降りると、低い雲に覆われた街はどこからか葡萄の香りがした。 まだ6月だというのに空気が湿って暑い。肌にまとわりつくような小雨が振り、路面電車の線路が濡れている。弟子の音羽が俺の腕に手を回して傘の中に入った。 「ここから先は少し坂道を登っていくよ」そう音羽が言い、石畳の坂道を歩き始める。 もう何年も履いていた一張羅の靴が壊れたので、駅前の地下街で安物の白いスニーカーを買った。しかしサイズが合わないし石畳の上で時々滑る。パンツにも合っていない。 「そうかな、悪くない

          【LoveRescue】葡萄①(2016)

          アウディに乗る妻と中年男②

          史織と俺は全身黒づくめの服を着て毎晩20時30分に事務所を出発し、現場である体育館の駐車場に21時に着く。駐車場には誰もいない。車の中で不貞行為をする2人がやって来るのを待ち構える。 アウディ妻と貧乏そうな中年男との逢瀬は毎日同じことの繰り返しだ。 21時30分にアウディ妻がやって来る。21時45分に男がやって来る。男の車に乗り込んで、すぐにカーセックスが始まる。そして23時30分に女がアウディに戻り、男は去っていく。女もまたその2分後に車を発進させ、駐車場をあとにする。日

          アウディに乗る妻と中年男②

          「認める」を絶対に許さない大人たちに思い出すいつものあの感覚

          Xを見ていたら、ひとつのポストが目に入った。 ここでは引用しないでおくが、そこについたオジサン達の卑屈なコメントを読んで5年前に聞いたあるエピソードを突然思い出し、息が苦しくなった。 あるある、いつもある。 それはこんな感じのエピソードだった。 専務に罵声を浴びたT君の話 5年前、23歳の男性と知り合った。 ブログにいつも感想をくれていたのがきっかけで、たまにLINEをするようになり、時々ファミレスなどで会って話をするようにもなった。 Tというその23歳の男性は大学を

          「認める」を絶対に許さない大人たちに思い出すいつものあの感覚

          アウディに乗る妻と中年男①

          20代の終わり。俺の商売は完全に行き詰まっていた。お金に困り果て、食べるものにも事欠く始末。やむをえず知人にバイトを紹介してもらい短期間だけ小銭を稼ぎ食いつなぐことにした。 情けないもんだ。 紹介されたバイトは探偵事務所だった。 この時代は個人情報保護法もなく、いい加減で胡散臭い事務所が沢山あったらしい。 俺がバイトに行ったのは、正直なところ反社じみた事務所だったと思う。 雑居ビルの三階にあるオフィスに看板はなく、入口は常にカギがかけられていた。事務所の中には金属バットが

          アウディに乗る妻と中年男①

          必要なのはアドバイスではなく、ベシャリだよ

          まだ土着的な夜のお仕事をしていた頃、スタッフの嬢たちの間で習慣になっていたのは「アキラに質問タイム」だった。 深夜の暇な時間帯、ボスの俺になんでも質問してみるという単純なものだった。 事務所でお菓子をつまみながら大勢で話すこともあり、あらたまって個別に質問してくることもあり。 嬢たちの年齢は10代から20代半ば。言うまでもなくその年頃の女性は大変だ。将来の不安はあるし、思春期をくぐり抜けたばかりで鬱屈した自暴自棄みたいな行動もよくする。彼氏とトラブルを起こしたり、親と関係が

          必要なのはアドバイスではなく、ベシャリだよ

          情報を受け取るための知的能力がない人達のこと

          10年前のある夜、俺はネットニュースである記事を見かけた。 それは今で言うところのセルフネグレクトについてのルポルタージュ記事だった。40代の働き盛りの男性がセルフネグレクトに陥り、ひとり住まいの部屋がごみ屋敷になっていき、福祉も拒否して死人のように孤独に生きているというものだった。 疎遠となった親族が手を差し伸べようとしても拒否し続けていたが、あることがきっかけで病院での受診や生活保護の手続きを開始することができたという。 「刺激が強いけれど、これはあの人にとって参考に

          情報を受け取るための知的能力がない人達のこと

          (アーカイブ)LoveRescueのためのスケッチ 『葡萄①』

          トラムを降りると、低い雲に覆われた街はどこからか葡萄の香りがした。 まだ6月だというのに空気が湿って暑い。肌にまとわりつくような小雨が振り、路面電車の線路が濡れている。弟子の音羽が俺の腕に手を回して傘の中に入った。 「ここから先は少し坂道を登っていくよ」そう音羽が言い、石畳の坂道を歩き始める。もう何年も履いていた一張羅の靴が壊れたので、駅前の地下街で安物の白いスニーカーを買った。しかしサイズが合わないし石畳の上で時々滑る。パンツにも合っていない。 「そうかな、悪くないよ、

          (アーカイブ)LoveRescueのためのスケッチ 『葡萄①』

          見ず知らずの女性に「可愛い」と発言し続ける男性達

          ネットにあふれる望まない性消費YouTubeを見ていると、呆れるような動画を見かけることがある。 ディズニーランドの女性ダンサーをショート動画にしているもの。 台湾のプロ野球チームのチアをショート動画にしているもの。 女性アスリートの胸やお尻が強調されたシーンをショート動画にしているもの。 どれも幼い感じの女性ばかりだ。童顔で、笑顔で、安全そう、動きがアニメのようだ。そして脚や腕が見えている。 こういう動画は全て男性が投稿している。しかも同じ女性の動画を執拗に大量に掲載

          見ず知らずの女性に「可愛い」と発言し続ける男性達

          自分にご褒美ばかりあげているから、自分を認められない

          最近は、「自分を大切にしてあげよう」「まずは自分を優先にしてあげよう」という感性が当たり前になっていると思う。 何か鬼の首を取ったかのように、まるでいきり散らすかのように、「自分を大切にしてあげられない人は他人も大切にできないよ!」と言う人たちと頻繁に出会う。 いや、言いたいことは分かるよ。 でも自分を大切にしているようには見えないんだよね。そんなにひねくれちゃってさ。 自分に自信がなく、他人の意見にいちいち動揺して、他人に傷つけられないか常に怯えているがあまりに、自分を

          自分にご褒美ばかりあげているから、自分を認められない

          嘘をつく人にお金は貸せない

          「お金を貸して」と言われた経験はあるだろうか。 あるとしたら、自分の交友関係に問題があったと猛省するしかないのだが、俺も「お金を貸して」と言われたことが何度かある。 言われたこちらが恥ずかしくなるような話だ。 そもそも他人に借金を申し込むというのはどういう状況だろうか。簡単な話で銀行や消費者金融やカード会社が貸してくれないからだ。それはなぜか。借りた金を返していない、もしくは債務整理(自己破産、任意整理)をして間もないから。いわゆる金融ブラックというやつ。 そもそも銀行が

          嘘をつく人にお金は貸せない

          人生のスタートラインに立てないということ【2015年】

          貧しい人たちに対し、努力不足だと糾弾する人たちがいる。 生活保護を受けることや自己破産することを犯罪だと言う人たちまでいる。自己破産した人達を晒そうとホームページまで作った人もいる。 あるいは知性や発達に障害がある人達を圧力的に責め立て、何度も何度も謝罪させては追いつめるような人もいる。 どうしてそういうことをするのか分からないが、彼らはとにかく弱者は努力が足りないのだと言って人生のスタートラインに立てない人たちをバカにする。 そうやって攻撃する彼らは一様にこれといっ

          人生のスタートラインに立てないということ【2015年】